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オアシス

・名前 シアver.2

・年齢 18

・種族 超弩級呪物

・レベル 985


現在のスキル


・生霊操作

・念動力

・物体干渉

・呪詛

・使役

・遠視

・火炎耐性

・水耐性

・雷耐性

・毒耐性

・気配感知

・付与魔法

・調教

・召喚魔法

・テレパシー

・サイコメトリー

・憑依

・火属性攻撃

・水属性攻撃

・雷属性攻撃

・闇属性攻撃

・回復魔法

・気配遮断

・瞬間移動

・身体強化

・透明化

・亜空間生成

・物質変換

・具現化

・鑑定

・複製

・呪い返し返し

・物体創造

・空間制御

・捕縛

・スキル調合

・発明

・悟り

・獣使い

・友情の証


────


私は久しぶりに自分の情報を確認した。

(友情の証って何だろう?)

またわけのわからないスキルが増えていた。


もし封印されている魔王が復活するようなことがあるならば、私は依代にならないためにもっと何かを強化しないといけないかもしれない。


(乗っ取られないためにもっと精神力を伸ばすべきか)


私はそんなことをぼんやり考えながら南に大陸がないか探しに行った。


しばらく海が続いた。

浅い海は青緑色に光っていてとてもきれいだった。

やがてゴツゴツした岩場の海岸線が見えてきた。

大きな岩がゴロゴロと転がったような地形だった。

植物もほとんどなく、ときどきサボテンのような多肉植物が生えていた。

さらに進むと広大な砂漠が広がっていた。


岩と砂の大地。

ここにも村や街は見あたらない。


しばらく探すとオアシスのようなものが見えた。

そこには大きな湖があり、木々も生い茂っていた。

そして家があった。

私は慎重に近づいた。


家は全部で数十軒。

住んでいたのはトカゲのような見た目の人型の魔族だった。

私たちと同じように服を着ていて二足歩行で歩いている。


私は一度意識を戻した。

そして妖精たちに今見た種族について聞いてみた。


「それはおそらくリザードマンですね。」と、ルアンが言った。

「好戦的で協調性のない種族よ。私は苦手だわ。」とチュンは表情をくもらせた。


「近づかないほうがいいね。」

と私が言うと妖精たちは頷いた。


私は生霊になり、続きのマップ開拓を再開した。

リザードマンたちのオアシスは空から見るととても美しかった。

(いきなり攻撃でもされたら大変だから見るだけね)


少し進むとピラミッドのような石を積んだ遺跡のようなものが見えてきた。

(ダンジョン 発見)

私は後でみんなで来てみようかと思い、中を少し覗いてみた。


中は砂岩でできているようで下手をすると崩れてきそうだった。

(激しい訓練は無理だな)


入口付近を見ていると子供の泣き声のようなものが聞こえてきた。

(こんなところに子供が?)


私はそのまま奥へ進んだ。

すぐに泣き声の主が現れた。

(リザードマンではありませんか)


子供とみられるリザードマンが2人いた。

1人は罠のようなものに足を挟まれて泣いている。


私は近くに親がいないかと探してみた。

付近にはどうやらこの2人しかいないようだった。


(近づいたらかじられたりするかな)


私は少し悩んだ。

みつけてしまった以上、見捨てるわけにもいかない。

私はそこへ瞬間移動した。


透明化でそっと近寄る。

2人は気がつかない。

(今のうちに)


私は罠に向かって(離せ)と念じた。

罠は開きリザードマンの子供の足は自由になった。

泣いていた子が泣くのを忘れてびっくりしている。


血が出てたので回復魔法をかけたかったのだが、少し距離があるせいか効いていない。


私はそのまま近づいていった。

「私が行くわ。」とチュンが2人に近づいた。

2人はすぐにチュンをみつけ、最初は驚いていたがキラキラ飛び回る姿を見て「わぁーきれいー」と声を出していた。

チュンはそのまま罠にハマっていた子の足に回復魔法をかけた。

「痛くない!!妖精さんありがとう!」

リザードマンの子供はピョンピョン飛び跳ねて怪我が治ったことを喜んだ。


しかしすぐにまた泣きだしてしまった。

チュンは困ってしまい、「私の仲間が来るけど、驚かないでね。」と2人に言った。

私は姿を現し、2人に近づいた。

チュンのおかげでそれほど警戒はされなかった。


「私はシア、北の大陸から来たの。もしかして迷子になったのかな?」

2人は泣きながら頷いた。

「ボクはタンリ、こっちは弟のハンリ。」

2人は泣きながら「冒険に出たけど帰れなくなって、罠に引っかかってしまった」と説明してくれた。


「2人はオアシスにある集落に住んでいる?」と聞くと、

「そう!そこから来た!」と教えてくれた。


「近くまで送って行こうか?」

私はできれば関わりたくないな、と思ったがしかたがない。

「いいの?」と2人は笑顔になった。

(この子たちはかわいい)


