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白い結婚が色づく瞬間。〜寡黙な失恋卿と、虐げられた花嫁の添い寝な関係〜

作者: すいようび
掲載日:2025/12/07

「……はっ」


 風の音が悪魔の悲鳴のように聞こえて、リリアナは飛び起きた。

 今夜も窓の外は猛吹雪だ。それなのに全身が汗でぐっしょりと濡れている。


 ルーカス=ガルニド辺境伯の元へ嫁いで、早三週間。

 リリアナは毎晩のように悪夢に苛まれていた。


 大好きな母は、父から毎日のように性的な暴力を受け、弱り果てて亡くなった。

 その後やってきた後妻からは折檻を受け、義妹からは執拗に嫌がらせされて。

 ここはあの屋敷よりもずっと安全なのに、どうして夢にまで出てきて、リリアナの心を苛むのだろう。

 腰まであったブルーシルバーの髪を無理やり肩まで切られることもない。気が済むまで杖で殴られることもない。隙間風が入るボロ小屋で、わらを敷いて眠ることもない。

 けれどリリアナの身を切るような緊張感は、今もなお続いている。


(苦しい……心臓がバクバク言ってる……)


 涙で濡れた頬を拭い、何度も何度も息を吐く。

 こんな姿を夫となった男性に見せたら、どう思われるだろうか。きっと結婚したことを後悔するだろう。

 幸いなことに、彼とはまだ一度も夜を共にしたことがない。

 心のこもらないプロポーズ。ほとんど参列者のいない結婚式。窓の外は猛吹雪に負けないくらい真っ白な結婚が続いている。


(だって『失恋卿』だもの……。他の人を想っていらっしゃるのに、私みたいに痩せ細って痣だらけの花嫁を歓迎するはずないじゃない……)


 ルーカスは今年三十歳になり、ガルニド家の当主を引き継いだ。

 無口でとても厳格な人らしい。そして一年前、心から(こいねがっ)た令嬢に熱烈に求婚したものの、全く相手にしてもらえず、ひどく自暴自棄になっているとも。

 おかげで彼は「失恋卿」という不名誉なあだ名までつけられ、貴族の間では有名人だった。

 義妹から「失恋した後、お屋敷から家族や使用人を追い出して、毎日酒浸りなんですって」と聞かされた時は、血の気が引いてめまいがした。


 そんな彼が、なぜこの結婚に踏み切ったのか。

 どうやら彼は、周りの人から「失恋を引きずるなんて情けない」とか「辺境伯として、形だけでも妻帯者になっておくべきだ」などと言われるのを疎ましく思い、しぶしぶ毒にも薬にもならない女性を探したらしい。

 つまりリリアナはあくまでお飾り。ルーカスは最初から何も期待していないのだ。


 本来、辺境伯夫人となれば、社交から防衛までしっかり教育を受ける必要がある。しかしお飾り妻のリリアナに、わざわざそんな機会が用意されることはない。

 さらに屋敷が深い雪の中にあるということもあり、気軽に外出もできない。することもなく、時間を持て余す日々。

 部屋には本がたくさんあるけれど、勝手に読んでいいのか分からない。

 わずかな持参品の中に編み物の道具を潜ませていたので、わざとゆっくりとゆっくりと編んでは、ぼんやりと窓の外を見つめる――それを繰り返していた。


(だめ。やっぱり今日も眠れそうにないわ……)


 泣いたせいか、はたまた息を荒らげたせいか、喉が渇いた。水をもらいに行こうとリリアナはガウンを羽織り、そっと階下へと向かう。

 すると誰もいないはずの居間からパチパチと暖炉の薪が燃える音が聞こえた。部屋を覗くと人の気配がする。


(ガルニド卿だ……)


 そこにはリリアナの夫であるルーカスがいた。

 彼は暖炉のすぐそばのカウチに横たわり、静かに目を閉じていた。

 逞しい手が掴んでいるのは上製本。読んでいる最中に寝てしまったのだろうか?


 この三週間、リリアナがルーカスの顔をきちんと見る機会などほとんどなかった。

 彼の金色の瞳をまっすぐ見たのは、たった一度、結婚式の時だけ。射抜くような鋭い眼差しとひどい隈のせいで、震え上がるような人相だった。

 大柄で、腕も首も太くて、チョコレート色の髪をオールバックにした姿に一ミリの隙もない。

 そんな人が極めてプライベートな姿を曝け出していることに、リリアナは少なからず驚いていた。


 厳めしい顔の人だが寝顔はとても端正だった。しかし眉間に刻まれた深い皺に、彼の気難しさが伝わってくる。

 ルーカスを起こしてしまったら、きっと面倒なことになるに違いない。

 早々に退散しようとリリアナが体の向きを変えようとした時、本のタイトルが目に飛びこんできた。


(『移ろい花と乙女の夢』? これ、最近流行ってる詩集だ……)


