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#4 美しい、美しい、美しい偶像

 ベルヴィル記念暦985年2章13節。

 フラナガンと、ブラックシープ。

 その、素晴らしき出会いの夜が明け。

「美しきヴールにましますトラヴィールよ。

 永遠に御名があがめられますように。

 銀色に輝く御国の門が開かれますように。

 御心がすべてをお忘れになったように。

 私たちもすべてのことを忘れられますように。

 私たちに日ごとの無知の幸を与えてください。

 私たちが信じぬものを愛しましたように。

 私たちのことも愛してください。

 私たちのことを。

 それからその目の前に立ちふさがる全ての悪しきものを。

 等しくあなたの慈悲の中にお許しください。」

 銀色の門、二冊の聖なる書物のうちの一冊『トラヴィール聖書』に描かれているヴールの門を、その文言の通りに正確にかたどった銀色の門のレプリカの前で、フラナガンはその祈りの言葉を唱えた。フラナガンの祈りに答えるようにして、音もなく門は、ゆっくりと動き始める。「真実のヴール」に通じるその門は。フラナガンに向かい、温かく抱きしめて受け入れる両の手のようにして、ゆっくりと開いていく。フラナガンは、顔を隠すその紗の奥で、淡く淡く笑う。

 契約をした、その時に。

 フラナガンは、たった一節、三十二時間だけ。

 NHOEから、自由に使える時間をもらっていた。

 この日がその日だ。

 ケイト・マクロードに。

 美しきケイト・マクロードに。

 告解するために。

 告解し、許しを請うために。

 今、フラナガンはブラッドフィールド中央教会の銀門塔の一番上の階にいた。銀門塔とは、トラヴィール教オンドリ派の様式で建てられた、そういった教会に据え付けられた塔の中で、一番高い塔を指す言葉だ。だから、ここからならばこの都市中を見渡すことができるはずだった……このブラッドフィールドの、その身の内に蛆虫が巣食っている腐った林檎の、隅から隅までを。金属の蟻塚の群れを、この街を閉じ込める牢獄の格子様に立ち並ぶ、金属とコンクリートとそれからガラスでできた、建物の群れを超えて。

 けれど、ここから外を見回すことはできない。

 黒一色で塗りつぶされた小部屋。

 窓一つない小部屋。

 それが、銀の門の部屋だからだ。

 聖なるヴールが愚昧な大衆の目に触れることを。

 オンドリ派は、この上なく嫌悪するために。

 この部屋には、ある種の魔学的テレポート装置が据え付けられていて、その装置のことをトラヴィール教徒たちは「銀の門」と呼ぶ。トラヴィール聖書に書かれた銀色の門を模して造られたそれは、「真実のヴール」……もちろん聖ベルヴィル騎士団によってこの世界に打ち立てられた、肉と塵でできた王国である「偽物のヴール」ではなく、栄光と無知で形作られた「真実のヴール」……へと繋がっている装置であり、世界中に建てられたあらゆる教区の中央教会には必ず設置されていた。そして、その教区の教区長は、その銀の門の鍵を有している。この世界中のどこからでも、その門の向こう、つまり「真実のヴール」に存在している、選神枢機卿ランドルフ・カーターズから、その無知を受け取る聖なる義務を、果たすことができるようにして。

 さて、フラナガンの目の先。

 開いた門の向こう側。

 フェト・アザレマカシアにある。

 「真実のヴール」。

 ただ、鏡のように黒い。

 黒だけが広がっていた。

 フラナガンは、無知の幸をひらひらと、まるで貪るために花を瞬く蝶々のようにして揺らめかせながら、その門の内側へと入っていく。まるで「何も存在していないかのような」黒の中へと。フラナガンは確かに足を進めていたのだけれど、その足がどこを足場として踏み、そしてどこを空として蹴っているのかも分からなかった。何も見えない、何も聞こえない、何も感じない。それは決して、ただ単純に目に触れないだけではなかった。もっと深く、魂の奥底にまで、触れるものがないのだ。本物の無。その中を、遠く、遠く、「エティエンヌ=ローラン・ド・マリニーの部屋」へと向かって、フラナガンは静かに歩いていた。フラナガンは、もちろん「ド・マリニーの部屋」がどこにあるのかを知っていた。顔にかかった紗の向こう側で、フラナガンの全ての愛を欲する魂はその部屋を知っていた。けれど、もちろん知ることは罪だ。フラナガンの魂は、罪を犯している。幾つも幾つも……そして、今、フラナガンは、その罪の告解に向かうところだった。

