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友人 VS 不審者

 アサヒは、リビングの真ん中でいつもの様にスイッチの電源を入れた。

 ドライ素材のVネックシャツに、同じ素材の黒のショートパンツに着替えている。


 ゲームを開始して数分後、プレイヤーキャラクターとモンスターが遭遇し、バトルを開始した時変化が起こった。


 隣の寝室で、ドスンという音がした後、スライドドアが開いた。



 昨日と同じ、黒い革鎧を着た大介が立っていた。

 昨日と違う点は、ちゃんとG−SHOCKを着用していることか。

 なんとなく、ミスマッチだ。



 相変わらずの髭面ではあったが、アサヒは大介の顔色が良くないように思えた。


「ちゃんと・・・ちゃんと帰ってこれた」


 大介が、鎧の重みに耐えきれなくなったように、がっくりと膝をついた。


「ほ・・・本当にダイちゃんか?」


「マコトか?久しぶりだな」


 一瞬大介に駆け寄ろうとしたマコトは、少し間をとって立ち止まる。


「悪いけど、本人確認させてくれ。アッちゃんがダイちゃんちでぶっ壊した一番高いものはなんだ?」


「それか。日本刀だろ?蔵の一番奥にしまってあった古いやつ。

 小2?小3か?わかんねー。でもあれは3人でぶっ壊したんだ。アッちゃんだけのせいじゃねーよ。

 それより裏の池の石灯籠を蹴倒したのは、マコト、お前だ」


「ダイちゃん!!!」


 駆け寄りソファに大介を座らせるとマコトが話しかける。


「つうか良い年して勇者じゃねーだろ!みんな心配したんだぞ!なんだこの筋肉!すげーな!レスラーかよ」


 アサヒは二人を見ながら、少しでも時間を稼ぐためリングフィットをやり続けた。


「色々言いたいことはあるけど、飯と土産用意したから」


 大介はテーブルに並んだ料理を目にすると、何も言わずに食べ始めた。


「俺たちにはダイちゃんがどれだけ辛かったかはわからん。けど、できる限り協力する。そこのリュックサックに欲しがってた調味料とか食いもんとか入ってるから。料理は食い切れない分は持って帰ってくれ。リュックに俺が色々書き込んだノートが入ってるからそれは読んでおいてくれ」


「ありがとう・・・」


 大介は涙を流して頷いた。




「段ボール3箱は流石に持ちきれないよ。でもご飯はもらってく。

 あと、これ昨日持ってったノート。今わかっていることを書いたから。

 次は、来週の日曜日、今日と同じで19時でお願い。

 アッちゃん、マコト、ありがとう。またよろしくお願いします」


「来週来れるならヒゲ!剃ってこいよ!」

 マコトが笑って言った。


 結局、カレーとラーメンと牛丼を完食した大介は、2つのリュックサックを背負い、残った料理を入れた段ボールを抱きかかえながら、昨日と同じように消えていった。




 その場に残っていたのは、持ちきれず残された2箱の段ボールと、大介が残した1冊のノートと、白い小さなプラスチックケースだけだった。

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