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#29 フラナガン・ライジング

 ベルヴィル記念暦985年2章15節。

 午後。

 胎膜のような雨の中。

 割れたガラスの破片。

 飛び散る血流。

 響き渡る叫び声。

 消えていく泣き声。

 遠くの方で破裂音。

 あちこちで燃えている炎。

 目を刺すような煙の匂い。

 倒れ伏している人の形。

 町は、無秩序の中に包み込まれてしまっていた。もう少し正確にいえば、完全なる混乱の中に放り込まれてしまっていた。これはブラッドフィールドにおいては非常に珍しい事態だ、恐らくこれが収まった暁には、現在の状況が絵葉書になってダウンタウンの土産屋で売られるだろう程度には。ブラッドフィールドではギャングたちの抗争など日常茶飯事であり、ここに住んでいる人間は多少のことでは無秩序状態に包み込まれないし、ましてや完全なる混乱の中に放り込まれることなんて滅多にない。しかし、今日は、今日この時は、その「滅多にない」の「滅多」の部分に属しているのだろうと思われた。

 後から思い返してみた一般の皆さんたちの、色々な意見を後々になって総合してみれば、恐らくそれは太陽がちょうど中天を迎えた時に始まったように思われることになる。そして、それは実際に正しいことだった。実際に、ハッピートリガーは太陽がちょうど中点を迎えた時にこの「革命ごっこ」の第一段階を開始したのだから。これはアップルタウンに居住する純種のノスフェラトゥ達と、太陽という名前の恒星として知られている神の卵との関係性に則した実用的な皮肉として立てられた計画であったが、少なくともブラッドフィールドにいた人間でこの気の利いた皮肉に気がついたものは七人しかいなかった。何といっても、そんなことに気がつく余裕は無かったのだ。

 客観的に分類すれば、混乱は主に四つの要素からできており、それを細分化すれば一・四・二・二の小部分からできているということができたであろう。まずは逃げ惑う市民の皆さん。これに関しては特筆すべきことはない。次にホワイトローズ・ギャング。彼ら/彼女らが主に破壊と混乱をまき散らす作業に従事しており、ライカーン・スペキエース・雑種のノスフェラトゥ・人間の四つの要素から構成されていた。それからこの混乱を収拾しようとしている皆さん。夜警公社の社員と、その他の要素から成り立っている。そして、最後にグール達と機械仕掛けの甲虫の二つの要素。グールに操られているらしく見える虫たちは、それぞれの体を組み合わせ、様々な生体武器のようなものを作り出している。カレンバロン(両手持ちで刃の部分が複雑な鍵のようになっている刀、主に宗教的な死刑の際に使用される)のような小さなものから、グールが中に乗りこんで思い通りに動かせる、大体人間の背丈の五倍くらいの大きさのオートマタまで。

 ちなみに、グールとホワイトローズ・ギャングとをわざわざ分けた要素にしたのは、客観的に見ればノスフェラトゥの集団であるホワイトローズと、いやしくもノスフェラトゥを不倶戴天の仇敵としているグール達が誓いの口づけを交わした夫婦のように初めての共同作業を行うとは思えないからだ。また、実際に彼らは協力しているようには見えなかった。それぞれが、それぞれとしてこの世界にノーを突きつけており、例えていうとすれば、全てを吹き飛ばしなぎ倒す台風に襲われた町が、更に叩き付ける拳のような大震災に見舞われたようなものだ。まあ協力していようがしていまいが、どちらにしたって、こう、迷惑極まりないこと変わりはなかったが。

 逃げ惑う人々を、ライカーンが襲う。

 スペキエースが、能力を荒れ狂わせる。

 町を引き裂く、ノスフェラトゥ。

 あちこちを跳梁する、グール。

 建物を砕いて崩す、スーパーグールマタ(仮)。

 降り注ぐ、暗い色をした雨の中で。

 そして、その混乱の傷口を。

 少しでも弥縫しようとする、人々がいた。

「ったく、何で休みの日にこんなことしなきゃなんないのよ!」

 覆面ではない方の夜警公社社用車、俗称で言えばナイトナイトの陰に隠れて、地面の上に屈み込み、エリスは忌々し気にそう吐き捨てた。そこそこ値の張ったブラックのスーツは既に泥だらけで、そこここが擦れて傷になっている。手にはラウンドアップを握りしめていた、ちなみに先ほどちょうど弾が切れたため、エリスは弾倉の交換のために一時膝を折ったのだった。雨が既にずぶ濡れの髪の毛を叩いて、額を垂れて来たために、袖のところでぬぐう。

