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雪の中の小屋

作戦会議が始まった。


私は相変わらず会議室の中にはいない。

前回は城の中にいたのでややこしかったが、今回はどうやら一人のようだ。

作戦ももっとシンプルなものになるだろう。


私は雪の中の小屋を見に行く。

(あれ?いない)


小屋の壁に似顔絵のようなものが貼ってあるのをみつけた。

私は近くでよく見てみた。

おそらく魔法使いであろう風貌をしていた。


(3枚あるな…3人は決まっているということだろうか?)


勇者の召喚に何人必要なのかもわかっていない。

それよりもどこへ行ったのだろうか?


私は森の中を探す。

(いた!)


どうやら小屋に戻るところのようだった。

手にはウサギのような動物を持っている。


小屋に戻ると解体を始めた。

(食料にするのか)


ガオルが依代に選んだのは弓の名手だった。

もしかすると依代によってできることや得意なことが違うのではないか?


料理を始めたので私は見るのをやめた。


────


キリナは精力的にセキの訓練につきあってくれていた。

どんどん吸収してくれて嬉しいらしい。


セキはすっかり人の形に慣れてしまい「飛びたいよー」と泣くことはなくなった。


私はセキを連れて亜空間に行った。

何もない訓練用の亜空間へ。


セキの実力を探るために1番得意な属性の魔法をマックスの力で放つように言った。


セキは、「何にしようかな〜」と楽しそうだった。

「じゃあ行くね!」と言って前に出した障害物用の建物に向かって赤紫色の何かを出した。


すごい爆発音がしてそこら中にあった物が全てなくなった。

もちろん文字通り塵一つなくなってしまった。


私もキリナも何が起きたのかわからずに声も出なかった。

セキは「大成功!」と喜んでいる。


やっと声が出るようになったので「今のは何?」と聞いてみた。


セキは悩み、「なくなる魔法!」と言った。


(なくなる…確かになくなったけども)


キリナも「何の属性かもわからないです。」と言った。


その後も好きに魔法を使わせると次々にとんでもない見たことのない魔法を繰り出した。


花火のように大きなキラキラを出す魔法や、たくさんの鳥の羽を出す魔法、大きなスライムが出てくる魔法などおおよそ戦いでは使えないような魔法もたくさんあった。


そのたびにセキはキャッキャと喜んだ。

「おもしろいねー!」


セキに残りの魔力量を聞くと、「まだいっぱいある」と言うので続けさせた。


途中から私もキリナも楽しくなってきちゃい、「こういうのは?」といろんなことをさせてみた。

たいていのことならできてしまう。


セキにどうやってるのか聞くと、「頭に思ったものがそのまま出てくる!」と言った。


キリナは私を見て、「お母さんに似たのですね。」と睨みつけてきた。


念のため鑑定してみると、

・創造魔法

というスキルが増えていた。


文字通りで行くならば魔法を作ることができそうだ。

このハチャメチャなスキルをどうしたものか、とキリナと悩んだ。

うまく扱えば相当な戦力になるのは間違いなかった。

しかし中身はまだ子供である。

同じ子供でもレイとは違う。

それに人の形になってから日が浅い。


私は試しに、「進化するイメージでドラゴンに変身することはできる?」と聞いてみた。

セキは「うーん」と考えていた。

珍しくしばらく考えていた。

「無理ならいいよ!」と言ったが、「できるよ!ちょっとまって!」と言ったので私とキリナはおとなしく見守った。


イメージが固まったのか「やってみるね!」と言った。


目を瞑り、動かなくなった。

私は心配になって近づこうとしたがセキの様子が変わったのでやめた。


セキの背中から真っ赤な翼が生えていたのだ。

それは以前のセキの赤色とは違い、少し黒ががっていた。


セキはそこで力尽きたようで「ごめん、できなかった…」と、悲しそうに言った。


翼はそのままだった。

セキは翼が生えたのに気づき、飛んでみせた。

「ママ!飛べるようになった!」


セキは以前のように空を飛んだ。

やはり飛ぶのが大好きなんだろう。

嬉しそうに飛び回り、「ママありがとう!」と言った。

(私は何もしていないけど)


もしかして!とまた鑑定してみた。


・種族 レッドドラゴン 第3形態


(きたー!)