 リリアナ自身は読んだことがないが、読み終えた義妹が「とてもロマンチックだった」と自慢していたので知っている。

 こんな本をルーカスが読んでいるなんて意外だ。見た目だけで想像するならば、彼は政治や軍事関係の本のほうが似合うような気がするのだが――。


 次にリリアナが目にしたのは、カウチの下に落ちている毛布だった。


(あれじゃ、火が消えた後に風邪をひいちゃうかも……)


 今は暖炉のおかげで暖かいが、早朝にはきっと凍えるくらい寒くなるだろう。

 リリアナはルーカスに近づき、彼の体に毛布をかけ直した。そのついでに、そっと顔を覗きこんでみる。

 目を閉じた彼はちっとも安らかではなかった。どちらかというと苦しそうだ。その表情が悪夢でうなされていた自分と重なって、リリアナまで息苦しくなってしまった。


 ――とその時、ルーカスが突然目を開け、ギロッとリリアナのほうを見た。


「何か用か?」

「……ヒッ」


 喉の奥で悲鳴を上げる。大声を出さなかった自分を褒めてあげたい。


(ど、どうしよう!! ガルニド卿を起こしてしまうなんて……っ!)


 リリアナは咄嗟に床に膝をついた。


「おっ、お許しくださいませ! 毛布が落ちていらしたので、お風邪など召されぬよう、かけ直そうと思っていただけなのです!!」

「……」


 青ざめながら胸の前で両手を組み、必死に許しを乞う。

 継母に叱責される時、リリアナはいつもこうしていた。自分に悪意はなかったのだと示すにはこの方法しか知らなかったからだ。

 けれど、どれだけ惨めな姿を晒しても、継母はリリアナを許すことはなかった。

 あの頃感じていた恐怖や、膝で感じた床の冷たさが脳裏にまざまざと蘇る。

 きっとこの後、頬をぶたれるに違いない――。

 リリアナは震えながら歯を食いしばった……のだが。


「夫に膝をつく妻がどこにいる。立ちなさい」

「……えっ」


 リリアナの腕をルーカスがそっと掴む。

 混乱したままリリアナが立ち上がると、ひとりがけのソファーに座らされた。


(ぶたれ……なかった……?)


 粗相をしたはずなのに、ルーカスはリリアナに平手打ちをすることも、腹部を蹴り倒すこともしなかった。

 こんなことがあり得るのだろうか。リリアナは驚きのあまり目を見開く。


「もしかして眠れないのか?」

「は、はい……。あの……ガルニド卿も――」

「あなたは夫のことを他人行儀に呼ぶ趣味でもあるのか?」

「も、申し訳ございません、旦那さま!!」

「ルーカスだ」

「……? えっと?」

「私のことは、ルーカスと呼んでくれ」

「そんな……! 滅相もございません!!」


 高貴な人を名前で呼ぶなんて無礼にも程がある。

 リリアナがぶんぶんと首を横に振ると、ルーカスはため息をつきながらカウチに腰かけた。


「本人が望んでいるんだ。気にしないでいい。それとも名前を呼ぶ練習でも必要か?」

「や、あ、あの……」

「ふっ。すまない。少し意地悪な言い方をしたな」


 ルーカスが低い声で静かに笑う。その姿にリリアナは更に目を見開いた。

 僅かに口角を上げ、金色の瞳が三日月のように細くなる。こんなふうに笑う人だったなんて、全然知らなかった。


「眠れないのなら酒でも準備するが」

「え、あ、いや、お水をいただこうと思いますので……」

「そうか。飲みたくなったらいつでも言ってくれ。この屋敷にはあまり酒の類いは置いていないのだが、あなたの好みのものを取り寄せよう」

「あ、ありがとう……ございます……」


 返事をしながら、リリアナは「あれ?」と思う。

 ルーカスは失恋の痛手のせいで酒浸りだと聞いていたはずなのだが。それが事実なら、ここにはおびただしいほどの量の酒類があるはずだ。あの話は一体何だったのだろう。


 彼はテーブルの上にあった水差しを取り、グラスに注ぐ。そしてリリアナに差し出した。

 これを自分が受け取っていいのだろうか。リリアナが躊躇していたら、ルーカスが手にグラスを持たせてくれた。


「……」

「……」


 沈黙。

 ルーカスは何も言わず、リリアナの様子をうかがっているようだ。

 リリアナはその視線に萎縮して、グラスを持ったまま硬直する。


「突然こんなところに連れて来られて、なかなか落ち着かないだろう?」


 ルーカスはぐるりと部屋を見渡し、最後にリリアナを見つめた。

 相変わらず隈がひどい。ゴツゴツした輪郭も意志の強そうな太い眉毛も三週間前と変わらない。それなのに今の彼からは、身のすくむような雰囲気が感じられなかった。

 でも見つめられるといたたまれないのは変わらない。リリアナは逃げるように目線を足元に移した。


「使用人が少なくて申し訳ない。本当はあなたのためにメイドを四、五人はつける予定だったんだが、両親がタウンハウスに移り住む際に連れて行ってしまってな。春になったら募集をかけよう」

