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51話 ライトニング・キモオタ・ストラッシュ

『もう許しませんよ……』

 ネクロマンサーはボロボロの体で立ち上がり、両手に黒い炎をためる。


『はぁはぁ……テメェら、このダンジョンごとぶっ壊してやるよぉぉおお!』

 ネクロマンサーは最後の力を使い自爆するようだ……

 僕もアスカさんも体力を使い果たしている。間に合わない……

「く……」



『死ねぇぇぇえ!!』

 ネクロマンサーの手から炎が放たれる、その時――


 バチッ!


『うう!? なんだ?』

「!?」

 ネクロマンサーの顔に火花が散る。


「ガ、ガイドか!?」

「二人とも! 早く!!」


 ガイドがネクロマンサーの顔面に炎魔法を放ったようだ。

 非力なガイドの魔法だがネクロマンサーの動きを一瞬止めるには十分だった。


『ぐぅ……なんだこの精霊は!?』

 ネクロマンサーはガイドをはたきおとす。


「キャーーーッ! 痛ッーーい!」

 吹き飛ばされるガイド。

『テメェら……最後までジタバタと……』


「ガイド、よくやってくれた……」


 僕は最後の力を使い飛び出す。


 剣を……勇者に剣を握りしめる。

 やっぱり剣だ。今の僕の光の弾丸じゃネクロマンサーにとどめはさせない。

 何千体という数のモンスターを斬ってきた剣を信じる。いや、剣と光魔法を!


「いけ……! 木本君!」


『その技は何回見たと思ってる! もう光の弾丸なんて当たるわけないだろぉぉお!!』


 そうだ、光の弾丸は練習不足もあって自信はない。だから……


 光魔法!


『な、なに!?』

「木本君!? 剣が……」


 僕は光魔法を剣に使った。光り輝く勇者の剣。

 これから剣と光魔法の力を100パーセント引き出せるはずだ。


『そんな……魔法剣……だと!?』


「くらえ! ライトニング・キモオタ・ストラッシュ!!」


 ザンッ!!!


『ぐわぁぁぁあああ!!』

 強烈な光がネクロマンサーを貫く。

 ネクロマンサーの体は真っ二つに。


『く、くそ……まさか人間に……! 魔王様に……伝えなけれ……ば……』


 灰のように粉々に砕けるネクロマンサー。

 灰から黒い鳥が飛び立つ。



「……やりました……」

「木本君……よくやった……。ガイドもありがとう……」


 泣き出すアスカさん。


 ネクロマンサーを倒した。それはつまり、妹のサクラちゃんの目が覚めるということだ。


「よかったです……ガイドのおかげで命拾いしたよ」

「ああ、あれはファインプレーだったな」

「ふん……私だってあれくらいできますよ」

 すこし照れているガイド。


「あ、でも……」

「ん? なにガイド?」

「……ライトニング・キモオタ・ストラッシュ? あのネーミングは……ちょっとキモすぎませんか??」

「……」


「いやいやガイド、あれはあえてダサいネーミングでネクロマンサーを油断させる木本君の高等戦術だろ?」

「……」


 一般人は僕のセンスについていけないようだ……


 僕らはネクロマンサーを倒した。

 これでサクラちゃんの呪いも解ける。

 やっと会えるね……サクラちゃん……

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