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序章:ペンタの冒険者時代50

序章-80 魔神の迷宮へ



「………ということが、あったらしい」


ジャネットに関しての、ロビンソンさんの話が終わった。オルグに騙されて、ダルクス男爵家が破産したこと、男爵家の領地であった場所の民は、重税にあえいでいること、ジャネットが心に傷を負ったことが聞かされた。


「まあ、そんなわけで、ジャネットは少々不愛想でな。あと、意見を聞いても”自分の意見など価値はないでしょう”とかいうだろうけど、気長に付き合ってやってくれ」

「俺は別に構いませんが、デネヴァとウルディアーナ達との関係次第ですね。仲間たちと仲良くできないなら、さすがにパーティは組めませんよ」


と、そういって俺は肩をすくめる。


「まあ、それはそうか……ジャネットも、女性相手なら多少はマシな態度をとるし、うまくやってりゃいいんだがな」


ロビンソンは、心配そうな顔を見せる。中年カウボーイにとって、ジャネットは娘のように思っているようだ。

ひとまず、話を終えた俺とロビンソンさんは、女性たちがどんな様子でいるのか、見に行くことにした。



「これで、5匹目ねー」

「………あの、これはどういう試練なのでしょうか」


となりの部屋で話をしている女性陣の様子を見に行ってみると、棒立ちのジャネットに、ウルディアーナがケットシーを乗せていた。

ケットシーたちは、全員小柄とはいえ、一匹ごとに人間の子供くらいの重さはある。

それを山盛りに乗せられているが、ジャネットは鍛えているようで、小揺るぎもしていない。


「うちはケットシー達がたくさんいるからねー。猫が苦手かどうか、ためしているのよ」

「なるほど、そういうことでしたか」

「というわけで、6匹目ね」


デコレーションツリーよろしく、ケットシーに乗られて飾り付けられたジャネット。

それを見て、ロビンソンさんは、うんうんとうなづいた。


「どうやら、仲良くやれそうだな……」


なんだかんだで、デネヴァもウルディアーナも、ジャネットを気に入っているようだし、このままパーティを組んで、魔神のダンジョンに向かうことにした。



ロバルティアから、魔神のダンジョンまで乗合馬車が出ており、俺たちはそれを利用することにした。

自前の馬車で魔神のダンジョンに向かうことも考えたが、ダンジョン付近に馬車を止める場所があるか分からないし、ひとまずは乗合馬車を利用することにしたのである。


ダンジョンと都市を往復する乗合馬車には、今回は俺たち以外は乗っていない。

他者に気兼ねする必要もない状況であったので、馬車に乗っている間に、ダンジョンでのフォーメーションの確認を行った。


「とりあえず、ジャネットは俺の次に前方で。デネヴァとウルディアーナを護れるように立ちまわってくれ」


フォーメーションはこんな感じだ。


【前方】 

俺+ケットシー達……索敵と探索、最前列での遊撃を行う

ジャネット……デネヴァとウルディアーナの盾として行動。後方に異常があったら後方へ

デネヴァ……中央で行動。状況に応じて魔法を使う

ウルディアーナ……中央後列から弓を使う。後方での異常は、ジャネットが来るまで抑える。

ケットシー達……後方に異常がないか、確認する

【後方】


今までよりも、俺やウルディアーナの負担も少なく、安定して行動できると思うのだが……


「ジャネットは、どう思う? 何か意見があれば……」

「いえ、特にはありません」


と、ジャネットに聞くが、そっけない対応。これで問題ないのか、ロビンソンさんが言う、”私の意見など”というやつなのかは分からない。

デネヴァとウルディアーナにも聞くが、特に問題もないと二人ともいったので、ひとまず、この隊列で、ダンジョンに潜ることにした。



そうして、馬車に揺られてしばし、魔神の迷宮の入り口らしい場所に到達した。

迷宮は、洞穴のような入口であり、そこには小さな小屋があり、休憩できる場所のようであった。


「これが、魔神の迷宮か……まさにダンジョンって感じね」


興味深げに、周辺を見渡すウルディアーナ。デネヴァも同様に周囲を見渡し、入り口の近くにある、祭壇と魔法陣に目がいったようだ。


「あれは、なにかしら?」

「多分あれは、転移ポータル、かな?」

「知ってるの、ペンタ?」


小首をかしげるデネヴァに、俺は物語の中にある、転移ポータルについて説明した。


転移ポータルは、いわゆるワープポイントであり、ワープするには、行きたい場所の素材を祭壇に置き、魔力を込めることで魔法陣上の物質をワープする。

例えば、このダンジョン入り口の近くにある石でも、なんでもいいので、持っていき、ダンジョン内の転移ポータルで入り口の素材をささげて魔力を込めることで、入り口にワープできるのだ。


「ふうん、便利な代物なのね。じゃあ、そこらの石でも集めましょうか」

「そうだな。集めたものは、俺がアイテムボックスに入れておくから、みんなで少し集めよう」


そうして、近辺の石や木の葉を集める俺たち。その間に、ダンジョンに入っていくパーティたちもいて、怪訝な顔をされたが、それをスルーして素材を集めた。

また、石や木の葉などを取り出すときに、判別するのが面倒そうなので、小袋の中にまとめて入れ、それに”入り口前”と書いて収納することにした。

今後も、転移ポータルを見つけたら、同じように素材をまとめていこうと思う。


ダンジョンに入る前に、ひと手間がかかったが、俺たちは改めて、魔神のダンジョンの序盤、【土塊の階層】の攻略を始めるのであった。

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