 この罪を許してもらえるだろうか。

 もちろん、許してもらえるだろう。

 ケイト・マクロードは何よりも愛に近い。

 フラナガンを愛し、そして許してくれる。

 フラナガンだけではない。

 全ての生きているものを。

 あるいは全ての生きていなかったものを。

 ケイト・マクロードは愛してくれる。

 ふと、フラナガンはその存在に気が付いた。ただ単純な闇であるはずのその黒色の中に、ただ一点だけ、その存在は存在していた。フラナガンが向かう方向、そのずっと先の方に、その存在は存在していた。フラナガンは、無知の幸をまた揺らめかせて、その場所にそっと立ち止った。

 その存在は、二つの人影だった。

 少なくとも、人のように見えるものの影。

 次第に、その姿が見えてくる。

 夜の底に打ち上げられた。

 プラスチックの玩具のようにして。

 一人は少女だった。全身を黒く身に包んだその少女は、全体的になんというか、ちぐはぐとしたというか、とにかく妙な服装をしていた。些部の説明を省いて、あえて一言でいうとすれば、それはフラナガンが着ている服装、つまりトラヴィール教会の神父の服装に全くもって酷似していた。といってもシスターのそれではなく、神父用の服装を無理やり女性用に直したような、そのせいでその姿は一種のコスチュームプレイじみた感覚を覚えさせた。着ている服は、上半身は黒いスーツに黒いネクタイだったけれど、下半身はパニエで膨らませているように、ふわっとしたような形をしたフリルスカート。そして、その上から羽織るようにして、黒いロングコートの方の「無知の幸」を身に着けている。そして、一般的に神父の顔を覆い隠すのは黒い布のはずなのに、その少女の顔を隠しているのは頭の上に乗せた黒いヴェールだった。

 もう一人は……海果系の顔つき、恐らく月光国人だろう。真っ白な長袖のシャツを着ていた。そして、下には履き古したようなジーンズをはいていて、靴はありきたりなスニーカー。一度も整えたことがないようなぼさぼさの髪は、まるで作り物めいて真黒だったけれど、その黒は別にこの黒の中に溶け込むような色ではなかった。きっと、この黒の中だけではないだろう。その黒は、どこであったとしても溶け込むことはできなかったに違いない。まるで本物のところがない、哀れな偽物。そしてその髪の下にある顔には、銀の縁の眼鏡をかけていた、グラスが鏡のような黒に反射して、闇に沈んでいる。瞳の色はこれもまた黒、これもまた似せ物の黒。そして、その人影は……まるで、女のようにも見えた。まるで野生の白いアスパラガスみたいに、一度も化粧をしたことがない女のようにも。けれど、それは男だった。間違いのないことだ。

 少女は男に、まるで影のように付き従っていた。

 付き従っていた? いや、少し違った。

 それは、まるで、囚人を曳いていく看守のように。

 あるいは、家畜を追う飼いならされた獣のように。

「これはこれは!」

 フラナガンは。

 立ち止ったその場で、慇懃に。

 その男に向かって一礼を捧げる。

「栗栖黒太郎猊下ではありませんか。」

 栗栖黒太郎と呼ばれたその男は。

 立ち止り苦々しげに。

 フラナガンに向かって立ち止る。

「フルネームで呼ぶんじゃないわよ。」

「大変奇遇ですね、それに僕としてはとても光栄だ。聖なる「真実のヴール」で、偉大なる黒太郎猊下にお会いできるなんて……黒太郎猊下も、告解の秘跡をお受けに?」

「まあね、あんたは本当に嫌な男だわ。」

「黒太郎猊下にとって嫌みなことがあったとしたのならば、この通り、ひらに謝罪申し上げます。」

「下の、名前で、呼ぶんじゃ、ないわよ。」

 黒太郎は深く深く礼をしていた頭を上げると、黒太郎の方を向いて、紗の奥で軽く笑った。それは軽蔑や、あるいは嘲笑といったたぐいの笑いではなかった。それは、ただ卑屈の笑みだった。ただ、身分の下のものが身分の上に向けて捧げるための笑み。それを黒太郎に向けて笑い、そしてまた口を開く。

「ところで猊下。」

「なによ。」

「この僕に、哀れなる主のしもべであるエドワード・ジョセフ・フラナガンに、何かお言葉を頂くことはできませんでしょうか? 今、この子羊は先の道に迷っているんだ。猊下のお導きがなければ、もしかして、茨の道か、あるいは一人、涙の谷を歩くことになってしまうかもしれません。」

「あたしが? あんたに? お言葉を? は、下らない冗談も大概にしてほしいわね。あらゆる意味で無意味なことを、あたしはするべきではないしする気もない。」

 銀の眼鏡の縁を軽く傾けるようにして、ぎっと奥の歯をかみしめる顔をすると、黒太郎は不愉快そうにそう言い捨てた。それから、フラナガンのことを路傍の虫けらを無視するようにして、その横を通り過ぎていく。

