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脱出

「参りましたね。

 これでも少しは出来る方だと思っていたのですが」


 最初に意識が戻ったアサヒが、倒れているマコトとジンを揺り起こすと、すぐに目を覚ました。


 部屋は元通りで、何一つ変わっていないように見えた。


 立ち上がるとベロベロに酔ったような状態で、満足に歩けなかった。


 お互いに支え合いながら、3人はマンションを出た。


 普段であれば5分で着くコンビニまで20分かかった。


 ひと気が恋しかったが1台の車も通らず、自動ドアの向こうに疲れた表情の茶髪の店員がいたのが、酷くありがたかった。


 コンビニの前でしゃがみ込んだジンは、ジョージアのエメラルドマウンテンに口をつけた。

 甘いコーヒーが、冷え切った身体に熱を与えてくれた。


「アサヒさん。

 理由はわかりませんが、アレはあなたを気に入っています。

 マコトさん。

 あなたもです。

 これを見てください」


 ダブルジャケットのポケットには、沢山の灰が詰まっていた。


「一番強力な符と守札が入っていました。

 私はこれを持っていて、何とか生きています。

 情けないことに気を抜くと今でも震えて来ます。

 あなた方に渡す前に遭遇しましたが、お二人は意識を失ったものの身体的な影響が全くありません。

 もし敵意や害意を持たれていたら、ここにいることはなかったでしょう。

 神の善悪を言うのもおかしいですが、アレは全くの善意です。

 本当にアサヒさんの疑問に答えてくれたのです」


 そのまま、ジャケットをコンビニの前のゴミ箱に突っ込んだ。


「アレが言っていましたが、我々の世界の神様に動いてもらうことは難しいでしょう。

 もし動いていただいた場合、それだけで、あちらの世界が壊れるかもしれません。

 それをきっかけに何が起こっても不思議ではありません。

 今は待つしかないのでしょう」


 マコトは黙ったまま、震える手でタバコに火をつけると大きく吸い込み、東の空に向かって大きく白い煙を吐き出した。


 その横で、アサヒが言った。


「不思議なんですが、僕、さっきのアレ、全然怖くなかったんです。

 だから、多分、大丈夫だと思います」

『ユウシャハ、ソウビヲ、ハカイサレテシマッタ!』

ということで、若干のダメージはありましたが、ほぼ無傷で生還しました。


ジャケット・・・勿体無いよぅ。

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