 ここで、少し現在の夜警公社員達の動きについてちょっと説明しておいた方がいいだろう。一般的な混乱状況であればPAINしか出動しないのだったが、今回のこれは一般的とはいい難く、どちらかといえば破滅的とか終末的といった方がいいくらいのものだったので、他によっぽど重要な仕事(例えば二十節締めに関する経理作業等)がない限りは、ほぼ全ての社員たちが駆り出されていた。そして、その社員達が何をしているのかというと、大まかにいって二つの行為類型が見られる。

 まずは攻撃型。これは、主にPAINの皆さんの仕事だ。完全武装をして、ホワイトローズ及びグールの連中に対して攻撃を仕掛け、それを鎮圧しようとする作業。最初はいくつかの部隊に分かれていたらしいが、今となっては緩やかな細胞の集合体のように、分裂しては集合し、集合しては分裂する、構成員のはっきりとしないいくつかの集団のような形になっている。あまりにも現状がぐちゃぐちゃになっているから、それを治めようとする側も秩序だった部隊ではどうしようもないという判断のもとで、そのような形に再構成されたのだ。しかし、再構成されたその集合も、あまり役に立っているとはいいがたいものだった。

 PAINは、夜警公社の他の班と違ってそれぞれの支局ごとに所属が分かれているわけではなく、、特殊鎮圧班として班が完全に独立しており、一種のドメスティックな軍隊の様相を呈している。HOLに属している国防公社は、対グール軍の他には人間の軍隊を持たず、その対グール軍の役割は国外に関するものに限られている(グールは正確にいえば国外とはいえないが治外法権と言う意味では似たようなものとして捉えられている)。よって国内の暴動を鎮圧したり、あるいは災害に対処したりするのは、全てPAINの役割だ。従って、こういった事態にも対処できるように訓練がなされているのだが、それでも今回に関しては、あまりにも混乱が大きく、鎮圧しなければならない相手が多すぎた。ホワイトローズだけでも相当なのに、ほぼ無数に湧いて出てくるグールも相手にしなければいけないのだ。それはまるで、猫の爪で砂漠の砂を数えるのに似ていた。ほとんど効果がないということだ。

 そのため、二番目の行為類型が必要になって来る。つまり、防御型で、これがエリスやピートを含む、PAIN以外の夜警公社員が従事している作業だった。彼ら彼女らの作業は一般人の避難が主になっている。とはいっても、どこに避難をさせるというのだろうか、ブラッドフィールドの町全体が、グールタウンと海によってパンピュリア共和国のそのほかの地方からほとんど切断されている陸の孤島、よく考えればそんな都市がなぜ首都機能を果たしているのか不思議になって来るが、その答えは簡単で、ノスフェラトゥのいる場所がパンピュリア共和国の首都なのだ。それはともかく暴動によって、グールタウンにいくつか通っている橋歩道が閉鎖されてしまい、更に港湾地区がめちゃくちゃにされてしまえば、まあブラッドフィールドには他に逃げる方法はない。正確にいえばテレポーテーションセンターだのなんだのはあるが、そんなものは言うまでもなくモネータの祝福を受けたスーパーリッチレディース&スーパーリッチジェントルメンだけに許される所業であり、よって、ノーマネーな一般ピープルの皆さんには何とかブラッドフィールド内でその身の安全を確保して頂くほかないことになって来る。そのため、エリスやピートらPAIN以外の夜警公社員の皆さんは、臨時かつ緊急に、ブラッドフィールドの各地にスイートヘイヴン(最適避難点)を決定することになる。そして彼ら彼女らの作業は、その場所に市民を誘導するものと、そしてその場所をどんな手段を使ってでも防衛するもの、その二点に分かれることになる。

 ちなみに、エリスとピートは。

 拠点防衛の班に振り分けられた。

「ピート!」

「なんですかエリスさん!」

「弾!」

「もう残ってないですよ!」

「馬鹿、じゃあ取ってきなさいよ!」

「分かりました!」

 ピートは走って弾を取りに行く。

 エリスは手持ちで最後の弾を込めて。

 銃口にフロギストンを振りかける。

「フロギストンも!」

「分かりました!」

 二人が防衛している拠点は、アップタウンにあるジョーンズフォルドだった。この場所は、ブラッドフィールド中央教会などの国家的に重要な施設と同じくらいたくさんの公社員数が裂かれていて、それはなぜかというと、このフォルドでは毎週聖無知曜日に盛大なパーティを開かれているからだ。このビルの持ち主であるP・B・ジョーンズはかの有名な(もちろん悪名高いという意味だ、最近の噂によればあのフラナガン神父を退院させたのもジョーンズ財団だということで、もしそれが本当であれば大方はお得意様サービスというやつだろう)ジョーンズ財団の理事長であるが、その財団が世界的な影響を持ち続けるために毎週毎週世界中の要人を集めてパーティを開く。この聖無知曜日もその例外ではなく、このフォルドには山ほどの要人たちが詰め込まれている、だからここを襲われてしまうと、まず確実に国際問題に発展することになってしまい、そのためこのフォルドの防衛には、非常に神経が張りつめているということだった。もちろん、最も多大なピープル・パワーが裂かれているのはここではなく、アップルへと続くベッドストリートであって、春杏とアランもそちらの防衛作業に従事していた。