 神父のまがい姿をした少女も。

 その後に影のように従って。

 完全な黒の奥に塗りつぶされるように。

 けれど、その前の一瞬。

 黒の咀嚼の口先で。

 ふと、黒太郎が立ち止まる。

 口を開いて言葉を乗せる。

「フラナガン。」

「何でしょうか?」

「バシトルーの歌が聞こえるわ。」

 すっと。

 まるで音もなく。

 黒太郎の喉元に。

 光の剣が当てられる。

 神父のまがい姿をした少女だった。まるで虚無から、その光を現して、そしてその光を剣の姿にまとめて、そしてそれを黒太郎の喉元に。光? いや、少し違うようにも見えた。それはもう少し、何というか……歪んでいた。それは、現実の歪みのようなもの。あるいはもう少し獣じみていて、歪んで、歪んで、歪んで。そしてその剣を黒太郎の喉元に、まるでその声を切り殺そうとするかのようにして、付き当てていたのだ、まだ黒太郎の喉は引き裂かれていない、けれどあと一言でも発すれば? それはまごうことなく脅迫であった。研ぎ澄まされた獣の爪による脅迫。

「栗栖黒太郎様、あなたはその言葉を発することを禁じられています。」

「フルネームで呼ぶんじゃないって言ってんでしょ?」

 黒太郎はそう言うと。

 指の先で光の剣を退けた。

 ふーっと深くため息をつく。

 それから、また歩き始める。

 黒の喉の奥へ。

 フラナガンは、くるり、とまるでピルエットを踊るようにしてその場で一つ回転を踊った。そして、振り返り、黒太郎の背姿を目で送る。笑いながら、あの卑屈な笑みで、己の存在の卑小さを理解しているものに特有の、あの卑屈な笑みで。それから、口を開く。

「トラヴィール、トラヴィール。」

 振り向きもしない。

 黒太郎に向かって。

「できそこないのトラヴィール。」


 壁にはどこか遠い田舎の、小さくも大きくもない農家の、数人の子供を産んで柔らかく熟した夫人が、夜に月の光を頼りに織ったような、どこかしら懐かしい素朴さのあるタペストリーが掛けられている。何枚も何枚も、それは全て二冊の聖典のうちのもう一冊、『カトゥルン聖書』から画題を取られたタペストリーだ。

 あるものはヴールにおける定命全知者カトゥルンが真実への旅を始める姿を描いている、あるものは同じカトゥルンがトラヴィールに慈悲深き無知の幸を授けるところを描いている。またあるものはこの世界にあらわれた聖なる銀の門の姿を、あるものは聖なる国に攻め込んできた唾棄すべきケレイズィの大軍の姿を、そしてあるものはのちの世界の栄光を……つまり、この世界の全てが無知に包まれた、聖なる黒を描いている。

 下には温かく包み込むような暖色の、そしてふわふわと足元に柔らかくその感触を伝える絨毯が敷かれていて、けれどそれはどこかしら古めかしく、永の歳月にわたって踏みしめられてきたゆえの、秩序正しく落ち着く雰囲気を感じられた。部屋の奥の奥の方には、何かこの世界の物ではない金属で作られているような、けれど奇妙にこの世界の物に似ている形の、暖炉のようなものが据え付けられていた、それは、金属をわざわざ煉瓦の形に似せて、そしてその煉瓦を積み上げて作ったみたいな。ぱちぱちと、空気のはぜる火の中では、何かが燃えていた。その何かからは、甘く優しい乳香のにおいが漂って来ていた……それは母の胎に満ちる羊水のような、どこかしら眠気を誘う、淡い淡い香りだった。

 そして、この広い部屋の真ん中に。

 五つ、一人がけのソファが置かれていた。

 ゆったりとして、まるで寝椅子のように傾いて。

 この全てがそれぞれの選神枢機卿のためのソファだ。

 つまり、ここが「ド・マリニーの部屋」だった。

 フラナガンは「真実のヴール」の完全な黒を通り抜けて、この場所にたどり着いていた。部屋へと至る扉を通り抜けると、白い手袋に覆われた手のひらで、静かに、音を立てないようにして、そっと閉じた。その扉は……少し変わった扉だった。というか、扉ではなかったのかもしれない、少なくとも、狭義の扉では。それを通り過ぎるものの耳の奥には、まるで囁くようにして、カチ、カチと、どこかで発条と歯車の仕掛け物が、何か、通常の世界が属しているものとは異なる世界の数式によって導かれた速度で動いている音が聞こえる。この扉は、つまり時計だった。絵と文字のあいのこのような、理解するためのものではない象形文字を、体中にまとわせた、棺のような形をした時計。その内臓の中に入り込むための蓋の部分が、「ド・マリニーの部屋」へと至る、あるいはそこから外へと向かう、扉になっているのだ。

