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序章:ペンタの冒険者時代14


序章-30 カーペンタ・パウロニア男爵となり、騎士団長家族に色々と学ぶ。


そんなわけで、正式に新しい男爵家を興すことになった俺。

とはいえ、領地を持つ男爵家でなく、公爵様に使えて給料をいただくという形式で、貴族となった。

貴族となったからには、礼儀作法や、マナー、ルールなどを知らねばならず、その勉強として、騎士団長のギルフォード氏のところで、色々と学ばせてもらうことになった。

騎士団長は、ギルフォード子爵という貴族籍もあり、彼の奥さんに色々と教えてもらうということで、子爵家に訪問することになった。

なお、今回は俺とデネヴァ、ケットシー達もそろってお邪魔することになっている。


子爵家は、公爵の館に比べればさすがに大きさでは負けるが、塀に囲まれたかなりの広さの邸宅を持ち、多くの使用人を抱えている。


「おお、ペンタ殿、よく来てくれた!」

「夫から聞いております。今日はよろしくお願いいたしますね」


と、夫婦で出迎えてくれた、騎士団長とその奥さん。奥さんは才媛で、貴族のルールやマナー、礼儀作法を教えてくれるようだ。

なお、夫婦のかたわらには、二人の少女がいて、一人は、その水色の髪に見覚えが。


「マリー様? なんでここに……」

「私は、デネヴァ様に魔法を教わりに来たのです」


俺の問いに、プイっと横を向くマリー嬢。俺と話すときは、どうしても目線を合わせようとしないし、これは嫌われているのかもしれない。

そんなことを考えていると、もう一人の少女……こちらは、スカートではなく長ズボンを履いた、闊達そうな少女が、俺に挑むような目を向けてきた。


「私は、セレスティア・ギルフォード! 父様から聞いているぞ! お前には負けないからな!」


などと、宣戦布告をしてくるセレスティアという少女。灰色の髪をひと房三つ編みにしてサイドに垂らした、勝気な様相の美少女である。

物語では、騎士団長の敵を討つために、剣の道にまい進する少女であり、魔人討伐のメンバーの一員。マリー嬢と同い歳であったはずだ。


「はっはっは、元気でよろしい! それでは、わが愛しの妻よ。まずは勉強の方を頼むぞ!」

「ええ、お任せくださいな。あなた様」


予定では、騎士団長の奥さんに勉強を学んだあと、休憩をはさんで、騎士団長から、騎士の心得や作法、また、実際に剣を交えての訓練を受ける予定であった。


「それでは、お願いします。デネヴァ様」

「ええ、よろしく。まずは簡単な確認からしましょうか」


マリー嬢は、デネヴァとともに別行動。俺は騎士団長の奥さんと……セレスティアという少女と一緒に勉強をするようであった。



序章-31 カーペンタ・パウロニア男爵となり、騎士団長家族に色々と学ぶ。2


「それでは、ペンタ殿には、まずどの程度の学力があるのか、また、潜在的なマナーがどの程度あるのかなどをテストさせていただきます」


子爵家の屋敷内。複数のいすや机が用意された部屋で、騎士団長の奥さんから、俺はぶっつけ本番でいきなりテストを受けさせられることになった。


「読み書きなどはできると、旦那様から聞いておりますが……まずはどの程度の学力があるのか、知らなければ教えられませんので」

「それは、そうですね。それじゃあお願いします」


俺は、机の前に座り、テスト用紙の束を受け取る。なお、隣の席にはセレスティアがすわり、一緒にテストを受けるようであった。


「ふん、私は数年前からみっちり、お母さまからの教育を受けているのだ。お前には負けないっ!」


と、なぜかドヤ顔で言ってくる、セレスティア。彼女がなぜ、ライバル意識をこちらに向けてきているかはわからないが……まずは、テストに集中するとしよう。




「………驚きましたね。経済や歴史、その他にも様々な分野に分かれたテストでしたが、どれも高得点ですね。それに、礼儀作法の部分も、一種独特な考えがありますが、それを踏まえても、悪くはありません」

「ぐぬぬぬ~……」


俺が出した答案をチェックした、奥さんの採点を聞いてセレスティアは悔しそうな顔をしてうなる。

事前に、教師になるために勉強したことが役になったが、礼儀作法については、日本式の礼を当てはめても通じるところがあったらしい。日本の義務業育、すごいね。


「なんでそんなに高得点なんだ! ずるしたな! ずるしたんだろ!」

「いや、もともと教師になるために勉強していたからな。セレスティアは、まだ小さいんだし、俺くらいの年齢になれば出来るようになるさ」


むがー! と叫びをあげるセレスティアに、俺はそう返す。


「ペンタ殿には、想定よりも質の高い教育を施しても大丈夫そうですね……それに引き換え、セレス、この前教えたところも間違えていますよ」

「うぬぬぬぬぬ! こ、こんなはずじゃ……!」


その後、改めての授業で、色々なことを教わることになり、さらに知識レベルが上がったような……きがする。


「ふ、ふん! 騎士の家系で重要なのは、腕っぷしだもん! そっちなら負けないからな!」

「セレス~、ペンタ殿にかみついていないで、復習問題をきちんと解きなさい!」


そんな風に、若干へっぽこなセレスティアという少女とともに、勉強の時間は過ぎていくのであった。

【セレスティア・ギルフォード】物語の主要人物、聖女の剣と称される剣士


騎士団長である父を殺されたことにより、母親も倒れ、復讐のために剣を振る。

獣人の四天王が原因と知り、極度の獣人嫌いになる。



騎士団長である父は健在。厳しくも優しい母にしつけられつつ、のびのびと育つ。

大の仲良しであるマリーがペンタを気にしていることを知り、ライバル意識を持つ。

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