「そんな……今でもこんなによくしていただいて、本当に感謝しております……」

「なるほど。やはり欲のない人だな」

「……?」


 ルーカスが納得するように頷く。何が「なるほど」なのだろう。

 リリアナは小さく首を傾げた。


「食も細いみたいだが、うちの食事は口に合っているか?」

「は、はい。それは……とても……」

「それならよかった。いつもほとんど食べていないから気になっていたんだ。今度料理人にあなたの好きなものを作らせよう。甘い物でも肉料理でも、なんでもリクエストしてくれ」


 そう言うと、ルーカスは満足げに微笑んだ。


(あれ、あれ……?)


 またリリアナの頭が混乱し始めた。

 使用人が少ないのは、自暴自棄になった彼が追い出したからではないの?

 厳格な人らしいのに、お飾りの妻にこんなに親切にしてくれるの?

 たったこれだけのやりとりだけで、リリアナが思っていたルーカス像と全然違うことに驚いてしまった。


(私……何か大きな勘違いをしてる……?)


 まるで本当のルーカスの姿とは違う情報を吹き込まれていたような――。

 でも、彼は強大な権力を持つ辺境伯だ。少しでも間違った情報があれば、すぐに訂正させることくらい容易いはず。

 では今の彼の様子はどういうこと……?

 何が真実なのかちっとも分からない。


「ところで――」


 ルーカスの呼びかけに、リリアナはハッと顔を上げる。

 いつの間にか彼はカウチに横たわっていた。


「あなたにひとつ頼みがあるのだが」

「は、はいっ! 何なりとお申し付けくださいませ」

「いや、そんなにかしこまらなくていいんだ。本当に些細なことだから。そこの本を私に読み聞かせてくれないか?」

「読み聞かせ……でございますか」


 ルーカスの視線の先にあるのは、テーブルの上に置かれた上製本。

 先ほどまで彼が手に持っているものだった。


「実は私も眠れなくてここにいたんだ。なんとなく、あなたが読み聞かせてくれたら眠れるのではないかと思うんだが」

「わ、私……朗読なんてしたことがないので……うまくできるかどうか……」

「大丈夫。あなたの声で聞かせてもらえれば十分だから」


 そう言い終わると、ルーカスはそっと目を閉じた。


(ど、どうしよう……)


 本を手に取り、リリアナは硬直する。

 読み間違えたり途中で止まったりしたら、どんな罰が待っているのだろう。

 かと言って断ることもできない。断ったほうがもっと痛い目をみるかもしれない。それなら拙くても彼に従った方が得策だ。

 リリアナは震える手で本を持つ。そしてしおりが挟んであったページを開き、静かに朗読を始めた。


「結ばれなかった糸の先。あなたのために紡いだ日々が風に揺れ、解けていく――」


 たどたどしくならないよう、リリアナはとにかく必死で読み進めていった。

 文字を追うのが精一杯。自分が何を口にしているのかも分からない。そんな状態だから、ルーカスの反応をうかがう余裕もなかった。

 そして十五ページほど進んだところで、リリアナは小さな寝息に気づいた。


(も、もしかして……寝ちゃった?)


 本から顔を上げて、ルーカスのほうを見る。

 少しだけ横を向いた首。微かに開いた口。そして規則正しく上下する胸元。

 これは恐らく寝ついたということだろう。


(はぁ……。き、緊張した……)


 張り詰めた空気が一気に緩み、リリアナは肩からガックリと脱力した。

 なんとか言われたとおりにできた。これなら叱責は免れたはずだ。


(そういえば、これ、何の詩だったんだろう?)