 それはともかくとして。

 フラナガンはたどり着いた。

 「ド・マリニーの部屋」に。

 秘跡を受けるための聖なる場所。

 扉から離れ、フラナガンはゆっくりとソファの方に向かって歩き始めた。ソファのうちの、四つの席は空席になっていた。けれど、ひとつの席は満ちていた、愛で。実は、それ以外の席は、フラナガンにとっては、別に空白でも構わないものだった。その席さえ、満ちていれば、愛さえ、満ちていれば。

 その愛の名前はケイト・マクロード。

 彼女の名前はケイト・マクロード。

 オンドリ派の総大司教にして、選神枢機卿の一人。

 偶像者ケイト・マクロード。

 ソファーの上に、まるで聖なる母のような姿をして、横たわって、寄りかかって、座っているケイトは、一般的なトラヴィール教会のシスターの服装をしていた。けれど、それは……現在のトラヴィール教徒の着るべき服装よりも、なお一層の献身を要求されていた時代の服装だった、フラナガンと同じように、古い古い、旧式の服装。黒一色のリリアン・ドレスは体をすっぽりと覆い、その線も隠してしまうくらいの、ゆったりとした大きさだ。その上から、まるで黒い天使の羽みたいにして柔らかく羽ばたくようなマントと、それからフラナガンのものと同じように顔を覆い隠すような黒いヴェールとの一体化した、シスター用の「無知の幸」を被っている。つまり、フラガンとまるで同じような、真黒の服装。

 ケイトはその上半身を起こし。

 そして、紗に覆われた顔を。

 フラナガンの方に、優しく向けた。

「ケイト、マクロード、猊下。」

 フラナガンはそう言った。

 まるで、性の交わりの最中の喘ぎ声のように。

 それから、ケイトの足元に跪いた。

「あなたの子羊、エドワード・ジョセフ・フラナガンです。」

 フラナガンは、右手でゆっくりと、静かに、それを壊さないように、ケイトの手のひらを取り上げた。そして、反対の手、左手で、自分の顔を覆い隠している紗を、そっとあげた。その唇をゆっくりと、静かに、それを壊さないように、ケイトの手の甲に口付けた。

 聖なる母?

 聖なる母のような姿?

 確かに、ケイトは聖なる母のような姿をしていた。まるでフラナガンを、あるいは他の全てのものを、その子宮の内側に温かく柔らかく孕み込んで、そして永遠の胎児として愛を与え続ける、ケイトは、そんな姿をしていた。母の姿、全てを愛する母の姿を。けれど、その手は……まるで少女のようにほっそりとしていた。透き通り、研ぎ澄まされ、それでいてそれは……無垢であった。純真であった。それは、それが表すものは無知だった。完璧な無知。少女の無知、月の光を浴びたことのないような、その身の内に、穢れの赤を宿したことのないような、そんな手をしていた。

 フラナガンは。

 その手の甲に。

 口付けたのだ。

 口付けの名残は、手首にかかったティンダロス十字のロザリオを、しゃらりと音を立てて揺らした。ティンダロスの王を示す円形と、ティンダロスの猟犬を現す十字を合わせた、円形の外に付きだすような十字の形だ。フラナガンは、ケイトのそのあまりにも聖なる顔を、仮に紗を越してでも、己のような存在の目に触れぬよう、跪いたまま、俯いたままで、ケイトに向かって、また口を開いた。

「僕は許しを請いにまいりました。」

 ケイトは何も言わなかった。

 そこに座っていた。

 そして、許しを請うフラナガンを。

 じっと見つめていた。

 顔を覆い隠す紗の向こう側から。

 それだけで、彼女は愛であった。

 フラナガンを、愛する、愛。

 ただ、無償に。

 ただ、愛する愛。

 フラナガンは。

 言葉を続ける。

「どうか、僕に、許しの秘跡を、お与えください。」

 そして、美しい愛の下で。

 許しの秘跡は始まる。

 トラヴィール教会の許しの秘跡は、その時代、教会の属している地域、あるいはオンドリ派かフクロウ派か、そう言ったことで随分と変わってくる。その過程が一番長いものには、聖職者に己の罪を告白する前に三つの段階を経て、そして更に聖職者に己の罪を告白してから三つの段階を経なければ秘跡が完了しない、というような方式もある。けれど、高位聖職者が選神枢機卿より受ける秘跡は、たとえどの時代でも、どの地域でも、どの派閥でも変わらない。それは、もっとも基本的な三つの言葉と、一つの許しによってなされる。

