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17話:始まりの前の始まりの物語

 その赤ん坊は、産まれて間もなく、死を望まれ捨てられた。決して、

受け入れられぬ星の下に生まれ、人ならざる者達の手で育てられた男の幼き頃──智慧の巨人から叡智を学び、王狼からは、武芸を授かり、偉大なる母から魔術の魔の境地と与えられ、大いなる愛を注がれて育った。

 その中で育った少年は──強者を称え、知者を敬い、仁義と信念を兼ね備え──そして誰よりも己の力に誇りを持ち、己の生き方に気高さを抱く勇士へと成長する。

 

 黄金の髪を靡かせ、紅蓮の如き赤い瞳を光らせ、黒の衣服に身を包み、絶技の剣を振るい、幾重の魔法を操る美丈夫。

 【獄狼(ガルム)】、【剣魔(ダーインスレイヴ)】、【嵐を巻き起こす者(ヴェルベルク)】──そして【黒金の魔王(ロプトゥース)】。

 後世に多くの忌み名を与えられ、誉れと讃え──それ以上の妬みと蔑みを向けられた。


 その男が表舞台に舞い戻るのは、それから更に十五の時になる。だから、これまでの物語は、未だに始まりの前の始まりの物語。

 何故、彼がそこまで強くなったのか? 何故そこまで強くなれたのか? 何が彼をそこまで高潔な男にのし上げたのか?


 人々が決して認めないそのあり方を、貫き通した──英雄の物語の序章の序章。しかし、これは──決して、英雄譚でも英傑譚でも、ましてや御伽噺などではない。

 この物語は、一人の人間が生きた物語。生涯を通じた、出会いと別れ、平穏と闘争、愛と憎しみの積み重ねの中で己を磨き、その高みまで登り詰めた。

 


【ラグナ・ダン・クリード・ヘルヘイム】が駆け抜けた人生譚をつづる物語。


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