 リリアナがパラパラとページをめくると、そこに綴られていたのは片想いや失恋、恋人との別離などをテーマにした切ない詩の数々。表現がロマンチックで、短いセンテンスの中に物語が詰め込まれている。

 令嬢たちがこぞって絶賛するのが分かるし、少し読んだだけのリリアナも、最後まで読みたくなるくらい気に入った。しかし三十歳の立派な男性が読むような本かと言えば、正直……疑問だ。

 ともあれ自分に課せられたことはきちんと完遂した。今度こそルーカスを起こさないよう、リリアナはそっと立ち上がり、彼のそばを通り過ぎようとしたら――。


「きゃあっ!?」


 突然何かに手首を掴まれ、リリアナの体がぐらりと揺れた。そして勢いよく引き摺り込まれた先は、ルーカスが寝ているカウチだった。


「あああ、あの、あの……っ!?」

「……軽いな」


 それだけ言うと、ルーカスはリリアナもろとも毛布に包まり、再び寝息を立ててしまった。


 今、リリアナはルーカスの上に寝そべっている。屈強な体と毛布にサンドイッチ(・・・・・・)されている。

 一体何が起きたのか、頭が真っ白になって何も考えられない。心臓も飛び出そうなくらい早鐘を打っている。

 リリアナはダラダラと汗をかきながら目を白黒させた。


「……っ!」


 ぐぐっと上半身を持ち上げようとすると、ルーカスの太い腕がそれを阻止した。


「…………っ!!!??」


 もう一度上半身を持ち上げようとしたら、「逃げるな」と言わんばかりに、ルーカスがリリアナの背中と腰をガッチリ掴んで固定してしまった。


「ひゃ、ひゃい……ひゃいぃ……」


 これではまるで、リリアナがルーカスをベッドのマット代わりにしているようなものじゃないか。

 この奇妙すぎる状況に、驚きのあまり変な声しか出てこない。

 一秒でも早く逃げ出したい。でも華奢なリリアナがルーカスの逞しい腕の力に勝てるはずもなく、ちっとも身動きが取れない。

 まさかこのまま朝を迎えてしまうのだろうか。


(どどどどうしよう……。ルーカスさまが目を覚ましたら、絶対叱られてしまう……!!)


 恐らく彼は寝ぼけてこんなことをしているのだろう。

 朝起きて彼が激怒した末、着の身着のまま冬空の下に放り出されたら――。

 考えれば考えるほど、恐怖で手足の先がどんどん冷たくなっていくのが分かる。

 その時、リリアナの不安を悟ったかのように、ルーカスがリリアナの頭を撫でた。


「ぁ……っ」


 それはあまりにも優しい手つきだった。

 無骨な手のひらとは思えないくらい柔らかくて、慈愛に満ちていて。

 言葉は一切ないけれど、彼に「大丈夫」と言われているようだった。

 手の動きに意識を向けているうちに、リリアナの緊張の糸はゆっくりと解けていった。


(暖かいなぁ……)


 そういえば、こんなふうに誰かの温もりを感じるなんていつぶりだろう。

 リリアナの母がまだ生きていた頃、ぎゅっと抱きしめてもらったのも、今や遠い遠い記憶の彼方だ。

 ずっとひとりで膝を抱えてきたせいか、誰かの体温が極上の毛布よりも心地いい。瞼が落ちてくる。

 しかしどんなに素晴らしくても、ここはルーカスの体の上であることに変わりはない。一秒でも早く抜け出さなければいけないのに、彼の温もりがリリアナを夢の中へと誘おうとする。


(寝ちゃ……だめなのに……)


 早く起きて――。自分に言い聞かせているうちに、リリアナは眠りの中へと落ちていった。 


***


 ――さま。


 どこからか老執事の優しい声がする。

 それに導かれるようにリリアナの意識が浮上していく。


「おはようございます。旦那さま、奥さま」

「う、ん……?」


 メイドではなく執事が起こしに来るなんて珍しい。しかも、なんだか今日のベッドはやたらとゴツゴツしている気がする。


(えっと……昨日は途中で目が覚めて一階に下りて……どうしたんだっけ?)


 リリアナは小さなクエスチョンマークを頭から出しながら、ゆっくりと目を開けた。


 瞬間、飛び込んできたのはルーカスの顔。


「うひゃああああぁぁあ!?」

「起きたか」

「もっ、ももっ、申し訳ございません! 申し訳ございません! わ、わたっ、私……っ」


(どどどどどうしよう! 私、ルーカスさまの上で寝ちゃってたなんて!!)


 リリアナは激しいめまいに襲われながら、ルーカスから飛び降りた。


 一体どうすればこの非礼を詫びることができるのだろう。

 今から床に膝をついたら、まだ間に合うだろうか。いやでも、それは昨日彼から止められたわけだし――。

 どんなに手を尽くしても許されない失態だ。リリアナの体がガタガタと震えた。


「旦那さま、大変ぐっすりとお休みになっていたようで」

「ああ。久々に熟睡できた気がする」

「お顔の色もよろしゅうございますよ」

「そうか」


(久々? 熟睡?)