 まずは、罪状告白。

「僕は、トラヴィール教会の神父という聖なるアフェクティオの中に、この体と、この魂と、そしてこの精神を存在させておきながら、あの卑しい被差別階級であるスペキエースとして、世界から規定されてしまった。それが、僕の罪だ。」

 次に、懺悔。

「ランドルフ・カーターのエクステンシオとして、たとえそれがいかな末端であろうと、いかに価値のない僕のような存在であろうと、そんなことは許されることではないんだ。もちろん、僕がスペキエースだなんてことはあるはずがない……だって、そうだよね? 汚らわしい、世界の汚染者、その言葉の局面で、この世界に意味をもたらしたもの、その子孫であることは、絶対にありえない、それでも世界はそれを意味する……僕を、その汚らわしいスペキエースとして規定されてしまった、僕は、この世界に、汚らわしい、汚らわしい、汚らわしい、僕が、スペキエースである、はずなんてないのに、僕はトラヴィール教会の聖なる人間だ。しかし、スペキエースとして世界に意味されてしまった。それを、僕は、深く、懺悔する。」

 次に、許しの請願。

「ケイト・マクロード。だから、僕を……僕を許して欲しい。あの卑賤なスペキエースの集団、ブリスターによって、汚らわしいスペキエースとしてのアトリプータを烙印され、そしてまるで疫病の感染者のようにレメゲトンに隔離されて、あんな場所に二年も、僕はこの体を浸してしまった。僕は、穢れて、僕は、この体は、この魂は、この精神は、そんな僕は、本当は救われるべきではないんだ、解っている、それは解っているんだよ。でも……それでも、僕は、許しを求めるんだ……許しを、それに愛を……ケイト・マクロード、君の愛を。ケイト・マクロード、僕を許してくれ、ケイト・マクロード、僕を愛してくれ、僕は君の存在が、君の愛がなければ、この世界で生きていくことなんてできやしないんだ……全ての存在の母、穢れなき無知なる少女、ケイト・マクロード……僕に許しの秘跡を与えて。」

 そして、最後に。

 許し。

 フラナガンは、ふとその顔を上げた。そして、ケイトの顔を見た。その聖なる顔を。その顔は、ただ静かにフラナガンを見つめていた。顔を覆い隠す、紗の向こう側から。けれど、その顔は、その顔は、まるで……黒い紗を一枚通してでも、フラナガンはその顔を見ることができた。はっきりと、なぜなら、彼女はケイト・マクロードだからだ。彼女の愛を、隠しておける物など、この世界に存在しているだろうか? だから、フラナガンは、その聖なる顔を見た……まるで、ケイトの髪は、静かに燃え盛る炎をそのまま花びらにした薔薇のような色をしていた。もっとも正しい不定子の結合をしたようなまっすぐな赤毛。それは、あるいは死にかけたショゴスの、最後の輝きのような赤毛だ。そしてケイトの瞳。不純物の全く混じっていない、ラゼノ=コペアのような緑色。灰色がかった緑色。それはあるいは、この大地の全てを焼き払い、ただその燃え残った灰だけが残った荒野の中で、ただ一葉、その灰の中から生まれた、若葉のような緑色だ。

 汚してはいけない。

 その緑色の瞳で。

 ケイト・マクロードは

 フラナガンを招いた。

 その体を立たせて。

 そして、そっと胸の内に抱いた。

 フラナガンは、まるで。

 一週間も続くオルガスムスのように。

 その体を、快感が貫く。

 ケイトの体は、まるで、まるで、まるで……間違いなく、それはアンドロギュノスの天使のような体をしている。けれど、勘違いしてはいけない、彼女は両性を有しているわけではない。そんなこと、当然だろう? ケイト・マクロードが、あの偶像が、性のような薄汚いものを有しているわけがないんだ。君にも分かるよね、ケイト・マクロードの体からは、両性とも、その身の内からそぎ落とされたようにして、あまりにも研ぎ澄まされて、純粋な体をしている。乳房も、男根も、その体には存在しない。子宮も、精巣も、その体には存在しない。ただ、それは白く透き通った少女の姿だ、ありうべき偶像、まるで霊と夜とで作られた、体。そして、それでいて、それは母の体だ。その体の内に、愛を受胎した、母の体。

