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友人を招待しよう

 ひとしきり混乱したアサヒだが、自分だけでは何もできないことに気づき、マコトに電話をかけた。


「マコっちゃん?今大丈夫?

 悪いんだけど、これからウチ来れる?

 ・・・あぁ。うん。こないだ話したマンション。

 そう、あの国道のドラッグストア曲って入ったところ。

 ちょっと大至急なんだ」


 マコトが運転する白のアルファードがアサヒのマンションに到着したのは、30分後のことだった。


 *******


 玄関に置かれたアサヒのリーガルの革靴の横に、白黒のツートーン、俗にいうパンダカラーのダンクLOWが並んでいる。


「・・・結構広いね。この部屋。綺麗だし。あれ?まだ6月なのに冷房入れてる?ちょっと寒くない?でもマジで4万ちょいなの?」


 風呂上がりに急いで来たのか、少し濡れた髪で、着古した灰色のステューシーのカットソーに黒のハーフパンツ姿の服装のマコトは、部屋の温度が気になったのか、少し表情を曇らせた。


「あぁ、ごめん。リングフィットやると暑くて。

 エアコン切るの忘れてたよ」


 ノロノロとエアコンのリモコンに手を伸ばすアサヒ。


「で、何があったの?つーかこれなに?キャンプ用の鉈にも見えないし、多分警察に捕まるやつじゃん。銃刀法違反ってやつ。ガチじゃん。こっわ!」


 マコトは、テーブルに乗せられたショートソードを指差した。


「やっぱり見えてるよね。

 これ。

 ショートソードだって。

 あと、この動画見て」


 アサヒのスマホを見たマコトは、絶句した。


 ******


「CG・・・とかじゃないんだよな。髭面でわかりにくいけど。アッちゃんはダイちゃんと引っ越してから会ってないって言ってたし」


「信じられないでしょ?

 僕も信じられないよ」


「悪い。ベランダ借りてタバコいいかな?考えまとめたい」


「あ、うん。

 僕タバコ吸わないから灰皿ないけど」


「携帯灰皿持ってるから」


 一通り説明を受けたマコトは、アサヒに断るとベランダに出てタバコに火をつけた。

 今時珍しく紙巻きの赤いパッケージのマルボロだった。


 マンション前の道路が街灯に照らされている。

 その道路をを1台の青い車が通り過ぎる。


 マコトが吐き出した白い煙が月明かりを浴びながら空に登っていった。



「ダイちゃん、生きてたんだ・・・良かった・・・でもなんで今になって?」



 大きくタバコを吸い込むと、先ほどの動画に何か違和感があったことに気がついた。


 そのまま、タバコが灰になるのをじっと見つめた。


 室内に入るとスマホを見直すアサヒに声をかける。


「ダイちゃん、土足で歩き回ってたけど床汚れなかったの?掃除した?それと、ダイちゃん結構汚い感じだったけど匂いとかどうだった?」


「え?

 いや、掃除なんてしてないよ。

 本当だ。

 全然気づかなかった。

 匂いもしてないと思う。

 クサイとか思わなかったし」


「そっか・・・もうちょっと考えまとめる。明日もダイちゃん来るんでしょ?俺も一緒に会うよ。おばさんたちに連絡するのはちょっと待って。多分信じてもらえない」


「わかった。

 僕も冷静になりたいし、来てくれると助かるよ」


「とりあえず今日は俺帰るよ。用意するものもあるし。アッちゃんはとりあえずその汗だくのシャツ着替えるなり風呂入るなりした方がいい。また明日連絡する」


 アサヒはビショビショのTシャツに短パンのままだったことに今更気づいたが、乾いた笑いしか出なかった。


 こうして勇者の初めての帰還の夜は過ぎていった。

『ちょっと大至急』

いやどっちだよ!

混乱中なんです。ご容赦ください。

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