 そういえば昨晩、ルーカスも「眠れない」と言っていた。もしかすると彼も不眠の日々が続いていたのだろうか。

 それならあのひどい隈にも納得できる。


「私は部屋に戻る。君、リリアナの支度の手伝いを」

「かしこまりました。さあ奥さま、お部屋に行きましょうか」

「あ、は、はい……。あの! ルーカスさま!」


 すぐそばにいたメイドがリリアナの肩にそっと手を置いたので、リリアナは慌ててルーカスの方を振り向いた。

 部屋に戻る前に、今一度、彼にきちんと詫びなければ。


「ほ、本当に申し訳ございませんでした! どうか……どうか非礼をお許しくださいませ!」

「頭を上げてくれ。むしろ私の方が謝るべきなのに。あなたはちゃんと眠れたのか?」

「は、はい……」

「それならよかった。こんな硬いマットレスじゃ、寝心地も最悪だっただろう」

「そんなことはございません! 暖かくて……その……こう言っては失礼かもしれませんが、素晴らしい寝心地でした」

「ふふ。私こそ昨晩は極上のブランケットの包まれた気分だったな」


 そう言ってルーカスは微笑むと、執事とともに部屋を出ていった。


(よ、よかった……。ルーカスさま、怒っていらっしゃらなかった……)


 リリアナは安堵のあまり涙ぐみ、深いため息をついた。

 これが実家なら、継母に容赦なく殴られていただろう。そしてその日は屋敷に入れてもらえず、一日中、庭の端にあるボロ小屋で凍えていたはずだ。

 いろいろと悪い噂ばかり聞いていたが、ルーカスは継母たちより心が広いらしい。それだけでもリリアナには救いだった。


(極上のブランケット、か……)


 不意に、去り際のルーカスの言葉を思い出す。

 リリアナにはそれが思いがけない褒め言葉のように聞こえた。

 こんな痩せっぽちで、ルーカスの体を包み込むような大きさでもないのに、彼が不快感を覚えなかったというだけで、心が少し浮ついた。


 メイドとともに自分の部屋に戻り、今日の服を選ぶ。

 リリアナの髪によく似合う藤色のワンピースに着替えると、いつもは物静かなメイドが珍しく話しかけてきた。


「旦那さまがお眠りになるなんて……奥さま、本当にありがとうございます!!」

「い、いえ……私は何も……」

「私がここで働き始めた頃には、旦那さまはほとんど夜お眠りになってなかったのです。それがリリアナさまのおかげであんなに熟睡なさるなんて……!」


 メイドは感激した様子でリリアナの両手をガシッと握る。


「お願いです! 今夜もまた、ルーカスさまと一緒に寝ていただけないでしょうか!?」

「えっ、わ、私が……!? そんな差し出がましいことを何度もするのは……」

「今日の旦那さまのご様子から見ても、差し出がましいなんてことはございません! むしろとても喜んでいらっしゃいました!」

「そういうもの……なんでしょうか……」


 もしメイドの言うとおりなら、お飾り妻でも役に立てるかもしれない。

 一瞬だけリリアナの胸に光が宿ったけれど、それはすぐに消えた。


(でも……ルーカスさまは『失恋』された方よ……。私でいいの……?)


