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マコトとジンと惣三郎とー2

「この刀はね、ジンくんの言うとおり、妖刀だよ。

 宮神の当主は代々この刀を封印してきたんだ。

 とは言っても、当主が変わるときに先代から古い巻物を見せられて、

『屋敷や蔵を、取り壊したり動かしたりしてはいけない。

 庭の木や池や灯籠の配置を大きく変えて、景観を崩すような事があってはならない。

 蔵にこんな刀がしまってある筈だけど、絶対に宮神家から出してはいけない』

 と、言いつけられるだけなんだよ。

 私も当主になったばかりの時、蔵を総浚いして探したんだが見つからなかった。

 実際、私は君たちが見つけるまで、ただの伝承だと思っていたくらいだ」


「やっぱ大切な物だったんすよね?折っちゃったの、マジですいませんでした。弁償とかいくらかかるかわかんないっすけど、用意を・・・」


 マコトが慌てて立ち上がり頭を下げる。


「いや!逆だよ!呪いの刀をぶっ壊してくれたんだ。感謝しかしてないよ!」


「やったのは、やはりアサヒさんでしょうね」


「マコトくん、ジンくん。

 私はね、三男だ。

 でも、宮神家の当主をやっている。

 宮神家の家系は、代々、短命の傾向があってね・・・。

 特に女の子は成人年齢まで生きられないって言われてきた。

 実際、幼い頃の綾子は病弱で、何度も病院に通っていたよ。

 だけど、ウチの綾子は幼稚園の頃から元気になって、もう24だ」


「・・・よろしければ一度お宅にお伺いして、霊視いたしますよ」


「そうだね。ぜひお願いしようか。

 なので私はアサヒくんに非常に感謝しているし、悪戯を思いついたマコトくんにも非常に感謝しているんだよ。

 で、私は何をしたらいい?」


 マコトはソファに沈みこんだ。


 ジンが引き継ぐ。


「あのマンションを今の所有者から買い上げてください。

 変な気まぐれでも起こされたらどうにもなりません。

 そして賃貸マンションのままにしてください。

 住民の移動に制限を設ける必要はありません。

 住民が引っ越したいなら普通に対応してあげてください。

 ただ退去させたり、関係者を送り込んだりするのはやめてください。

 外部からの圧力で環境を変えないことが必要です」


「わかった。任せておきなさい。すぐに動こう」


「おじさん、相場より少し高いくらいならいいけど、札束で殴ったらアウトっす。多分圧力って扱いになる。あと、アッちゃんには内緒っすよ」


「わ、わかっているよ。任せなさいってば」


 ******


 1ヶ月後、アサヒの元に「マンション管理会社変更のお知らせ」というハガキが届いた。

 不具合が起こった際の緊急連絡先の電話番号が変わっただけで、契約内容はそのままだった。

 とりあえず冷蔵庫にマグネットで貼り付けて、いつしか忘れた。

王道の『鈍感』属性『僕何かやっちゃいましたか?』系です。

幽的には無敵なのですが、リアルには無力です。

本人は恩恵を感じることが全く出来ません。

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