第四十七話 遭遇のグレダラス
密集する人混みを駆け別けながら。
獣の娘ーーアネリは駆けて行く。
「ぅ、おわ‼ っちょ! おぃ゛い??」
背中に乗っている都築は。
その速度に声を漏らしてしまう。
「こんなの序の口だわよぉおう?!」
さらに、駆け出すアネリ。
「おい! もう追って来てないから!」
しかし、アネリは耳を貸そうともせず。
突っ走って行く。
「《伏せ》」
が、っくんーー……ッッ‼
「?! っな??」
突然、アネリの身体が地面に沈み、伏せてしまう。
「った、助かったーー……」
顔をアネリの背中に埋める都築。
と、そんな彼に。
「何を、なさっているんです? 都築」
ミウの執事ーーグレダラスが立って居た。
「お、おう」
引きつった顔の都築に。
グレダラスは、アネリの顔を見下ろした。
「また。女と密会ですか? 君も、好き者ですね」
「! おい、俺が好き者とか、お前の中の俺は、どんな人物になってんだ!」
ひょい、とグレダラスは都築を持ち上げた。
「ド助平、ってとこでしょうかね」
「ふざけたことばっか言ってんじゃねぇよ。お前」
「はいはい。それでは、もう一度。お聞きしますが」
凄味の在る顔が、都築に向けられた。
「この女はーー一体、どなたですか??」
たじろいでしまう都築に。
グレダラスも、続けて言う。
「ミウ様も存じていますか? メイレー様や、あの愛て方も」
「--……関係ねぇじゃんか。お前らには」
「……関係がない、です、か??」
「そうだよ! 下ろせよ‼ グレダラス‼」
むちゅ。
「ん、んン゛ん゛!」
突然、グレダラスは都築の口を唇で塞いだ。
奥、深くと。
アネリは動けないままで。
目だけを向け、見ていた。
じたばたしていた都築の身体がぐったりとした頃。
ようやく、唇が離された。
「っこ、の、ぉやろ……っは」
「ふん。おしおきです」
そして、そのまま都築を前で、抱きしめる。
都築の抵抗もない。
「君はなんです?? その恰好で、なんとなく分かりますが」
グレダラスは、アネリの背中を踏み込んだ。
「っぎゃ!」
「ふん。都築をたぶらかすような真似は、して頂きたくはないですね」
ゴキ!
「--~~ッッ‼」
「止めろよ! グレダラス‼」
都築はグレダラスの、肩を外した。
「っつ。都築……」
そして、足取りもおぼつかない様子で、地面に降り立った。
「おい。大丈夫か?? なぁ」
強い力で、都築は足を退かせた。
グレダラスはお札を使い、肩を治癒をしていた。
「気に入らないですね」