 フラナガンは。

「ケイト・マクロード。」

 交尾をする前の雄猫のように。

「僕の偶像。」

 声を、ケイトの体に滑らせる。

「僕を、許してくれるのかい?」

 ケイト・マクロードの目は。

 じっとフラナガンを見つめていた。

 純粋で、無垢な目は。

 フラナガンだけを見つめていた。

「ケイト・マクロード。ありがとう、僕を許してくれるんだね。僕は、僕は、君を愛すると、何があっても、君だけを愛すると、それを誓うよ、ケイト・マクロード。」

 こうして、フラナガンに。

 許しの秘跡は与えられた。

「なんだい、ケイト・マクロード。」

 けれど、まだ終わってはいない。

 フラナガンは、償いをしなければいけない。

「そうだね、ケイト・マクロード。」

 そっと、フラナガンはケイトの体から離れた。

 そして、そっとケイトの目の前に立ち。

 すうっと目を細めて笑った。

「僕のことを、陥れた人間がいる。それを、僕は知っている。当然さ、どんな馬鹿にだって分かることだ。僕があの卑しいスペキエースだなんて、そんな根も葉もないことを、世界が何の理由もなく意味するはずはない。誰かが、その偽りのコギタティオを作り出して、それをまるで詐欺師のような顔をして、この世界の内臓に忍び込ませたんだ。誰が僕のことを陥れたのかは、まだ分からないけれど……けれど、僕は何があってもその人間を探し出すよ。そして、この世界から、その人間を切除する。ああ、勘違いしないで欲しいな、別にその誰かに恨みはないんだ。けれど、世界は正されなければいけないだろう? 穢れの一点でもあるべきではない。それは、解ってくれるようね? 僕は速やかに、そして永遠に、その誰かを切除する。それは、たとえ誰であったとしても、嘘つきの、醜い、詐欺師に違いがないからね。そしてそうすれば、またこの世界は綺麗になる。だろう? つまり、そういうことさ。それが、僕の償いだ。」

 けれど、それだけではない。

 フラナガンにはやらなければいけないことがある。

 この世界が、正しくあるように。

 無知の幸を受けることができるほどに。

 正しくあるように。

 ケイトはただじっと。

 フラナガンを見つめている。

 フラナガンはそれに気が付いたように。

 ふと、言葉を滑り落とす。

「P・B・ジョーンズの?」

 ケイトはただじっと。

 フラナガンを見つめている。

「解ったよ、ケイト・マクロード。君の言う通りにする。彼の下らないお遊びに付き合ってあげればいいんだね? まあ、本当はすぐにでも殺してしまおうと思っていたんだけれどね。ボーへに頼んで、頭のこれを取った後で。でも君が望むのならば、このままでいよう。例えそれが何を招くとしても……僕はそれを甘んじて受け入れるよ。全て、君の、言う通りに、僕は行動するよ。」

 ケイトはただじっと。

 フラナガンを見つめている。

「ケイト・マクロード、じゃあ、僕は行くよ。」

 ケイトはただじっと。

 フラナガンを見つめている。

「償いをしなければいけないからね、君の愛に見合うだけの。」

 フラナガンは。

 償いをしなければいけない。

「君に無知の幸を。」

 フラナガンは。

 くっと首を傾げて笑う。

「アラリリハ。」


 許しの秘跡を終えて、「真実のヴール」を後にして、「銀の門」のレプリカからこの世界へと戻ってきたフラナガンの目の前に。その銀門塔の黒い小部屋の中心で、じっとフラナガンを待つ忠実な侍者のようにして、一人の男が立っていた。細いグラスの眼鏡をかけていて、髪型はオールバック。地味な灰色のスーツを着ていて、黒地にひし形の模様が描かれた目立たないネクタイを締めている。顔の表情はあくまでも無表情で、それは海果系の人間の精神の底にしみこんでいるような顔だ。つまり、その男は、大手拓次。フラナガンのパーソナル・アシスタントをしている、それより他の何でもない男。

「ああ、大手くんかい。」

 フラナガンは大げさに両の手を体の前に広げると。

 軽く肩をすくめて、紗の奥で苦笑した。

「解ってる、解っているよ。聖なる勤めを果たした後は、次は俗世間のお仕事を済ませないといけないからね。つまり、そういうことだろう、大手くん?」

 大手はそのフラナガンの冗談には特に答えることもなかった。その代わりに、いつも持ち歩いているパッド型情報端末を自分の顔の前に持って来ると、それから話を始めた。

「ご指示を受けましたことを調べて参りました。」

「ああ、その前に。」

 フラナガンはその目の前に、右手の人差し指を一本たてて大手の話を一度遮った。それとは反対の手でコートのポケットから銀細工のシガレットケースを取り出す。さらに、そのシガレットケースを親指の先で撫でるようにして開くと、その中からラゼノ・シガーを一本だけ取り出した。それから、そのシガーを人差し指と中指で挟んでいる手の、小指と薬指で。そっと、顔を覆う黒い布の、口の部分だけを持ち上げる。ふわり、と夜をあえく飴細工のようにして、その口にシガーをくわえると、いつの間にか右の手に持っていた銀細工のライターでそのシガーに火をつけた。