セキは進化していた。

キリナに言うと「第何形態まであるんでしょうね?」と言った。

(確かにまだ先がありそう)


降りてきたセキに「前みたいなドラゴンになれる?」と聞くと「うーんうーん」と頑張っていたが無理だった。

「じゃあ羽をしまって前みたいな人の形になれる?」と聞くと「それは簡単!」と言って、シュッっと羽は見えなくなった。

(服の背中に穴が空いてる…)


セキはそれが面白いらしく、羽を出したりしまったりして遊んでいた。


次があるのかわからないけど、とりあえずセキは進化した。

帰ったら悪魔に見てもらおう。


私たちは亜空間をあとにした。


────


帰るとセキは悪魔に羽を見せに行った。

悪魔は「ほぉ…」といつものようにセキを眺め、

「まだ途中だな。」と言った。

私とキリナは「やっぱり」と目を合わせた。


悪魔に会議のことを聞くと「もう終わった。」と言った。

今回はやっぱり早かった。


「では作戦を話そう。」

と悪魔は言い、またニヤが説明を始めた。


今回は『逃さない』と言うのが最大のテーマらしい。

まず、結界を張れる者たちで何重にも重ねて結界を張る。


それから一斉に攻撃を開始すると言うことだった。

聖女様に昇華をしてもらうために5分は拘束したいと言った。

果たして昇華で倒せるかについては一か八かであるらしい。

封印を持つ勇者もいない。


今回はやはりセキは留守番だった。

レイも生霊としての参加のみと言われた。


私は前回と同様に魔王城スタートで現地に来るタイミングは任せると言われた。


「決行は今夜、前回と同じ時間に」と言ってニヤは「では私も準備がありますので。」と言っていなくなった。


悪魔は不服そうなセキの頭を撫でて、「ごめんな。」と言って部屋を出ていった。


「飛べるようになったのになぁ〜」と言ってまた、翼を出したり引っ込めたりしていた。


私は「前よりパワーアップさせておいた。」と言って例のチートアイテムたちをムイとキリナに渡した。

前回は使う暇がなかったと言っていたが、使いたくなかっただけだろう。


レイは「メメちゃんのところにいってくる!」と言って出ていった。


私はいろんなパターンを考えて、どう呪ってやろうか考えていた。

アリに「シア、また悪い顔してる。」と指摘された。

(だって悪いこと考えてますもん)


あっという間に時間になった。

ムイとキリナはセキに、「いい子で待っててね。」と、言ってゲートをくぐって行った。


私は司令室に戻り長椅子に横になった。

レイも同じように準備万端だ。

セキは、言われたことを守りおとなしく見ている。


遠視で今の状況を確認する。


魔王や悪魔、聖女も結界を張る作業をしているようだった。


すぐに結界は出来上がった。

私とレイも生霊として準備万端だった。


魔王が手を上げる。

一斉に小屋に向かって攻撃をかける。


小屋は一瞬でその存在を消され、男は雪の中にあらわになった。


すかさず黒いモヤモヤをあらゆる方向に飛ばしてきた。

(前回よりモヤモヤの扱いが上手くなってる)


私は捕縛を試してみた。

前回よりは長く動きを止められたが、聖女の詠唱の時間には程遠い。


私はモヤモヤが飛んできたのを察知し、間一髪で避けた。

(危なかった)


すでにモヤモヤの被害に遭ってる人がいてニヤとムイは忙しく運んでいた。

キリナと聖女はその治療にあたっていた。

(連携が取れている)


レイも必死にガオルの動きを止めようとしていた。


私はやはり近くで呪うほうが強いと感じ、レイとセキに「行ってくるね!」と言って瞬間移動した。


飛んでくるモヤモヤを避けながら(動くな)と念じる。

一瞬動きが止まったように見えるが、すぐに動けるようになってしまう。


(だめか…)


私はあの足枷の呪いをガオルの首に目がけて念じた。

首輪のように鎖が首に巻きついた。

続けて両足、両腕と全てに枷をつけた。


ガオルの動きは明らかに鈍くなった。

他の魔王軍のメンバーも今だ!と拘束魔法をかける。

私も(動くな)と念じた。


聖女が昇華の詠唱を始めた。

私は(動くな)と念じ続けた。


魔王軍の魔法使いたちも拘束魔法や捕縛スキルをかけ続けているようだ。


聖女の美しい声が響く。


ガオルはその場にバタンと仰向けに倒れた。

(これはいける!)


詠唱も終わりそうだった。

虹色の光が見え始めた瞬間、ガオルの背中が黒く見えた。

その瞬間虹色の光がガオルの体を包みこんだ。

キラキラが天にのぼっていった。


みんなは「やった!!」と喜んだ。

魔王も私も倒れている男からガオルの気配が消えたのを感じた。

私は捕縛スキルだけを残して体中にかけた枷を外した。


少しの間その男を観察したが問題なさそうだったので捕縛も解いた。

魔王がこの男に罪はない。と言ってどこかに連れて行った。

きっと村に返しに行ったのだろう。


ゲートを出して魔王軍たちは引きあげ始めた。

お祝いムードだった。


私はガオルが倒れていた場所がどうしても気になりその場に立った。


その瞬間目の前が真っ暗になった。

私はそこで気を失ってしまった。


ムイが手を伸ばす姿が見えた気がした。




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