 きっと彼には今も想う女性がいる。

 本当はその人と共に生きていたいはずなのに、リリアナにその代わりが務まるはずがない。

 けれど、あまりにもメイドがキラキラした目で見つめてくるので、「分かりました」と頷くしかできなかった。


***


 その日の夜、リリアナが一階に下りると、やはりそこにルーカスはいた。

 今日はまだ寝そべっておらず、本を読んでいる。

 声をかけようかどうか躊躇っていると、彼のほうが先にリリアナの姿に気付いた。


「どうした? 今夜も眠れないのか?」

「あ、あの……その……」


 ここで「今日も添い寝しに来ました」と言うと、ルーカスのプライドを傷つけるかもしれない。リリアナはあながち嘘でもない返事で誤魔化すことにした。


「ずっと悪夢を見るんです。だから遅くまで起きてて……」

「そうだったのか。寒いだろう。早くこちらに来なさい」


 ルーカスはリリアナを自分が座っているカウチへと手招きする。吸い寄せられるように近づくと、肩からすっぽりと毛布で包まれた。


「昨日はどうだったんだ?」

「どう、と言うのは……」

「悪夢だ。昨日も見たんじゃないのか」

「昨日は…………あれ?」


 そういえば、ルーカスの上ではあんなに苦しめられていた悪夢を見ていない。ぐっすり眠ったまま朝まで一度も目が覚めなかった。

 リリアナが目をぱちぱちさせていると、隣で彼がくすっと笑う。


「よかった。さすがの悪夢も私の腹の上にまで来る度胸がなかったんだろう」


 言いながら、彼は自分が持っていた本をリリアナに渡す。


「あなたのおかげで、今日は仕事が捗ったよ。改めて睡眠は大事だと痛感した。できれば今夜も読み聞かせてもらえないか?」

「も、もちろんです……! でも、昨日みたいにうまくできるかは分からないのですが……」

「言っただろう。あなたの声で聞かせてもらえたらいい、と。上手かどうかなんて気にしていないから」


 そう言って、ルーカスはカウチに横たわった。読んでもらう準備は万端らしい。

 いまいち不安が拭えないまま、リリアナは本を開き、さっと目を通す。今日も素敵な詩集のようだ。その中から勿忘草をテーマにした作品を選ぶ。


 ――手折られなくても 名を呼ばれなくても

 ――嘆くことはありません

 ――わたしはあなたが歩く道に咲き 見守ることができるから


 読んでいる最中、不意にリリアナの耳に何かが掠めた。

 ルーカスが落ちてきたリリアナの髪を指で弄んでいる。

 鋭い眼光が今はとても優しい。まどろんでいるのか、とろけているようにも見えた。


「少し眠くなってきたみたいだ。……いいか?」


 甘い囁き。そろそろ添い寝してほしいという合図だろう。

 リリアナが戸惑いながらルーカスの隣に横たわると、すっぽりと彼の腕の中に囲われてしまった。


(ひゃぁぁぁ……! きょっ、今日も近い……!)


 どうやら今夜の役目はブランケットではなく抱き枕のようだ。

 上に乗るよりいいが、密着度が昨日とまるで違う。胸板に頭を押し付けられ、息をするたびに彼の肌のにおいがする。温かくて、優しくて、そしてぞくりとするほど色気があって――。

 こんなにドキドキしたら眠れるわけがない。


 ……なんて思っていたのに、あっという間に眠気は襲ってきた。


 規則正しい心臓の音に引き寄せられていく。

 大きな手のひらで背中をゆっくりと撫でられると、驚くほど緊張が和らいだ。

 彼の腕の中は小さな部屋のようで、世界の音がほんの少し遠くから聞こえる。ここなら悪夢も、リリアナを虐げてきた人々も近づけない。そんな気がした。


 自分にも安心して眠れる場所があるなんて――。

 リリアナがその静かな奇跡に気付いた瞬間、今夜もまた夢の世界へと(いざな)われていった。


***


 それからも、リリアナの読み聞かせと添い寝は毎日続いた。

 ルーカスと眠ると不思議なくらい熟睡できる。それは彼も同じらしく、あれほどひどかった隈が幾分か薄くなっているのを見ると、なんだかとても嬉しかった。


 ルーカスとの会話も増えた。

 添い寝の時だけだったのが、食事時や彼の休憩の合間にぽつりぽつりと。


「これからは、あなたに本を選んでもらいたいんだ。部屋にたくさんあるだろう? あそこに気に入った本があれば、それを読み聞かせてもらいたい」

「あ、あんな立派な本を私が読んでもいいのでしょうか……?」

「もちろんだ。そのためのものだろう?」


 以前は触れていいのかさえ分からなかった本棚なのに、今ではそこからとっておきの一冊を選ぶ瞬間が一番ワクワクする。


 虐げられていた時の恐怖も、折檻の痛みも、ルーカスとの穏やかな生活によって薄れていく。

 どんな些細なことでも、自分が役に立っているという実感が心を満たしてくれる。

 そんな日々の積み重ねの中で、リリアナは幸せがどれほど温かく優しいものだったかを、ようやく思い出しつつあった。

 けれど、それはある日、何の前触れもなく壊れてしまった。


(今日はどの本にしよう。この前読んだ旅人の備忘録がすごく面白かったし、それにしようかな)


 今夜読み聞かせる一冊を探している時だった。

 ふと一度も開いたことのない背表紙が目に留まる。タイトルは『薄明の最愛』。試しに読んでみようかと掴むと、本と本の隙間からひらりと紙が落ちてきた。


「これは……?」


 拾い上げると、そこには几帳面で力強いルーカスの字が並んでいる。


『あの日から、あなたの儚い姿が私の脳裏に深く残り、離れない。けれど、この想いを口にすると、何もかもが壊れてしまいそうで怖いのだ。


 どうか今日も無事であるように。

 それだけを祈るしかできない自分が情けなくてたまらない。


 けれどこれだけは信じて欲しい。たとえ幸福を願うことしかできないとしても、あなたが私の最愛であることに変わりはないと』


「ルーカスさまの……ラブレター……」


 膝から力が抜け、リリアナはストンと絨毯の上にしゃがみ込んだ。

 手紙を掴む指先から体温が消えていく。


 どうしてだろう。分からないはずなのに、分かってしまう。これがリリアナではない「誰か」を想って書いた言葉なのだと。そのひとつひとつが容赦なく心に突き刺さる。


 ――失恋卿。


 そう呼ばれるほど、ルーカスはその人を愛していたのだろう。想いを口にすることを恐れるまで、深く激しく。

 そして成就しなかった想いが今もなお、彼の中に息づいている。

 その事実を悟った瞬間、リリアナの瞳から一筋の涙が流れた。


(分かってたじゃない……。私が愛されるはずないって……)


