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再会ー2

 2杯目のハイボールを飲み干したマコトが店員を呼ぶ。


「俺はハイボールで・・・アッちゃんは?青リンゴサワー?あ、あと若鶏の半身揚げ2つお願いします」


「最近ダイエット始めたんだけど」

 すでに並べられた料理を見ながら、アサヒが苦笑した。


「そうなん?まぁちょーっと太ってるか。いやこのお腹はなかなかだな。でもこの店来たらコレ食べて欲しいんだよ。マジうまいから!」


 マコトがアサヒのお腹を叩く。


「でもそうだな。コンビニで見かけた時、3度見しちゃったよ。横にデカいしさ。似た顔の別人かもしれないとは思ったけど、声かけて良かったよ」


「マコっちゃんはすごいな。

 僕には真似できないよ。

 間違えたら気まずいし」


 しばらくするとマコトが注文した店の名物だという大きな鳥の唐揚げとドリンクが運ばれてきた。

 店員が食べ易くするため切り分けるか聞いてきたのでお願いする。


 きれいに切り分けられた唐揚げを噛み締めると、熱い肉汁が口内に広がった。

 濃いめのニンニク醤油が一口でも満足感を与えてくれて、すごく美味しい。


「そういえばダイちゃんは元気なの?

 ダイちゃん、ローソンのからあげクン好きだったよね」


 少しの罪悪感を抱きながら2個目の唐揚げを口にした時、ふと唐揚げ好きの友人を思い出した。


 ******


 小さい頃から可愛かったその友人は、地元の美少年としてちょっとした有名人だった。


 放課後、西野朝陽と今井誠、そしてダイこと宮神大介が3人で遊んでいると、よく女子高生たちから話しかけられた。


「おねえちゃん。ボク、お腹すいた。からあげクン食べたいな」

 上目遣いで大介がねだると、女子高生たちはなんでも買ってくれた。


 女子高生はからあげクンを食べる美少年を見ながら「可愛いー!」と騒ぎ、アサヒとマコトが『お友達の分』として買ってもらったアメリカンドッグのご相伴にあずかる姿は珍しい物ではなかった。


 マコトが遊びや悪戯を思いつき、大介が盛り上げる。アサヒが後ろをついていく。

 そんな3人だった。


 ******


「あのままだったら、ホストとか・・・いや無いかぁ。

 おばさんが絶対許さないだろうし。

 おじさんがやってる会社の一つも任されてたりするの?」


 宮神家はこの地方の名家で、いくつもの会社を経営し裕福なことでも有名だ。

 代々引き継いだ大きな平家のお屋敷に住んでいて、仲の良いアサヒとマコトは何度もお泊まり会もしていた。


 アサヒが笑いながら言葉を続けると、マコトの表情が固まった。


「ダイちゃんか。そっか。知らないのか」


 マコトはジョッキの半分ほどになったハイボールを一気に飲み干すと口を開いた。







「2年くらい前から行方不明」







「え?」


唐揚げにレモンはどちらでも構わないかな?

掛ける掛けない論争になるほどの人は、実際は見たこと無かったり。

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