 わざとらしく大きな音を立てて。

 エリスは舌打ちをする。

 それから、ナイトナイトから頭を出し。

 野良ノスに向かい、威嚇射撃をする。

 ジョーンズフォルドの玄関口には、エリスだけではなく何人もの夜警公社員と、それから数台のナイトナイトが集まっていて、防衛線を築いていた。そこに襲い掛かって来るホワイトローズ&グールを、その場で引き留め、排除するための防衛線。銃口に吹きかけられたフロギストン・スプレーの炎が、雨の中で鬼火のようにあちこちで揺れているのが見える。

 本来は中にいる要人たちがジョーンズ・フォルドの地下センターにあるテレポート装置を使って安全な場所に避難するまでこの防衛線を保てばいいはずだったが、ホワイトローズ&グールもさるもので、一番最初に地下のエネルギー供給ラインを切断してしまった。一応フォルドに自家発電のシステムは備わっているが、そんなものでテレポートに使うエネルギーを賄える訳もなく、その避難経路は完全に絶たれてしまっていた。その次には中にいる要人たちがジョーンズ・フォルドのヘリポートに到着するヘリコプターを使って安全な場所に避難するまでこの防衛線を保てばいいはずだったが、ホワイトローズ&グールもさるもので、やってきた救援のヘリコプターは野良ノス達によって叩き落されてしまった。一応すぐそこに燃え盛る残骸は残っているが、そんなもので要人たちを安全な場所にまで避難させられるわけもなく、その避難経路も完全に立たれてしまっていた。

 つまり完全なる手詰まりだった。

 こうなったらもう守っているしかない。

 いつまでも、いつまでも。

「アーロン!」

「なんだ、エリス!」

「いつまでこんなことやってればいいのよ!」

「いつまでって、いつまでもだよ!」

「いつまでもっていつまでよ!」

「いつまでもって、いつまでもだ!」

 エリスが話しかけた、というか叫びかけた男はアーロン・ドッグサイトといって、このヘイヴンの防衛責任者だった。どうでもいい話だが、アーロンはもともとは潜入捜査班の人間だった。しかし十何年か前にゴリラ・ダンディの組織へ潜入するため犬と人間の合成人間のような見た目に整形手術をして、しかもその潜入がばれてしまい「犬の顔をした男は公社の犬だ」という話がブラッドフィールド中に知れ渡ってしまったため、現在では組織犯罪対策班に移っている。まともな人間の顔に戻す整形方法は現時点では存在していないため(正確にいえばアルファクラス知性所有者ならできるかもしれない、アルファクラス知性所有者にはほとんど不可能などないのだから)今も見た目は犬人間だ。

「いつまでもなんて持たないわよ!」

「待たなくても持たせるんだよ!」

「私がそういう根性論嫌いなの知ってるでしょ!」

「俺だって嫌いだ!」

 フロギストンの炎で覆われた弾丸が一直線に飛んでいき、やがてこちらに向かって突進してきているライカーンのうちの一匹、その頭を貫いて倒した。しかし十何匹もいる中の一匹、ほとんど何の意味もなさない。エリスや他に十何人もいる夜警官たちは次々に弾を撃ちまくって何とか防いでいたが、防衛線が落とされるのはもう時間の問題のように思われた。あるいはちょっとした状況の変化でも、それは容易に変わってしまうバランスだろう、例えば、何かしら戦闘の際にコンビニエンスな能力のスペキエース能力者が一人どちらかの陣営についたり、なんかそういった感じのことだ。

 ところでアーロンが持っているのは、ノスフェラトゥ・グール間で未だ紛争が続いていたころに開発された小型のリボルバーランチャーだった。これが非常に優れている点はもちろん連射できる点と(この大きさでなんと六発の連射ができる)、爆発が比較的小規模に集中したものであるため周囲をあまり傷つけずに済むこと(もともと地下での戦闘を想定したものであるため衝撃で落盤をおこさぬような設計になっている)、そして必発のミサイルを作るのに少量のフロギストンしか必要としないため弾を安価で製造できるという点だ。それはまあともかくとして、アーロンはそのランチャーを構えて襲い来るスーパーグールマタ(仮)の一体に向けた、そして、外すはずもない位置までぎりぎりまで引き付けて、具体的に言えば大体五ダブルキュビト程度まで引き付けて置いて、そのミサイルをぶちかました。

