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たのしい肝試し  作者: 死苔妖斎
2/6

2怪目 1年1組・黒板の文字

「次どこ行く?」


「1-1から順番に回ってみるのは?」


「それもいいな。じゃあ下りるか」


 そんな会話をして、1階の教室へ向かった。


 それにしても暑い。日が照っている時間よりはマシだが、それでもホコリっぽい室内でずっと歩き続けるのは少し嫌だった。まぁ楽しいからまだまだやるけどね。


 懐中電灯で足元を照らしながら階段を下る。ホコリで滑る可能性もあるので、1段1段しっかり足をつけてゆっくり下りる。


 1年1組の教室に入ると、微かに香水のような匂いがした。各々懐中電灯で照らしながら教室内を徘徊する。

 高校で使ってるのと同じような机がたくさんある。中学以降は全部同じなのだろうか。150cmの人もいれば2mの人もいるってのに。


「うわぁ!」


 教室の真ん中らへんでアルトが叫んだ。声のした辺りを照らすと、アルトが腰を抜かしていた。


「どうした?」


「こ、黒板に真っ赤な字で〈死んでください〉って⋯⋯!」


「マジかよ⋯⋯」


 パッソと2人で照らしてみると、その全貌が明らかになった。


  挿絵(By みてみん)


「これって⋯⋯!」


「まさか、フワちゃんもここに来たことが⋯⋯!?」


 怖くなった俺たちはすぐに教室を出た。


「あのさ⋯⋯」


「どうした?」


「実はさっき腰抜かした時、ちょっとチビっててさ⋯⋯トイレ行かね?」


「トイレといえば、こんな噂が⋯⋯」


 パッソがアルトに耳打ちした。


「マジ?」


「うん、出るらしいよ」


「いやそっちじゃなくて、こんな状態なのにマジで7階まで行けと?」


 7階!? いったいパッソは何を言ったんだ? ていうかここ何階建てなんだよ。


「せっかく来たんだし、オバケ見たいだろ?」


「見たいけどさ、今この階のトイレに行って、その後7階のトイレに行くのじゃダメ? もうけっこうヤバいんだけど」


「あ、その手があったか。いいよ、そうしよう」


「た、助かった⋯⋯」


 アルトは安堵の表情を浮かべ、勢いよく失禁した。


「なにやってんの!?」


「しまった! 安心したら膀胱も緩んでしまった!」


「じゃあもうそこのトイレ行かなくていいよな! 7階行くぞ!」


「えっ⋯⋯まぁ、うん。はい」


 いいんだ。

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