 ふうっと。

 黒い紗の奥から。

 シガーの煙を吐き出す。

「それで?」

「現在のブラッドフィールドにおいて、コーシャーカフェはほとんど完全に消滅しています。アンダー・テーブルズの一部はかろうじてその命脈を保ってはいますが、それ以外はNHOEの言っていた通り、他の組織が吸収してしまったようです。」

「ふぅん、まあ二年も留守にしていたんだから仕方ないね。ああ、ところで今もテーブルの上側に座っている面々は、変わらない連中なのかな?」

「ええ、変りがありません。エンプティ・ダンプティ、スローターハウス、女媧、ヘンハウスのピーコック、フィッシャーキングの五人です。」

「全く、いつまでたっても代り映えがしないよね。フィッシャーキングがアルフォンシーヌを殺して以来、ずっとこのメンツじゃないか。ちょっとは変化がないと……」

 言いながら、フラナガンは。

 聖なる小部屋の床に。

 軽く、シガーの灰を叩いて落とした。

「ただし。」

「え?」

「現在ではそこに一人、新興の勢力が加わっています。」

「新人かい?」

「通称はハッピートリガー。もともとは小さなストリートギャングのトップにすぎませんでしたが、貴方がいない間にコーシャーカフェのほとんど丸ごとを吸収して、新たにホワイトローズ・ギャングという組織を作り出しました。」

 言いながら、大手はパッド型情報端末の上に、軽く指を滑らせて一つの画像を呼び出した。それは、レンガ塀の上に白いスプレーで描かれた落書きのようなものだった。それは、白薔薇の絵だった。五枚の花弁を持った、逆五角形の形をした、白い薔薇の花の絵。

「へえ、やるじゃないか。ああ、ところで。」

「はい。」

「スペキエースの人身売買もその子がとっていったのかな?」

「ええ。ただし国家・企業体及びその他の集団を相手とした取引に関しては、ヘンハウスのピーコックが。」

「じゃあ、オーバー・ウェポンの流通経路は?」

「それはエンプティ・ダンプティが。」

「なんだ、じゃあその子がとっていったのは、ほとんど残りかすみたいなものじゃないか。ピーコックもEDも、もう少し後進に対して道を譲ってあげたっていいだろうに。」

 そう言いながらフラナガンは、やれやれといったようにして、少し大仰すぎる身振りで嘆いて見せた。また黒い紗を指の先でのかして、シガーの煙を一息吸う。それから、それを吐き出す。黒一色の部屋の中を、シガーの煙がまるで汚すようにして、拡散して消えてしまう前の一瞬だけを灰色にむせぶ。また、フラナガンは口を開く。

「で。」

「はい。」

「その子は、いったい何者なんだい?」

「彼の本名は、リチャード・グロスター・サードです。」

「え?」

「つまり、グロスター家の一人息子です。」

 フラナガンは、口元にシガーを持って行った手を。

 まるで、何か透明なゼリーに掴まれたように止めた。

「聞くまでもないと思うけれど。」

 それから、何かを考えるようにして。

 すっと、紗の奥で、目を細めた。

「それは、ノスフェラトゥのグロスター家かい?」

「はい。」

「へえ、あの子が……」

 そう言いながら、止まっていた手をまた動かして。

 口元に、シガーを甘くくわえる。

「大きくなったんだね。」

「そうですね。」

 フラナガンが煙と共に、ため息のように吐き出したその言葉に、大手は特に感動も込めず、事務的に反応を返した。リチャード・グロスター・サード、グロスター家の一人息子、本来はグロスター家を継ぐべき子供。けれど彼は……フラナガンは同情するようなあざけりの笑みを紗の奥で浮かべながら、自分的には割とどうでもいいその追想を打ち切った。それよりも、重要なこと、やらなくてはならないことが、フラナガンには山のようにある。

「比喩的な表現を使うとするのならば、路地裏の隅っこの方を走り回って、パーキングメーターを一つずつ壊して、その中身をかき集めるみたいな……そういった地道で、とてもやりがいがあるけれども、残念なことに実入りの少ない、お薬だの女の子だのの仕事は、その子に熨斗紙つけて差し上げても何の問題もないよね。仮にもグロスター家の跡取り息子に、そんな下賤な仕事を任せるのは僕としても非常に心痛痛恨の極みだけれど、まあ彼自身が望んだことみたいだし、僕からのささやかな贈り物として、受け取ってくれれば幸いと存ずることにしよう。さて、この話はこれでおしまいにして。」

