(「」カウントダウン「」)
服は固辞されてケーキは食べたばかり。
ではどうしたものかと思い、先輩へのお礼なので先輩に判断を委ねることにした。
駅ビルの案内看板の前に立ち、繋いでいない方の手で指して促す。ご婦人の通行を妨げないように先輩を引き寄せて数秒。先輩が言葉を溢れさせた。
「フードコートに行くのはいいが、先程ケーキも食べたからな。さすがに少し時間をおきたい。クレープやアイスもあるけれども。目の前にあれば食べれてしまうのだけれども。
そういえばバーガーのコマーシャルを最近見たな。この時期になると毎年新作を出しているように思うのだけれども昔販売していたものを復刻してほしいという意見も耳にした。あいにく私はあまり利用したことがないので期間限定バーガーはほとんど食べたことがないのだけれども」
ごぉ、よん、さん、にぃ、いち、
「百円均一は一人暮らしを始めた頃にとてもお世話になって以来、結構頻繁に利用している。食器類は全部ここで揃えたし、洗濯関係のものもそうだな。
最近買ったものだとクレンジング用の泡立てとか爪磨きとか、髪を切ってからボディケア用品をだいぶ買い替えた。いやいままで持っていなかったわけではないし、していなかったわけではないのだけれども、割となおざりにしていたのだと自覚した。
それはほら、キミの責任だな、うん。責任を取って貰いたいが、必要なものは粗方買い終えてしまったからな……それはまたの機会としよう」
ごぉ、よん、さ
「あ、店員がカート戻しに来てる。もうちょっと傍に移ろう。
えーと、CDショップ? うーん、CDプレイヤーがないからな。ジャケットを冷やかしてもいいが、買うならデータ買いするしライブ映像付きの方が見ていて楽しめる。いや歌目的ならCDでもいいのか。
一度試聴コーナーでヘッドホンつけて聞いてみたことがあるのだけれども、ちょっと何言ってるかわからなかったし、耳以外が手持ち無沙汰になって落ち着かないみたいで。どうも私は音楽というものと相性が良くない感じがしている。
あ、いやキミとカラオケに行くのはいいんだ。見てても楽しいから」
ごぉ、よ
「ここは駅から抜けるのに通りいいからか、少し人が多くなってきたな。もうそんな時間か。いったん他に移動してもいいが、ちょっとこのラッシュが抜けるのを待とう。ん? シューズショップか。
一応は院を目指してはいるが就職する場合も考えてしばらく前から革靴にしているんだ。職場によってはパンプスがダメなところもあるみたいだし、いまは滅多にないらしいけれど昔は女性はハイヒールでないとダメなんて職場もあったらしいな。
足裏が水平になる方が負担が少ないなんて話もあるし実際スニーカーの方が楽だけれども、さすがに面接には使えないし、履き慣れると革靴も結構楽だぞ。まさかハイヒールを履かせようとは思ってないだろうが、一応持っているからな。しばらく履いていないから転びそうでちょっと怖いけれども。
上背が更に高く見えて嫌というのもないではないが私に限っていえばドングリの背比べなので実はあまり気にしていない。
いやこの用法はあっているのか?」
ご
「あぁそうだ。ボディケア用品で思い出した。
百円均一のジェルネイルに良さげな色味が品切れで延び延びになっていたんだ。一応ケアもしているのだけれど、一度億劫になるとなかなか手をつける気にならない。いや手というか爪だが。補講のお礼なんて大したことでもないしそれで充分だけれど、別にネイルサロンで奢ってくれるならそれもいいな。
いや冗談だ。さすがに金額的に申し訳なくなるからやめてくれ。とりあえず百円均一を見に行くか」
どうやら先輩は促すと五秒もおかずに言葉を溢れさせるらしい。
いったん結論が出たので、人波に飲まれないように繋いだ手はそのままで駅ビル内に入った。
耳にする音ではヒャッキンで百円均一のことだとすぐ伝わるのに、文字にすると紐付けにラグがあった(筆者の場合)ので、ルビ付き百円均一にしてみました。




