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群像トライアングル・卒業

作者: 日下部良介

「勝手に決めつけるなよ。俺が一番欲しかったのは由美子のチョコだ」




 卒業式に瑠奈の姿は無かった。卒業ライブと重なったのだとか。

「ボタンちょうだい」

 式の後、由美子にボタンをねだられた。

 俺は制服の第二ボタンに手を掛けた。

「それは瑠奈にあげて…。私は第一ボタンが欲しい」

 由美子らしい。


 俺はライブ終わりの瑠奈を待っていた。

 そして、瑠奈にボタンを渡した。

「うれしい…。これで、アイドルからも健くんからも卒業できる」



 


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