今思えば思考がホラー。
これは私が中学生の時の実際の話。
家は田舎で、周りに田んぼがあり街灯はない。とはいえ星明かりがあるのでそこまで暗くはない。
学校からの帰り道。あと少しで家というところで、何かが軋む様な音がした。
ギィー ギィー
少し高い何かが擦れる音。
ギィー ギィー
周りにこんな音がするものなんてないはず。実際、周囲を見ても何もない。
ギィー ギィー
音が鳴り続けている。
ギィー ギィー
ふと視線を感じたので上を見る。
ロングコートの老人が、電柱に縄で首を吊っていた。
風もないのに揺れる体。
ギィー ギィー
目があった。
「…………………」
冬だし、夜だし、一晩くらいいけるか。
見なかったことにして帰宅。
翌日の朝食。
特に騒ぎになっていないのを確認。夢だったと片付けて学校に向かう。
電柱には何もなかった。