 彼の温もりに包まれた時間が嘘のように、全身が急速に冷えていく。

 そして次に感じたのは、殴られた時の痛みと、罵声を浴びた時の恐怖だった。


「役立たず」

「邪魔者」

「おまえには価値がない」


 ルーカスがあの絶望の日々から救ってくれた。悪夢からリリアナを守ってくれた。

 けれど、それは愛からではない。彼はきっと誰にでも優しくて親切なだけ。心はずっと別の人のほうを向いていて、切ない想いをリリアナに知られないよう隠していたのだろう。

 どうしてそんな大切なことを忘れてしまったのか。

 愚かな自分に涙が止まらない。


「ふっ……うぅ……っ」


 わずかでもいいから、彼の役に立てることが嬉しかった。やっと安心できる居場所を見つけたことも。

 でも、この恋文を読んだら、いずれまた自分は安心して眠れる場所を失うのだと分かってしまった。だったら最初から甘い蜜の味なんて知らないほうがよかったのに。


「行かなきゃ……」


 震える拳を握り、絞り出すように呟く。

 もうここにはいられない。誰かを想うルーカスの邪魔をしたくない。何より、どんなに長く隣にいても、彼はリリアナのほうを見ることはない。その現実を突きつけられるのがあまりにもつらいのだ。

 それなら追い出される前に自ら出て行こう。まだ傷が浅いうちに。


 立ち上がると目の前がぐにゃりと歪み、涙なのかめまいなのかも分からなくなった。

 恋文を元の場所へ戻したいのに、体が言うことをきかない。かろうじて動く指先で、ルーカスが書いた文字をなぞる。真摯な言葉選びがいかにも彼らしい。


(私もこんな手紙が欲しかったな……)


 ここまで彼に愛される女性が羨ましい。でも、何度生まれ変わっても、リリアナがその人になれることはないだろう。

 甘い夢から覚めた後の現実は、あまりにも残酷だった。


「リリアナ……?」

「……っ」


 声のほうを振り返ると、そこには呆然と立っているルーカスがいた。


「どうしてルーカスさまが……」

「勝手に入ってすまない。なかなか居間のほうにも来ないし、何度ノックしても返事がなくて心配したんだが――」


 話の途中で、彼の視線がリリアナの手元に吸い寄せられていくのが分かる。

 そこに握られているのは恋文だ。


(しっ、しまった……!)


 リリアナは慌てて膝をついた。


「申し訳ございません! 申し訳ございません……! わ、私……ルーカスさまのお手紙を勝手に読むつもりなんて全くなかったんです!」

「……そこにはなんて書いてあった?」


 リリアナは涙混じりの声で恋文を音読する。

 読み上げながら、自分がどんどん絶望の底へと沈んでいくのを感じた。

 大切な手紙を見つけてしまっただけでなく、それを盗み見たことも彼に知られてしまうなんて。一体どんな罰を受けることになるのだろう。

 そしてリリアナは最後の一文を読んだ後、痛みを覚悟するように歯を食いしばった。


 けれど、何も起きない。


 恐る恐るリリアナがルーカスのほうを見ると、彼は手で顔を覆っていた。耳まで真っ赤になっている。

 もしかして……怒っているわけではない……?


「あの、ルーカス……さま……?」

「頼む……! 頼むからその恋文のことは忘れてくれ!! それはまだ習作なんだ。あなたに読ませるには拙すぎて……! ああ、恥ずかしい!」

「え、えっ?」

「愛する人に宛てた手紙なのに、詩集を手本にして書いていたと本人に知られるなんて……。本当に情けない!」

「それってどういう……」


 ルーカスがゆっくりと近づき、目の前で膝をつく。そしてリリアナの手から静かに手紙を抜き取った。


「恥をしのんで告白するが、これはあなたに宛てたものなんだ。まさかこんなところに挟んだままにするなんてな……」

「で、でも! ルーカスさまには想っている人がいるって……!」

「それがあなたなんだ。かつて一度だけ夜会であなたを見かけて、その時に一目惚れしたと言っても信じられないだろう?」

「……っ!?」


 実はたった一度だけ、義妹がリリアナを笑い者にしようと、サイズもデザインも全く合わないドレスを着せて、夜会を引きずり回したことがある。

 まさかそれをルーカスが見ていて……?


