第七話 ガーナ
巨大な《遺跡》を目の当たりにした都築は、その圧巻に。
「……でけェ、こった」
大した感動も、言葉もなく。
「ツヅキも、興味あるのか?」
アデルが都築の横につき、遺跡の興味を聞くも、
「ないね。全く」
都築は一蹴した。
「こんなところに来るなんて、頭が可笑しいとしか思わねェわ」
腕を組み、大きく欠伸をする都築に、アデルも腕を組み。
「いま、この世界は《黄金時代》なの。血眼になって探しているわ。それを、一言で終わらせないでちょうだい。生死をかけているのだから」
「ふぅん。俺にゃ、関係がない話しだわ」
そこへ。
「アデル!? あんた、何してんだよ!」
ツインテールの少女が駆け寄って来た。
紫色の髪で、薄着の恰好で、逆に、そこに都築は目がいった。
こんな何が起こるか分からない場所に、
「……--それはないだろ」
声も漏れてしまう。
「?! 誰だよ! その男は‼」
彼女は、ガーナ。
アデルとチームを組み、隊長を名乗っている。
若干、17歳の少女だ。
「あたしと言う者がありながら! アデル! あんたって女は~~‼」
大泣きし出すガーナに、
「誤解を招くようなことを言うな」
アデルもきっぱりと吐き捨てた。
「愛してるのはあたしだけだよな?? っな??」
彼女は男性恐怖症の、百合である。
「一方通行の愛か」
都築は二人を見て、その温度差を見た。
そんな都築に、ガーナが駆け寄って来た。
「大体! あんたは何なのよ‼ あたしのアデルに‼」
顔を真っ赤にして喚くガーナに。
都築も、面倒臭いなといった表情をする。
「何もしてないでしょうねッッ‼」
色恋沙汰は、大の苦手だったからだ。
ただ、ミウは違う。
「してたよー~~もう! 言えないようなことをー~~♪」
ミウの言葉に、都築は顔をしかめた。
「おい! ポンコツ、お前‼」
にやけながら口を突き出すミウに、都築も慌てた。
ガーナを見ると、身体が小刻みに震えていた。
「いや、あのな?? このポンコツの言葉を鵜呑みに……」
「問答! 無用‼」
ガーナは、両手を身体の横にすると、
「《銃剣装着》‼」
両手に光の粒子が集まり、銃になった。
「女の子が物騒なもん、持つんじゃねェよ」
都築が吐き捨てた。
ミウもだ。
「大きな《銃剣》だね~~」
想像したものより、大きく驚いている表情をしていた。
にじり寄って来るガーナに、二人は腰が引けてしまう。
「アデルちゃん!? フォローしてよ!」
アデルは嫌々な顔をして、ガーナの腕を組んだ。
「愛してるのはガーナだけだよ♪」
その言葉に、ガーナの鼻先が伸びた。
(ちょろいな)
都築が、大きく息を漏らした。
「うんうん♡ で、こいつらは何? アデル♡」