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サバゲーに行こうー3

「西野アサヒさん・・・実にいいお名前だ。

 西から登ったお日様が〜♪」


 ひとしきり歌ったあと、着替えてくると言い残し、ジンと名乗る男は立ち去った。


 マコトは、ジンジャーエールを持ったままのアサヒの肩を叩いた。


「俺が初めて会った時はレモネード渡されて、レモンさんて呼べって言われた。神職なのかはよくわからん。でも、あれで腕は確からしい」


 疑わしい目で自分を見るアサヒに対して、マコトは続けて言った。


「酒屋をやってると御神酒を頼まれる機会も多くてね。寺社仏閣はお得意様だから、少しは伝手があったんだよ。こちらの神主様に友人が怪異に悩まされていますって相談したんだ」


 ******


「彼は、とても良い青年ですから、ご心配なさらずとも大丈夫ですよ。

 安心してお任せください」


 先ほど案内してくれた神主様にお礼がてら食事のお誘いをしたところ、快く受け入れてくれた。

 近隣の食堂で4人で食事をとり、その場を辞した。




 2時間後、マコトの車はアサヒのマンションに到着していた。



「いやぁ・・・、素敵なお部屋ですね。」



 リビングの中央に、ユナイテッドトウキョウのダブルジャケットのセットアップに白いTシャツ姿のジンがいた。

 ライトブラウンのジャケットはクイックドライ素材で、真夏でも涼しそうだ。



 ジンは、呆気に取られたように呟いた。






「ここまで霊道ぶち抜かれた部屋なんて、滅多にないですよ」






「え?」


 アサヒは、ファンタジーは好きだが、お化けや幽霊などのオカルトが大の苦手だった。


 ******


 マコトは、こんな部屋すぐに引っ越すと騒ぐアサヒを宥めると何枚か書類を出した。


「知り合いの不動産屋に頼んだ。『おめでとうございます。事故物件です』ってやつだ。これまでに少なくとも3人は亡くなってるよ。そりゃ家賃安いよ。いや、もっと安くても良いね」


「でも、アサヒさんには全く影響がない。

 鈍感ここに極まれりってやつですね。

 よかったですね。あなたは立派な鈍感系主人公です」


 呆然とするアサヒにマコトが言った。


「4階の足音が聞こえるから、この部屋で騒ぐと2階の人の迷惑になるって言ってたけど、この部屋の上の部屋は1年前から空き部屋だ」




 ******


「霊道を塞ぐことは可能です。

 ですが、お話を伺う限り、大介さんがこの部屋に帰って来れるのは、この部屋が特殊な環境だからでしょう。

 他の部屋でアサヒさんがリングフィットをやっても意味がないようですし。

 条件とやらにも記載されていましたね」


 満面の笑みを浮かべるジンから、

「大丈夫!いかなる悪霊もあなたに影響を与えることは出来ません!」

 と謎の太鼓判を押されたアサヒは、炭酸の抜けたジンジャーエールに口をつけた。


 アサヒは気になっていたことをジンに尋ねた。


「ジンさんから日本の神様にお願いしてもらって、ダイちゃんを取り戻すことは出来ないんでしょうか?」


「どうでしょうね・・・、出来ないというわけではないのでしょうが・・・」






 ジンが悩んでいると、不意に寝室のスライドドアが開いた。

 いや、ドアが溶け落ちた。


 ジンは、咄嗟にアサヒとマコトの腕を引っ張ると、右手で3人の周りをぐるりと囲う円を描いた。

サバイバルゲーム、スタートです。

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