 外すはずもない位置。

 しかし、結果をいえば。

 アーロンは外した。

 局所的だった。まるで食べる前に切り分けられたバームクーヘンの一部のように、そのミサイルが描く軌道の先だけ、竜巻のごとき突風が吹きすさんだのだ。その結果として、アーロンが発射したミサイルはその風に踊らされるようにきりもみして、グールへと向かう動線から外れて、明後日の方へ吹き飛んでいく。アーロンの目には、ちらりと一人の男の姿が見えて、その男はまるで魔術師のように両手を広げてこちらににやりと笑いかけていた。その表情と挙措から見るに恐らくあの男は、風か、それかアヌだの軽い運動エネルギーだのなんだのか、とにかくそういったものを操れる的なスペキエース能力者に違いがなかった。

 しかし、それに関して深く考えている余裕はなかった。

 アーロンは、ミサイルが落ちていく方向へ顔を向ける。

 そして、犬の長い顔をゆがめて叫ぶ。

「エリス、危ない!」

「エリスさん、上!」

「は?」

 注意の先を防衛線死守に向けていたため、今まで完全に自分の身に迫る危機的状況なんて私が気にすることじゃないわみたいな感じだったエリスだったが、アーロンの声とついでにピートの声(弾とフロギストン・スプレーを取って戻ってきた)によってようやっとのこと自分の頭上を見るに至った。雨でぬれた顔で見上げる、その顔にも雨が降り注ぐ。

 ミサイルが迫ってきていた。

 爆発したら即死だろう。

 爆発しなくても首の骨を折って死にそうだ。

 時間の速度が急速に低下する。

 死が頭上にさいころを落とす。

 生は器をもって突っ立っている。

 随分と分の悪い賭けだ。

 しかし、エリスはトラヴィールの主を信じない代わりに。

 己を救い上げる奇跡を信じている。

「なっ……!」

 防衛線の向こう側で息をのむ声が聞こえた気がした。あの風だかアヌだか運動エネルギーだかを操るスペキエースが上げた声だろうと思われたが、そんなことを考えているだけの思考の余裕はその場にいた誰しもになかった。そう、奇跡が起こったのだ、奇跡が起こった時には、知的生命体はその奇跡を知的でない生命体のような顔をして見上げることしかできないものだ。

 炎ではなかった。

 しかし、炎であった。

 聖なる世界の内臓。

 世界の切れ目から覗く暗黒。

 燃え盛る定数の欠如。

 あまりにも暗い光。

 それが、その光が、エリスに激突する直前のミサイルを包み入れて、その全てを凍らせつくす炎の中に飲み込んだのだ。その後にまるでげっぷのように、フロギストンの瞋恚の火を火柱として雨のカーテンの方へと打ち上げる。音も立てずに蒸発して物質としての雨粒が何千何万も消えていき、そしてエリスは助かったのだった。皆が知的ではない顔をしてその光景を見上げる中(グールは別だけど)、その呆然とアンコールを待ちわびる観客達のような群衆に向けて朗々と響き渡る……

 それは。

 正義。

 正義の口上。

「弱きものよ、虐げられしものよ!

 その声を上げよ、正義は決して聞きのがさない!

 仮に太陽がその目を閉じていたとしても!

 あるいはこの世界に神がいなかったのだとしても!

 悪の存在は決して許されることはない!

 そう、正義は常にあなた達と共に歩むのだから!」

 黒き羊にこの身をやつし!

 金の蹄で悪を滅ぼす!」

 きらり、と濡れた金色がきらめいた気がした。

 雨を切るように、黒い風が駆け抜ける。

 アーロンは、エリスは、ついでにピートは。

 その場にいるすべての夜警官たちは。

 それを感じた。

 それは、純粋な殺意。

 喜びに満ちた、殺意。

 彼らはそれを知っていた。その殺意について知っていた。その殺意は、彼らの仲間を大量に殺し、傷つけ、血祭りにあげた殺意だ。それは羊の姿をしている……金の蹄をして、黒い色をして、それは、羊の姿をしている。羊は、どことも知れぬ闇の中から現れたようだった、とうっと、昼に浮かぶ月の光のように体を曲げると、ナイトナイトを踏み台にして飛び上がった。そのまま、この空間の中で唯一羊の姿を呆然と見上げておらず、そのため動きを止めていない、防衛線へと突進してきているスーパーグールマタ(仮)に向かってくるくると回転しながら向かっていく。

