~奈良時代の結婚システム、理想的!~
奈良時代の別居のままの通い婚スタイルは男だけでなく女からも通えたといい、しかもどちらかが嫌になるとそのカップルは離縁となり、次へ、さらにその気楽さと自由さに加えて子どもが出来たときには育児は周りの人々の協力が当たり前。
キキョウには奈良時代の結婚システムは女の子にとってこの上なく安心で、結婚相手次第で自分の一生や子どもの教育環境がすっかり変わってしまう賭けのような現代の日本の結婚よりずっと良く思えた。
今朝の父の作る朝食は、キキョウがずっと前からリクエストしていたパンケーキを焼いてくれていた。
’昨日は奈良時代のことさ、面白かったよ、ありがと‘
‘ああ、あのね、同期は何人もいるんだけどパパは政界に身を置いたことはなくてさ、あまり突っ込んだことは知らないわけだけど、政治の世界も研究の世界と同じように能力や信念だけでは上に認めてもらえないと思うよ。’
’何の話?上って?‘
‘世の中の組織の話さ、組織の中では、下は上の奴隷なのさ’
’いつの時代のこと?‘
‘今だよ、今。組織内ではね、「根回し」とか「要領のよさ」や、そのうち嘘さえ上手についてさ、「うまくアピールする」ようになるとそこそこ功を奏すのさ’
’なにそれ、ドラマとか映画?仕事ってさ、何のためにやるものなの?‘
‘キキョウはホントに鋭いねぇ、組織で働く大人はそんなことも忘れちゃうんだよ’
’女の人もまさかそんな感じ?‘
‘もちろんだよ、上に取り入るのが上手で男のプライドを傷つけない程度の控えめな実力にとどめる女性こそが、うま~く目立つポジションに就くもんなんだ’
‘闇で必死すぎて、キモいわ’
父が言っていた政治とか組織とかの世界に生きる女も恋愛してるのだろうか、ちょっと体験してみたいな、と思ったキキョウの今夜の体験先?はもう決まりそうだった。
キキョウの公民の教科書に明治24年頃の若い着物姿の女がどこかの仕事場のビルの玄関を出ていくような小さい写真が載っていたので、今夜は派手な花柄の着物に日傘を持っているこの娘になることに決めた。
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明治23年、時代は、月公布の「集会及政社法」で女性の政治活動を禁止してしまった。女子は政談演説を聴きに行くことも禁じられ、戸外で三人以上集まる時は警察に届けなければならなくなっていた。
’キキョウ’
‘?’
’もう帰るの?常務が銀座に行かれるから、荷物をお持ちして、一緒に…‘
‘え?荷物?’
’はい!しか言わなくていいよ‘
‘あー、はい…’
’あー、とか言うなよ、部長様‘
‘は…?’
キキョウより後にビルから出てきたメタボにお腹がでた白髪の年寄りが口角を下げて不機嫌そうにキキョウに無遠慮に重い鞄を渡してきた。
‘ハイこれ、落とすなよ’
’重っ‘
‘黙って持て’
’…!‘
‘車を呼びなさい’
’はい?‘
‘君じゃない、彼に車を頼んであるのだ…’
’?‘
‘妻に頼まれて菓子を買いにな’
’ワタシもですか?‘
‘車が来たらすぐに乗りなさい’
’はい…‘
‘ほれ!先に乗れ’
そう良いながら常務と呼ばれる男は両手のひらでキキョウの両方のお尻を後ろから撫で上げた。
’え?‘
‘おい、荷物を落とすな’
’は?‘
‘なんで今日だけ大袈裟に反応するのだ’
’え?‘
‘銀座の店に着くまでいつものように乳揉みで行くぞ’
’いえ、大丈夫ですので‘
‘当たり前だ’
重い大きな鞄を膝の上に乗せて支えていると、太く短い腕が後ろからキキョウの肩に回って反対の分厚い大きい手が乳房をわし掴みにして揉んでくる。
何なんだろう、このシテュエーションは…!
鞄が重すぎるのと肩を抱かれている男の片腕が力強過ぎてキキョウは全く身体が動かせず、逃げることも出来なくて、大声を張り上げようとしたが声が出ない。
男は自分の手をキキョウから決して離すことなく、左から右に乳房を換えながらまだ揉んでくる。
我慢の限界がきて、キキョウは声が出なくても何度も叫んでいた。
’変態!やめろ~っ!‘