 仕切り直すように。

 大手の顔を振り返る。

「どうやって、コーシャー・カフェを再建しようか。」

 顎の下に人差し指を指さして。

 わざとらしく考えるふりをする。

「まあ、ピーコックの方は僕が何とかするよ。彼とは割合に親しいからね。頼めば返してくれるんじゃないかな。大手くん、僕はとても愛されているんだよ、色んな人からね。けれど、EDの方はちょっとだけ難しいような気がする……彼と、僕と、それから女半とは、古い付き合いだからね、人は、長く付き合うほどに他人の悪い面を見出してしまうものさ、それは節理とか、法則とか、つまりそう言うことだから仕方がないよ。どうしよう、かな……とりあえず、EDの方に裏切った汚らわしい虫けらどもを何人か殺さないといけないね。見せしめにして。ああ、楽しみだね、大手くん、ねえ、そうは思わないかな? どういう殺し方をしようか……大手くん、大手くん、ねえ、大手くん、どうせ殺してしまうのに、いつも同じじゃつまらないかな?」

 まるで愛しい人とのデートの計画を、親しい友人に打ち明けるようにして、うっとりとフラナガンは大手にその話をしていたのだけれど、そこでふっと言葉を止めた。それから、少し考えるようなそぶりを見せる、ふりではなく、本当に何かに悩んでいるかのようにして。口を開いて、言葉を滑り落とす。

「ああ、でも。」

「はい。」

「僕にはそれほど時間があるわけではなかったよ。」

 フラナガンは、悲しそうに首を振った。

 それから、言葉を続ける。

「ほら、例のヒーローごっこをしないといけないからね。NHOEとの契約のあれさ、まあ、契約主は彼ではなくて、P・B・ジョーンズだけれど。それはいいとして、きちんと誰かを攫ってきて、ゆっくりと殺してあげたいのはやまやまなんだけれど、そんなことをしている時間はないっていうことになるね、かといってすぐに殺してしまうのは礼儀に反するだろう? どうしようか、大手くん。」

 フラナガンはほとほと困ったようにそう言った。

 そして、それから大手から目をそらして俯いた。

 しばらくしきりと首を傾げていたのだけれど。

 やがて、何かを思いついたかのようにして。

 はっと顔を上げて、大手のことを見た。

「そうだ、ペティラティスがいいよ!」

 フラナガンはそう言ったのと同時に、ふっと思い出したように、指に挟んでいたシガーを見た。しばらく口に付けていないうちに、それはほとんど指の先に近いところまで灰になってしまっていた。仕方なくフラナガンは床の上にそのシガーを落として、それから革靴の踵で踏みにじって火を消す。まるで腹を裂かれた死体かなにかのように、巻紙の内側から中身を吐き出しながら、シガーの火は消えた。

「あれに伝えてくれるかい? 僕がきれいにラッピングをするから、プレゼントを買って来てくれって。どんなに馬鹿だって、いくらなんでもそれくらいのお使いはできるだろう? EDのところに送るプレゼント、ああ、残念なことにカトゥルンの夜は、もう二節前に終わってしまったけれど、それでもプレゼントは、いつ貰っても嬉しいものだ。違うかい? 大手くん。」

「分かりました。」

 大手はそう言うと、パッド型情報端末に指を走らせた。恐らく、そのフラナガンからの指示を打ち込んでいるのだろう、やがてそれを終えて、眼鏡をかけた顔をフラナガンの方に向けて、そして事務的な口調で問いかける。

「他に指示はありますか?」

「うーん、まあ今のところはこれくらいかな。ほら、まだ退院してから一節しかたっていないからね。そんなに必死になって働くこともないだろう? 今日は、まだ様子見ってところだよ。それに、僕があそこにいた間に変わってしまったことも多すぎて。もちろん変わっていなこともあるみたいだけれど、色々と考えなければいけないことも多いみたいだからね。」

「分かりました。」

 そう言うと、大手はパッド型情報端末にまた指を走らせて、恐らく画面を落としたのだろう、顔のそばから離して、自分の体の脇に持った。軽くフラナガンの方に向かって挨拶をする。

「それでは、失礼いたします。」

「ありがとう、大手くん。」

 それから、大手はくるっとフラナガンに背を向けて。この黒い部屋の、二つある扉の内、元の世界、腐った林檎のようなブラッドフィールドへと帰る方へと。銀色に刻まれた、美しきヴールへと至る方ではない方の扉へと歩き始めた。扉までたどり着いて、外に出ようと、そのノブに手をかける。

 その時に。

 思い出したようにして。

 フラナガンが声をかける。

「ああ、そういえば。」

 フラナガンは軽く首を傾げる。

 ポニーテールが、思い出したように揺れる。

 扉のすぐ前で、ノブに手をかけたまま。

 大手が、首だけで振り返る。

「はい。」

「ノヴェンバーはまだ生きているのかい?」

「ええ、ノヴェンバーはまだ生きています。」

「そうかい、それは良かった。」

 そう言うと。

 フラナガンは。

 まるで年若い少女のように。

 小さく声をあげて笑った。

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