 金の光が一瞬だけきらめく。その光は、炎に包まれていて、それはもちろんフロギストンだ、神の力を引き裂くことのできる炎は、神を殺すために作られた甲虫兵器の外殻をやすやすととらえる。それを真一文字に引き裂くと、途中でくっと蹄の進む方向を変えて、グールマタ(仮)の外殻にしっかりとそれをひっかけることに成功する。先ほどまで触れていなかったが、グール(もしくは正確にいえばケレイズィ)の甲虫兵器は群体となった場合に恐ろしいほど迅速な再生能力を持つ。そもそもが敵意を持った存在の攻撃を感じ取ると、その攻撃が加えられると思しき部分の結合を解いて、その部分に攻撃を吸収する穴を作り、実際にダメージを与えることを防ぐのだ。また仮に攻撃がダメージを与えることができたとしても、すぐに他の甲虫たちを群体に迎え入れることによって、その部分を補ってしまう。従って、羊が引き裂いたはずの傷口も、すぐにざわざわとざわめいて修正が施され始めていた。

 しかし、果たして悪が栄えたためしがあろうか?

 正義の炎の目の前にありながらも。

 焼き尽くされぬ悪の魂などありうるか?

 羊は、それに対する明確な回答を知っている。片方の手でグールマタ(仮)にぶら下がりながら、もう片方の手をシープ・ユーティリティー・ベルトに連なるシープ・ポーチに突っ込んで、やがてその中から羊のマークのついた何やら黒い箱のようなものを取り出した。ばこっと鈍い音を立てて、その黒い箱をまだ治りきっていない傷口の中に突っ込む。作業が完了すると、非常に満足そうな笑顔を浮かべたままで、羊はがっ!と足でグールマタ(仮)を蹴り飛ばす。箱を飲み込みながら治り続ける傷口から蹄を引き抜いて、まるで海の中から月の元へと喜びに満ちた跳躍を見せる人魚のような角度で、その巨大かつ鈍重な体躯から離れていく。宙を泳ぐように舞いながら、羊は首筋に刃を振り下ろすようにして、そのスイッチを押す。

 正義の炎は。

 全ての悪を焼き尽くす。

 羊はそれを知っている。

 黒い箱はエクスプロージョンして。

 それを証明して見せる。

 まずはそれは、無音のうちに始まった。グールマタ(仮)の内側にぽっと浮かんだ紅蓮のつぼみのようだった。その花びらは何匹も集まって球形をなした長虫たちが、この形もそろそろ窮屈だから一度ばらけようか、とでもいっているかのように、静かに静かに花開いていき、その花びらを愛撫する少女の舌、揺らめき始めて、そのせいで少し狭すぎるグールマタ(仮)の体に亀裂が入り……そして、耳を聾すような轟音。目を焼くような閃光。体を撃ち伏せる様な衝撃。グールマタ(仮)はまるで幾つもの巨大な手のひらに速やかに引き裂かれてしまったがごとく、爆風に四散してそこら中に吹き飛んだ。

 その爆風に乗って、羊は、防衛線にまで戻ってきた。

 ナイトナイトの上に軽やかな手品師のように飛び乗って。

 そして、口上の最後の一節を、戮鳥が歌うように歌う。

「ブラックシープ、ここに見参!」

 その瞬間に、ぱっと魔法が解けたかのようにして。

 ようやく、世界に雨の音が戻ってきた。

 ごうごうと燃え盛るグールマタの残骸に降り注ぐ。

 その音を聞いて、ようやくエリスは口を動かす。

「ブラックシープ……!」

「やあ、エリス・メルヴィル、美しき戦乙女よ! 私が来たからには安心したまえ、あなたの正義を醜い顔で嘲笑う邪悪を、私が許すとでも思うかい?」

「何を言っているの、ブラックシープ。あんた、自分が正義の味方だとでも思ってるの?」

 エリスはそう言うと、軽く歯を噛みしめた。エリスの頭の上では先ほどの奇跡の残りのものが、つまり炎の姿をした歪んだ世界の表象が揺らめくように浮かんだままで、それをきっとにらみつけながらエリスは続ける。

「あんたのせいで何人の公社員が……」

「エリスの言う通りだ、ブラックシープ。」

 言葉の途中で口を切ったエリス。

 その言葉を継ぐように、アーロン。

「お前は、俺たちの同僚を虐殺した。しかも一度じゃない、二度もだ。確かに何人かはその……今は天国にいないだろう、そんな奴もいた。でも、他の連中は気の良いやつだった、家族だっていたんだ。それをお前は躊躇いもせず殺した。」

 静かに静かに、訴えかけるようにアーロンはそう言った。彼は、その現場にいた一人だった。生き残り、夜警公社に残った珍しい一人、しかしその時の爆発で焼かれて、彼は顔を失った。そのために、あの潜入捜査に選ばれたのだ。アーロンの声には……それは、確かに憎悪だった。肉を裂かれ、血を抜かれたものの怒り、そんなものが、アーロンの声音には込められていた。

