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夜空に揺れるカンテラ

作者: 国府津辰之助

夜空は黒い天井であり、星はそこに吊るされた揺れるカンテラなのだ。

 窓の外には、煌びやかな街並みがうつっている。ピコン。

こんな時間にLINEなんて、一体誰だろうか。

「ウェーイ(≧∀≦)」

だなんて、つっこむことすら面倒で、未読無視してしまった。ちょっと失礼だったかな。なんて後悔して返そうとするも、言葉が思い浮かばない……。なんかどうでもよくなって、そのままベッドにダイブしてしまった。

「慶太〜!いつまで寝てるの〜?早くしないと遅刻するわよ〜!」

母さんの声で目が覚めた。恐る恐る時計を確認してみたら、

「6:45」

んだよ。まだまだ充分時間あるじゃないか。うちの親はとにかく早起きさせたがるから困るったらありゃしない。

 シャワーを浴びてダイニングに行くと、美味しそうな匂いがしている。とりあえず着替えてくることが先だ。

 今日の朝食は、食パン、コーンクリームスープ、生ハムサラダにスクランブルエッグだ。母さんのスクランブルエッグ、なめらかな食感ながら結構味付けは濃いめだ。薄味が好きな俺でも結構好きな味だ。こいつを食パンに乗っけて食うとその香ばしい香りと混ざり合って旨いんだよな。

 とにかく早く起こしてくる所為で準備が終わっても微妙な時間が余ってしまう。仕方ないので早く家を出ることにした。

 俺の高校、公立なのに制服がないってのはありがたい。まあファッションセンスがないと服装がダサくなるんだけど。そんなことを考えながら学校に向かっていると、いつも友人と会う交差点にまだ来ていなかった。そりゃ7分も早く出りゃそうだわな。結局そのまま友人が来るまで待ってた。

「お待たせ〜。」

友人はきっかり5分後にやってきた。

「おせえぞ。朝から何やってんだよ。」

「ごめんごめん。ネットニュース見てたら面白いのあってついつい見入っちゃった。」

「おい……。」

相変わらずだな。なんて思ってると、

「つーか昨日のLINE何で返してくれなかったんだよ。」

「あーすまん、寝てた。」

ま本当は、つっこむのが面倒だっただけなんだけど。

 結局授業は色々とあった。先ず1限の体育で鍵原が悪ふざけしてその授業10分潰れ、2限の国語ではクラスのほぼ全員からの質問攻めが手に負えなくなった教師が逃走。3限の数学ではクラスの半数が睡眠学習をする始末。4限の理科が実験だったため、その時ばかりは平和だった。昼休憩では学食で席と料理の争奪戦に発展。5限の芸術3科で、俺のとった音楽でも突然ドラムを叩き始める奴がいて、先生のピアノとセッションしだした。だからと言って授業前に俺が弾いている時にも叩いてくれるおかげで曲は結構盛り上がるんだけど。6限の社会。だいたいこの時程にくる社会の授業は先生方も生徒も眠くなると相場は決まっている。案の定半数が睡眠学習をしていて散々だった。

 放課後の部活も水泳部はこの時期走ることとトレーニングしかしてないからあまり面白くないし。

 ああ、どっと疲れた。帰ってYouTubeでも観よっと。

 時刻はとっくに18:30をまわっている。夜空を見上げると、無数の星たちが紺色の空に瞬いていた。毎日この繰り返しでも、何かと楽しめている。

「さて、明日も頑張るか。」

春の夜空に浮かぶ星は、揺れるカンテラだった。

こんにちは、国府津辰之助です。今回は日常系です。いつもと異なる毛色ですが楽しんでいただけましたでしょうか。今後ともよろしく願いいたします。それでは!

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