「あ、あっ、あんな恥ずかしい姿をルーカスさまに見られるなんて……!」

「恥ずかしい? 私には雪解けを待つ可憐な花のように見えたのに。ただ、あなたを見た瞬間、思ってしまったんだ。もし自分の手であなたを咲かせられるなら、どれほど美しくできるだろうか、と。その想像が頭から離れなくなって……あれからずっと、私はあなたに心を奪われ続けている」


 まさか、そんな――。

 でも唇が震えるだけで、ちっとも声にならない。


 確かにこの家に準備されている服は、どれもリリアナが好みそうなものばかり。ウエストの絞りもスカートの丈も絶妙だった。

 もしかして、夜会での姿を見たルーカスが、丁寧に選び抜いてくれたのだろうか。


「あの家の人間が、あなたの不幸を娯楽にしていることは嫌というほど耳にしていた。その状況で『結婚したい』と申し出ても、拒否されるに決まっている。あの者たちを説得するには、この結婚があなたにとって不幸なものでなければいけなかった。だから――」


 ルーカスがゆっくり瞬きをする。

 そして目を開くと同時に、信じられないひと言を放った。


「私は手痛い失恋をした情けない人間だと、わざと嘘を流布したんだ」


 それは世界がひっくり返ってしまうような衝撃だった。

 こんなに立派な辺境伯が、わざと自分の不利益になる噂を流すなんて。

 しかも自分と結婚するために。

 リリアナは「そんな……」と呟くだけで、言葉を続けることができなかった。


「失恋して酒浸り……そういう人間に嫁がせるとなれば、ネロディ家も喜んであなたを差し出すだろう。不健康に見えるよう睡眠時間を極端に減らしたし、両親が引っ越したおかげで、タイミングよく人払いしたみたいになった。そうして私が『失恋卿』だと知られるようになって結婚を申し入れた結果、彼らは二つ返事で認めたよ」

「どうして……どうしてそこまでルーカスさまが……!」

「あなたをあの家から連れ出したい、その一心だった」


 ルーカスはしばらくの間、視線を手紙に落としていた。だが次の瞬間、ゆっくりと顔を上げ、真っ直ぐにリリアナを見つめた。その眼差しに息が詰まる。

 自分以外の誰かへ向けられていたと思い込んでいた情熱が、そのままの強さでこちらに向けられている。

 けれど、リリアナはそれを素直に喜ぶことができなかった。


「私のせいで……ルーカスさまが名誉まで犠牲にして……私なんかのために、そんなことまでさせてしまうなんて……」

「名誉なんて時間をかければいくらでも取り返せる。だがあなたは待っているだけでは手に入らない。だから迷う理由などなかった。それほどまで、あなたと共に生きる時間がほしかったんだ」

「ルーカスさま……」


 彼の言葉が祝福の光のようにリリアナに降り注ぐ。ずっと消えなかった深い傷にゆっくりと染み込み、リリアナを苦しめていた痛みを溶かしていくようだった。

 こんなに大切に扱われる世界があるなんて。

 息をするたび、体の内側がぽかぽか暖かくなる。


「私……ルーカスさまと一緒に寝ると、怖いことを思い出さずに済んで……気がついたらすごく安心で、嬉しくて……」

「悪夢は?」

「あれから一度も……」

「そうか。それはよかった。あなた専用のマットレスになった甲斐があったよ」


 ルーカスはくすりと笑うと、そっとリリアナの頬に触れる。

 指先とは思えない熱さに、つい肩が跳ねてしまった。


「……ただ、できれば寝具(・・)扱いは今日で卒業させてもらえないかな」

「え……?」

「あなたにとって、ただ安眠できる場所としてではなく、夫として隣に眠らせてほしい。だって私たちには共に夜を越える権利があるだろう?」

「そ、それって……」

「あなたを妻として愛したいということだ」


 低い声がそう告げて。

 リリアナが「あっ」と声を上げた時には、体が彼の腕の中にあった。


「返事を求めるのは早急かい?」

「……こ、心の準備が、まだっ!」

「大丈夫だ。あなたがわたしを受け入れてもいいと思ったら、添い寝以上のことをしよう。もっとも、あなたを愛しすぎて、朝になってもベッドから出られない可能性もあるが」


 甘い冗談の後、ルーカスの指がリリアナの顎に触れる。

 頭の中で思考がぐるぐる回っていたのに、彼の目を見つめただけで、ふっと止まった。

 もう目の前の人ことしか考えられない。

 リリアナにとって最愛の人。


「だから今夜は……これだけ許してくれ」


 彼の気配が近づいて、そっと目を閉じる。

 かすかに触れ合うようにふたりの唇が重なった。

いつもはムーンのほうに投稿しているのですが、今回初めて全年齢に挑戦しました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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