 しかし、ブラックシープは。

 そんなことは全く気にしない。

 正義の執行の為には。

 他に気にすべきことがいくらでもある。

「アーロン・ドッグサイト、悪を引きちぎる力強きその咢! もちろんだとも、あなたの様な素晴らしい正義の担い手も、あの場にいた、そして私はあなたを殺すことはなかったじゃないか! 確かにあなたは顔を失ってしまったかもしれない……しかし理解してほしい、正義には犠牲が付きものなんだ! 私は百パーセント正義の味方、あなたたちの味方なんだよ!」

「あんた……!」

 エリスが奥の歯をギリッと噛みしめる。

 しかし、そんな中、ピート。

「あのー、ちょっといいですか?」

「何よ!」

 エリス。

「何だよ!」

 アーロン。

「今はブラックシープに構ってる場合じゃないっていうか、どっちかっていうとあの人の手を借りた方がいいんじゃないですか? 敵の敵は味方って言いますし、状況的にもあんまりよろしくないようですし……」

 そう言いながら、ちらりと防衛線の向こうに目を向けた。今はグールマタ(仮)大爆発の衝撃によって、若干動揺している状態であるが、次第次第と落ち着いてきたホワイトローズの連中が見える、倒しても倒しても湧いて出る連中の数は、最初と比べて増えこそすれ全然全くすっかりさっぱり減ってない。

「ピート・ホルバイン! あなたは実にいいことを言うね! 今日帰ったら正義リストの順位を上の方に変えておいてあげよう!」

「え? あ、はい、ありがとうございます。」

「確かにそんな状況じゃないが、こいつと手を組むくらいなら俺はあいつらに殺されたほうがマシだ。」

 アーロンが吐き捨てるように言った。

 しかし、それに対してエリスは。

「……確かにこんな奴と手を組むのはぞっとしないわ。でも今は、確かに構ってる場合じゃないかもしれないわね。あたしたちが生き残るだけじゃなく、この中にいる人たちの命も救わなきゃいけないし。」

「それは、確かにそうだが……」

「だから、積極的にあんたの協力はしない、でもその代わりに、私はあんたを積極的に攻撃はしないことにする。あんたが何かしたいってなら、くれぐれも私たちの邪魔はしないで。分かった?」

「もちろんだとも、エリス・メルヴィル! あなたたちの正義にかける想いは十分に理解しているつもりさ、互いに手を取り合って、悪を滅ぼそうではないか!」

 睨み付けるようにしてそう言ったエリスに対して、ブラックシープは分かってるのか分かってないのかでいうと確実に何も分かっていないのだろうが、まあとにかく元気に溌剌とした声でそう答えた。アーロンは、それを聞くと一度ぐっと歯を噛みしめたし、一度はランチャーをブラックシープに向けかけさえしたが、何とか自制して、ようやく口を開くと怒りを抑えたような声でぽつりと呟く。

「流れ弾は当たるかもしれないがな。」

「はっはっはっ、アーロン・ドッグサイト、安心したまえ、私がそんなうかつなやつだと思うかい?」

 そう言うと、ブラックシープは。

 アーロンに向かって軽くウインクして見せた。

 それから、ナイトナイトの上で悠揚と手を広げ。

 視線を、その場にいる全員の夜警公社員へ向いた。

「さて断罪の猟犬アーロン・ドッグサイト、虹色の戦乙女エリス・メルヴィル、そしてその他の正義従事者の諸君、つまりここに集いし全ての人々よ! 今宵の悪を滅ぼす前に、私から一つ、あなたたちに伝えるべきことがあるんだ……聞いてくれ、正義の執行者に対しての天上の福音、悪の追従者には最後の通牒となるべきこの戦場報告を!」

「エリスさん。」

「なによ。」

「虹色の戦乙……」

「うるさい。」

 端の方でエリスとピートがそんなやり取りを繰り広げていたのだが、そんなことには一切お構いもなく、ブラックシープはばっと広げていた両手の片方、右の手でしゅぱーんっとある方向を指さした。それは夜警公社員たちの背後、ジョーンズ・フォルドの階段を上がってすぐ、正面玄関口の方だった。そして、そこには……いくつかある回転ドアの一つ、その横のガラスでできた壁に寄りかかり、割合に退屈そうな顔をした一人の影のようなものが立っていた。それは、全身を黒い色で覆われて。黒いコートで体を覆い、黒い紗で顔を覆い、そして長い長い黒い髪を、馬の尾のように体の後ろに下げて。