私はオアシスの近くにある岩場に瞬間移動した。

「ここからなら帰れるかな?」

私が2人に聞くと「大丈夫!ありがとう!」と言って走って行った。


私はみつからないようにそっとその場を離れようとした。

その瞬間数本の槍が飛んできて行く手を塞ぐように刺さった。


私は驚いて振り向くとそこにはリザードマンたちが怖い顔をして立っていた。

「そこで何をしてる!」

真ん中のリザードマンが大きな威圧感のある声で叫んだ。


私は両手を挙げ、「すぐに去ります。」と言った。

「何をしているのか聞いたんだ!」

私に槍を向けながらまた叫んだ。


「子供たちが迷子になっていて…」と私はダンジョンで出会った子供たちの話をした。

リザードマンたちは小声で何かを話し、1人のリザードマンがオアシスの方へ走って行った。


私たちは向かい合ったまま動くこともできず、私は手を挙げたままだった。


さっきの子供たちが走ってやってきた。

「この人が助けてくれたんだよ!お父さん槍を向けないで!」と兄のタンリが叫んだ。


リザードマンたちは顔を見合わせ私に槍を向けるのをやめた。


子供たちは一生懸命父親に説明してくれた。

リザードマンたちも納得したみたいで、

「シア殿、失礼いたしました。うちの子がお世話になりました。」と頭を下げてくれた。

私もやっと挙げていた手を下ろした。


「わかってくれてよかったです。では…」と言って去ろうと思ったら弟のハンリが私の腕を掴んだ。

「お母さんがお礼をしたいって!」

私は必要ないと言ったがリザードマンたちは「ぜひ」と怖い顔をして私を見た。


私は嫌々オアシスの集落へ向かった。


────


家は石レンガで作られた風通しの良さそうな造りになっていた。

タンリとハンリに腕を引っぱられながら進み、一軒の家についた。

「入って!」私は2人に背中を押され家の中に入った。

中は簡素な作りながらもきれいに手入れされ気持ちのいい家だった。


「うちの息子たちがお世話になりました。」

と母親は頭を下げ、食事をしていくように言った。

「やったー!」とアリとセキが出てきた。


兄弟はびっくりしていたがすぐに笑顔になり、

「かわいい!触っていい?」とアリとセキを撫でた。

アリとセキはいつものように自己紹介していた。


チュンとルアンも2人のまわりを飛び回った。

「妖精とは珍しい」と父親は興味深い顔で飛んでいる妖精たちを眺めた。


兄弟の父親は『オンリ』という名でこの集落でリーダーをしていると話してくれた。

元々もっと南の豊かな土地に住んでいたのだが、人間たちに戦争をしかけられ町を追われてここに流れ着いたのだという。

「我々は人間たちより強い。しかし圧倒的な物量の差で追い込まれてしまった。」

オンリは思い出して悔しそうな顔をした。


普通に先祖から伝わる土地に暮らしていただけなのに攻撃をされたと言う。

「このオアシスに辿り着けていなかったら我々は全滅していたでしょう。」

砂漠の地で生活するのは無理だという。

「人間たちは我々が砂漠で行き倒れにでもなるだろうと深追いはしてこなかった。」

ここで暮らしていることもおそらく知らないだろうということだった。


(また罪もない人たちを…人間と言うものは…)


私は町を奪われた理由、珍しい植物や鉱石がなかったか聞いてみた。

「自然は豊かだったがまわりの大地と同じように生きていくのに必要な資源しかない土地だったと思う。」

オンリは懐かしそうな顔をしていた。

(必要もないのに奪ったのか)


私は悲しくなった。

どうしてこうなってしまったのかと。


リザードマンたちは確かに見た目が怖い。

しかも凶暴な種族と言われている。

だからといって悪さをされていたわけではないようだ。

自分たちの土地でおとなしく暮らしていたのだろう。


これからもここで暮らすのか聞くと、

「我々の人数で暮らすにはここはちょうどよい土地だ。人間はここまで探しには来ないだろう。戻ることができない以上ここにいるしかない。」

と答えた。


私は(このオアシスは人間には見えない)と呪いをかけた。


私たちは食事をご馳走になりリザードマンのオアシスをあとにした。

決して友好的な種族ではないようだったが、礼節を重んじ慎ましく暮らしているいい種族に思えた。

(このまま幸せに暮らせますように)


私はリザードマンたちを追いやったという人間たちをひと目見てやろうと思った。


1度屋敷に戻った。

ムイにリザードマンたちの話をすると、

「嘆かわしいですね。人間という種族は本当に…」と悲しい顔をした。


明日見に行こう。

どんな顔をして罪のない人たちを傷つけたのか…



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