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序章:ペンタの冒険者時代9


序章-23 素材を探して東奔西走


将来を見越してという考えで、ドワーフたちとともに魔法の武器の政策に取り掛かった俺たち。

といっても、実際に武器を作るという点に関しては、本職であるドワーフの足元にも及ばないので、デザインやら製造やらは色々と丸投げ。

こっちのすべきことは、彼らがやる気を出すような酒を探し出して来たり、やる気を出すような魔物などから出る素材を探し出してくることである。


そんなわけで、孤児院での教師役をする一方、冒険者としてあちこちに足を向け、凄そうな鉱石とか、凄そうな魔物をゲットしては、ドワーフの集落に持ち込むということを繰り返していた。


「本当に、男子って魔法の武器とか好きよねぇ……」


などと、あきれたようにため息をつくデネヴァであるが、ケットシーたちとともに協力してくれるのはありがたかった。

そうして、国内にあるダンジョンを巡ったり、強大な魔物のうわさを聞けば、素材を得るために狩りに行ったりして、2年ほどが経過したのである。


--------------------------------


カーペンタ:ロウ


LV:30


HP288/288

MP222/222


スキル:


【剣術】【小太刀術】【双剣術】【槌術】【盾術】【槍術】【投擲術】

【夜目】【忍びあし】【格闘術】【斥侯術】【罠作成】【空間魔法】

【火魔法】【水魔法】【土魔法】【風魔法】【聖魔法】【闇魔法】

【調理師】【清掃技師】【なめなめ回復】【陣地構築】


【数学者】【歴史学者】【政治学者】【兵法家】【魔導理論家】

【ドワーフ言語取得】【エルフ言語取得】


【鉱石学者】【植物学者】【大物食い】

--------------------------------


素材を集めて奔走するなか、またいくつかスキルが増えた。

【鉱石学者】【植物学者】は、良さそうな素材を選別しているときに獲得し、【大物食い】は一つ目巨人、岩石飛竜、迅雷虎、死霊騎士等を撃破していたら、いつの間にか手に入っていた。

この【大物食い】のスキルは、一定以上の強さの敵と対峙したとき、能力値が相手に比例して上昇するというしろもので、これのおかげで討伐できた魔物も多く、今後もお世話になりそうなスキルであった。


そうこうしているうちに、俺が持ち込んだ素材と、初期に渡した草案の中から、試作品と呼べる武器が開発されてきた。もっとも、最初期には大した出来栄えでもなく、そこから時間をかけて、ようやくいくつかの完成品と呼べるものができたのが、俺が16歳になる頃であった。



序章-24 遭遇


その日、俺たちはドワーフの集落に立ち寄り、ようやく出来た完成品をもって、都市に向かっていた。


「随分と嬉しそうですニャ」

「そう見えるか?」


ケットシーたちに指摘されるように、俺の気分は上々であった。くだんの完成品の武具は数点、アイテムボックス内に収まっている。どれも魔法の力をまとうことが出来る武器であり、苦労して集めた素材から出来たということもあり、まるで宝物のように思えていたのである。

なお、ドワーフたちはそれで満足せず、さらなる性能の武器を作るとのことであった。


俺としては、当初の目的である魔法の武具を手に入れれたので、今後はほどほどに彼らに協力しつつ、王立学園の教師になるように、何か手柄を立てていかないとな。などと思っていた。

そうして、ドワーフの集落から、都市・タルカンに戻っている旅路の最中である。


「大変ですニャ! 前の方でなんか強そうな魔物が暴れているみたいですニャ!!」


時々、前方に偵察にいく、黒猫のサスケが慌てた様子で前方から走ってきたのであった。


「強そうな魔物? ともかく、状況はどんな感じ?」

「は、はいですニャ! 前で立派な馬車と馬車と強そうな騎士の人たちとかが、凄く強そうな獣人の魔物と戦ってますニャ!」


デネヴァの問いに、サスケが答える。


「でも、魔物の方がめちゃくちゃ強いみたいで、騎士たちが押されているみたいですニャ! ここから先は危険ですニャ!」

「なるほど……正直、関わり合いになるより、迂回した方がいいと思うけど……」


そういって、デネヴァが俺を見る。普段の俺だったら、そこで慎重に迂回することも考えたかもしれない。だが、


「はっはっは。何を言っているんだ、デネヴァ。これはいい機会じゃないか。俺の作った武器の試し斬りにちょうど良い相手がでたってことだろう!」


いささかハイになっていた俺は、


「それじゃあ、いくぞー! みんなついてこい!」

「ニャニャ、ニャニャニャニャ!? 良いんですかニャ!? デネヴァ様……」

「はぁ……あれじゃあ止めようがないわ。ともかく、無茶させないようについていきましょ」


そうして、戦闘が行われているらしい、前方に向かって駆け出した俺たち。



俺たちがその場にたどり着く前に、戦闘はあらかた決着がついていたようだ。

馬車は大破し、多くの騎士は地に伏せており、ただ一人残った大柄な騎士が、一人の少女を背にかばい、大きな獣人の姿をした魔物と対峙していた。


「くっ、おのれ面妖な……」

「がっはっは! そのような武器では、魔人四天王の一人、このジャガール様には傷一つ付けられぬぞ!」


そういって、騎士を蹴り飛ばす獣人。そうして、少女に向かい、爪の付いたこぶしを振り上げるのが遠目に見えた。


「テツロウ、いってこい!」


とっさに、俺は近くにいたマダラ猫のテツロウを、魔物に向かって投げつけた!


「無茶しないでニャァァァ!!」

「ぬっ!?」


盾持ちのテツロウの体当たりで、体勢を崩すジャガール。しかし、そのこぶしは振り下ろされ、血が舞った。

その場に駆け寄ると、そこには質の良いドレスを身にまとった、水色の髪をした少女がいた。

シャガールの攻撃が掠めたのか、その頬に引っかき傷のようなものができて、血が流れだしていた。


「もう大丈夫だ! あとは俺たちに任せろ!」

「あ、貴方たちは……?」


戸惑う少女を背にかばい、俺は獣人に相対する。


「ふん、新手かと思えば、子供に猫とは、随分と貧弱だな」


シャガールという名の魔物は、助けに駆け付けた俺たちを見渡すと、あきれたようにフンと鼻を鳴らしたのであった。

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