 影はブラックシープに指さされ。

 しかもみんなから注目されて。

 はっと慌てたような態度で。

 寄りかかっていた壁から離れる。

「紹介しよう、新しい正義の使徒、そして私の最愛の相棒を!」

「え、このタイミングで!?」

 影は、全くこの自己紹介タイミングを予想していなかったようで、驚いているというか若干迷惑そうな声でそう言った。「ちょっと待ってよ、君に対して結構な敵意が集まってる状況じゃない、これって? 下手したら僕まで嫌われるパターンだよね、もう少し違うタイミングの方が良さそうな気がするんだけど」とか何とか呟くように抗議していたが、しかしブラックシープの完全に有も無も言わさない「さあ!」という呼びかけにはとうとう逆らうことができなかったらしく、なんか照れているというか、恥ずかしがっているように手で頭の後ろを押さえながら、一歩だけ前に出てきて言う。

「あ、どうも、その、ファーザー・フラナガンです。」

「ファーザー・フラナガン!」

「いや、ブラックシープ、ちょっと待ってって……」

「ダメ! ダメだよファーザー・フラナガン! ヒーローの登場には絶対に必要なものだって、さっきも説明しただろう! 自信を持ちたまえ! 何のためにここに駆けつける前に練習したと思っているんだい!」

「でもさ、良く考えてみれば僕が君の相棒として行動するのって、別に今日が初めてじゃないよね。昨日だって、そりゃその、君の言うヒーロー・コールはしなかったけど……」

「ファーザー・フラナガン! 私には分かるんだ、あなたはきっと伝説になるということが! いつかこの世界が素晴らしい世界になった日、完全なる正義の世界になった日に、あなたの名前がまるで正義そのものであるかのように人々の間で言交わされることになるであろうということが! その時のために、ジャスティス、あなたのための、あなたにふさわしいストーリーを、残さなければいけないんだ! これは、そのために絶対に必要な行為なのだよ!」

「分かったよ、分かりました。」

 ブラックシープの重量級マシンガンのような声で迫って来るその主張に、フラナガンもついに折れたのだろうか。はーっと深いため息を一つついて、それから首にかけた銀の鍵のネックレスを外して、その手に持つ。それを、夜警公社員たちと、ホワイトローズ&グールたちに向けて緩やかに差し出して見せてから、いつもブラックシープが張り上げるようにちょっと大げさな感じの、というか自棄を起こしたような声で、こう祈りを始める。

「わが喜びなる正義よ、僕は君を愛す。

 わが怒りなる正義よ、僕は君を愛す。

 君は悪の腹より全てを救うもの。

 君は母の胎にて悪を滅ぼすもの。

 さあ正義を信じる者よ、命の限りそれを祈れ。

 そして悪を抱く者よ、底知れぬ闇の縁で泣け。

 その声のすぐそばに、僕は現れるだろう。」

 そこで一度言葉を切った。それからフラナガンは一瞬だけ、何で僕はこんな馬鹿っぽいことをやってるんだ?とでも考えてしまったかのように動きを止めて躊躇ったが、やがて仕方がない、とあきらめたかのように、銀の鍵に芝居じみた動き、紗越しの口づけを落とした。

 そして歌を歌うように。

 己の名を叫び上げる。

「ファーザー・フラナガン、参上!」

 その様子をポカーンとした表情で、夜警公社員たちは眺めていたのだったが、やがてようやくぽかーんと開きっぱなしの口を閉じて、エリスが代表して言葉を紡ぐ。

「ファーザー・フラナガン、参上!って……フラン、あんた何やってんの……?」

「やめて。」

「え?」

「何も言わないで。」

「……あんたも色々と大変なのね。」

 身も世も綾もないといったような絶望的な感じで、左手で顔を覆う紗を更に覆ったフラナガンに対して、何かを感じたようにしてエリスはそう慰めて、それ以上は何も追及しないことにした。ちなみにここで一言だけ触れておくが、フラナガンはなぜか夜警公社員には人気が高い、人気が高いと言っても、積極的に嫌いはしないと言ったぐらいの意味合いで、少なくとも(元)六大キングピンの中では一番ましだとされている。これがなぜかということはなかなか説明しずらいことで、別にフラナガンが他のキングピンたちよりもまともと言うわけでは決してなく、むしろ過去において(まだコーシャー・カフェの一幹部だったころ)ブラッドフィールドでのし上がるために、皆から愛されていた夜警官の、その家族を車に仕掛けた爆弾で皆殺しにしたりなどと(その夜警官は何とか生き残ったが、爆発の際に右手と右目を失い、失意のあまり自殺したらしい)あまりに非情な真似もしているが、一時的に憎まれはすれ、後々になってあれは部下が暴走しただけだったのだとか、もしくは当時のコーシャー・カフェのボスであったターナー・ボートライトが濡れ衣を着せたことだったのだとか、何とはなしに都合のいい噂が流れた挙句にうやむやになってしまうのだ。

