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3人はダンジョンの中央にある木に向かう

そこには高さ1メートル程の若木が生えていた



「これが話していた木ね やっぱり見ただけじゃわからないわね」



ソエルはエルフの中で植物の知識は1、2を争う程だと自負している

大抵の草木は見ただけでわかるのだが この木に限っては例外だった


異世界である地上の植物ならまだしも目の前にある木はダンジョンで成長している

すなわちダンジョン由来のもので間違いない


更にいうと種はエルフの国で拾ったものだという

ソエルは国内をはじめ ダンジョンに自生している植物なら目にしているはずなのだが思い当たるものがなかった



「この木の魔力を見てみるわね」



見てわからないなら他の方法を使えばいい

ソエルは木に触れ 魔力の流れを調べることにした


ダンジョンの草木は多少なりとも魔力を帯びていて それを調べることで特性などをある程度把握することが出来るのだ




ソエルが木に触れて数分



(もしかして この木は…)



「推測だけど この木は世界樹かもしれないわ」





・世界樹



エルフたちにとって神樹として祭られている木

エルフの国は世界樹を囲むように作られている


世界樹はそこに存在するだけで周囲を結界で包み

空間を浄化し 邪気を払う特性がある


結界はエルフの国を覆っていて外敵から守護していた


世界樹に近づけるのは女王や巫女といった一部のものだけだった


世界樹に選ばれたものが近くにいることを許されていた




「世界樹かもって そんな事あり得るのお母さん」


「確信はないのだけど多分ね

昔一度だけ世界樹の側に行ける機会があったの

その時感じた魔力と似ている気がするの」


「お母さん世界樹の近くに行ったことあるんだ いいなぁ」


「ソフィアもいつか機会があるかもしれないわね

ユート この木の種はどの辺りで拾ったのかしら?」


「確か宮殿に行ったときだったと思います

その時散策してた時 大きな木の近くで拾いました」


「宮殿の近くならありえるわね おそらく世界樹で間違いないでしょう」


「それじゃあユートが食べた果実って 世界樹の果実ってこと!?」


「世界樹の果実を食べた!?ユートどういうことなの?」


「種の近くに落ちてたんです 食べられそうだったので食べました

とってもおいしかったですよ」


「世界樹がユートを呼んだってことかしら…

それならこの状況にも合点がいくわ」





ユートから話を聞いたソエルはこの木が世界樹だと確信した

おそらく世界が分断される事態を予期した世界樹がユートに種を託したのだろう


何故ユートが選ばれたのかわからないがそれは些細なことで

これからのことを考えることが重要だ


まずここに世界樹があることはまだ報告しないことにした


この木はまだ目覚めておらず 成長を待つ必要がある

最低でも結界が出来るまでは秘密にして守らなければならない


世界樹を利用しようとするものや仇なすものが現れるかもしれないからだ


念の為こちら側に残されたエルフを呼ぶ準備もしなければ

今後彼女たちにも危険が迫る可能性があるからだ


幸いこちら側に来ていたエルフのほとんどはソエルの元部下ばかりなので声を掛ければ応じるだろう




「ユート ソフィア 世界樹のことなんだけどしばらくの間は秘密するわ

少なくとも結界が出来る迄は決して外に漏らさないようにね」


「そうですね面倒なことになりそうですしね

了解です

他の人は来ないですよね?」


「私とソフィア以外は近づけないようにしておくわ

ソフィアもいいわね」


「わかったわ」






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