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序章:ペンタの冒険者時代31

序章-60 王都近くの街道~王都入り


都市・タルカンから出立した俺たちは、いくつかの貴族の領土を抜けて、王都であるロームリスの近郊にいる。

盗賊やモンスターたちと戦ったり、いくつかの小事件を解決したりと、それなりに波乱のある旅路であったが、特に脱落する者もなく、王都にたどり着こうとしていた。


王都近辺で盗賊行為をやらかす度胸のある、---または無謀な---者はさすがにいないのか、街道は平和であり、多くの馬車が通り、すれ違っていく。

ケットシーがたくさん乗る馬車が目立つのか、すれ違う馬車からは、子供たちが楽しそうに手を振り、ケットシー達も手を振り返す光景があった。


王都に向かう馬車の流れに沿って、俺たちも進んでいくと、遠目にも見える、白亜の城と城下町を囲んでいる城壁が姿を見せた。


「あれが王都か………」


なんだかんだで、冒険者として活動しているが、王都に寄ったことはなかったので、今回はお上りさんよろしく、観光のような気持ちで遠目に見る王都を眺めている。

城壁には東西南北の巨大な門があり、そこで王都への出入りの手続きが行われているようだ。


順番に並んでいる馬車の列に沿って、手続きの列に並ぶ。俺たちの番となり、少々、居丈高な兵士に質問を受けることになったが、俺が男爵位を持っていることをしり、態度が大きく変わった。


「こ、これは男爵様であらせられましたか……失礼いたしました! 貴族位で男爵以上の方々は、貴族様用の別門がありますので、今後はそちらをご利用ください」

「なるほど、そんなものがあったのか。ありがとう。他に何か、注意をすることはあるかな?」

「そうですね。王都を出歩く際は、立場の分かる家紋付の品などを持ち歩くべきかと思います。思った以上に、上下意識の強い場所なので、ご注意ください」


都市・タルカンでも貴族の住む場所と、それ以外とで何となく区分けはされていたが、ここではさらに顕著らしい。

身分のある者や、それに仕える者たちにとっては住みやすいかもしれないが、何となく窮屈な場所かもしれなかった。


そんなわけで、門番にお礼を言うと、俺たちは馬車を進めて王都に入った。

王都は、中央にある王城を中心に、放射状に街並みが広がっており、城に近いほど、身分の高い貴族たちの邸宅が立ち並ぶ。逆に、城壁近くには平民たちの住処が多くたっており、一部ではスラム化しているところもあるようだ。

俺たちは、それらの中間点、貴族寄りの場所に店を開いている、宿屋に馬車を止めることにした。


貴族用の宿として店を出しているそこは、料金はそれなりに高いが、馬車を止める小屋や、貴族同士で会合するサロン、いつでも入れる浴室など、設備の整った宿である。あと、ケットシーもペット扱いであるが、宿泊が可能であったところが大きい。


「それでは、ごゆっくりおくつろぎください」


やり手の、老婆である女将に案内され、部屋に通された。俺とデネヴァ、ウルディアーナを交互に見て、ニコニコと笑みを浮かべると、


「今夜は、性の付くものをたっぷりご用意いたします」


といって、さっさと出て行ってしまった。デネヴァもウルディアーナも美人だし、嫁か愛人だと勘違いされたのか、気まずい。

が、そう思ったのは俺だけであったようで。デネヴァは旅の疲れなのか、ベッドにさっさと横になり、ウルディアーナは窓を開けると、外に見える風景に物珍しげに目を細めている。


「こんなに多くの家を作るなんて、人間はすごいことをするわね」

「王都を含め、周辺は何もない平原だからな。そこに人や物が集まって、一大都市を築き上げたんだ。当時の熱気はすごかっただろうな」


ウルディアーナの言葉に応じながら、俺も窓辺による。通りに面した宿からは、下の道では人が歩いて流れていくのが見え、遠くには城があり、周辺には貴族の館もあり、一枚の絵のような風景であった。


「………さて、少し休んだら、俺は出かけることになるけど、デネヴァとウルディアーナはどうするんだ?」


宿を決めた後は、俺は宿を出て、王都のいくつかの場所を回っていくつもりだ。

一つは、王都にある公爵家の別邸。俺たちが無事に王都についたのを知らせるのとともに、ここまでの旅路で危なそうな道などを記した手紙を託すためである。


もう一つは、冒険者ギルドであり、そこでは魔神のダンジョンに潜る、新規メンバーをさがしてみるつもりだ。

新規メンバーについては、王都に向かう間に、デネヴァやウルディアーナと相談して、良い人材がいたら声をかけるようにしようと、決定していた。

パーティメンバーは今のところ、俺、デネヴァ、ウルディアーナとケットシー達。新規で入ったウルディアーナは、弓の達人であり、場合によっては刺突剣で戦うこともできる。

俺たちのパーティは、魔法や弓の使い手が多く、遠距離戦は得意な反面、盾持ちのケットシー、テツロウは小さい猫だし、それ以外もみな、小柄なメンバーだ。

魔神のダンジョンに潜るにあたり、パーティを安定させるための壁役……できれば筋肉ムキムキなマッチョマンがいれば良いかなと思っているのだ。


そうそう都合の良い人材がいるかは分からないが、王都にある冒険者ギルドに顔を出して、メンバー探しをしてみようと思う。


あとは、王都をぶらぶら回って観光するのも良いだろう。そんなわけで、二人に声をかけたわけだが、


「つかれたし、今日はこのまま寝てるわ」


と、デネヴァは返答し、


「私は、もう少しこの風景を見ていることにするわ」


と、ウルディアーナは窓辺から見える、王都の風景を楽しそうに見つめていた。



そんなわけで、俺は一人……いや、ケットシーの一匹、サスケとともに、王都に出てあちこちを回ることにしたのであった。


「お供いたしますニャ!」

「ああ、よろしくたのむぞ」


他のケットシーたちは留守番をして、デネヴァやウルディアーナの護衛につくようだ。

サスケとともに、俺はまずは、公爵家の別邸に向かうことにしたのであった……。

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