 まあ大衆社会なんてそんなものなのかもしれない。いつだって口が巧みな者が最終的な勝者となるものだ。あと念のために付け加えておくが、フラナガンとコーシャーカフェとの繋がりはあくまでも噂に過ぎない。

 それは兎にも角にもとして、ブラックシープの時とは違って明確な敵意を向けられることなく、かといって歓迎ムードとも言いい難い微妙な雰囲気の中で、フラナガンはすっと顔を覆っていない方の手、右手を差し出した。その手にはライターが持たれていて、カチン、と音を立ててフラナガンはそのライターの蓋を開いた。「エカハヨル カエリアライト」と、呟くように言う声が聞こえるとともに、ゆらゆらと空に揺蕩っていた、エリスの頭の上の炎が泳ぐようにして惑った。

 くるくると多足虫のように。その炎、世界の歪み、別種の摂理は螺旋を描いてフラナガンの元へと戻って行った。その頭の上に、まるで一輪の花が咲いていて、あるいはそれは、ひらめいて揺れる一本の傘にも似ていた。さて、フラナガンが気を取り直したように顔を覆っていた手をそっと放すと、今まで立っていたフォルドの階段を一段一段降りてきた。天を隠していた庇の外に出る、雨がさらさらとフラナガンの頭の上に落ちてきて……そしてその頭の上の炎、世界の歪み、別種の摂理に飲み込まれて、消えていく。

 フラナガンの体は濡れることなく。

 ゆっくりと、夜警公社員の群れへ近づいてくる。

 それを視界で追いながら。

 エリスは少し笑ったような口ぶりで言う。

「あんたが私を救ってくれたってわけ?」

「まあ、僕は正義の味方だからね。」

「へえ、正義の味方ね。」

 エリスは面白そうにそう言った。フラン、まぎれもなき夜の支配者。あくまでも噂ではあるが(その噂は真実とニアイコールの噂ではあったとしても)ブラッドフィールド(元)六大ギャングのうちの一つ、コーシャー・カフェのボス。そのフラナガンが、今目の前で、自分は正義の味方だと名乗り、しかも実際に、コスチュームを着たヴィジランテであるブラックシープから、その相棒として紹介された。

 状況は理解できないが、つまりのことは。

 フラナガンが、こちらの味方ということだ。

 これほど、頼もしいことは、なかなかない。

 エリスは、機嫌良さそうに鼻の先で笑う。

 そして、フラナガンに問いかける。

「それで、正義の味方。」

「何だい、虹色の戦乙女?」

 フラナガンは、自分の感覚と精神を鼓舞するように。

 あるいはその恥の感覚をかき消すように、そう言った。

「あんたは私たちをこの危機的状況から救ってくれるのかしら?」

「もちろんだとも、エリス・メルヴィル!」

 フラナガンが口を開いて何かを言いかけたのだったが、その言葉を(遮るつもりなど全くなくただ常識や科学といった通常の感覚では解明できないほど無神経なだけなのだろうが)遮るようにして、ブラックシープは高らかかつ朗らかに言った。それから、ばばっと両手を、正義の怒りで燃え盛る金の蹄が雨を貫くようにして突きあげると、立ち並ぶ邪悪の化身達に向かってこう叫ぶ。

「愚弟愚妹なる無道の雑兵どもよ! 善き人々の苦しみの涙を舐めて喜ぶ犬どもよ! 見よ、正義の星は矢のごとく汝らを貫けり! 見よ、今こそここに立ち上がる高潔な魂の光! 彼の人の名こそファーザー・フラナガン! ジャスティス、ジャスティス、ジャスティス! あなたたち悪は、今日この日をこう呼んで、憎み、畏れ、そして跪くことだろう、そう、今日この日は、こう呼ばれるのだ!」

 極限までシンプルな精神構造をしているブラックシープは、そこで自分の言葉と口調にテンション上げ上げにされてしまったらしく、ばすこーん!とナイトナイトの天上を蹴り上げて跳ねた。そしてそのまま、なんだなんだどうしたらいいんだ的な雰囲気になっているホワイトローズの群れ(グールたちはなんだなんだどうしたらいいんだ的な雰囲気になっているわけではなかったが、出方を伺うようにして沈黙を保っていた)に突っ込んでいく。

 金の蹄は群れの先頭を狙ってまっすぐな斜線を描き。

 恐らくリーダー格であろう野良ノスの頭骨を貫く。

 炎が燃え上がり、その顔は焼き尽くされ。

 その死にざまにまるで注意を払うことなく。

 ブラックシープは、彼の鬼を切り棄てながら。

 隠せない喜びを隠すことなく、底抜けハッピーに叫ぶ。

「フラナガン・ライジング!」

 一方で、げんなりした顔のフラナガンは。

 エリスにちらと目を向け、こう言う。

「まあ、そうせざるを得ないだろうね。」

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