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世界最強の憑魔術師に覚醒したので第二の人生を楽しみます!  作者: 雉子鳥幸太郎
二章

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討伐の裏で

 ――MERRILL(メリル・) TRIAD(トライアド)日本支部


「レベルS……? それは確かなのか⁉」

 立ち上がった泉堂が片眉を上げ、報告に来た若い事務員に鋭い眼を向ける。


「あ、は、はいっ! 先ほど、黒田さんから連絡がありまして……スナイダー氏が証人だと言っておりました」


「……スナイダー?」

 そう呟いて腰を下ろすと、

「もういい、下がっていいぞ」と手を向けた。


「はい、では失礼します……」


 事務員が部屋を後にすると、泉堂はスマホを手に取り、画面をタップした。


「ああ、ご無沙汰しております、メリルトライアドの泉堂です」


 席を立ち、備え付けのワインクーラーから白ワインを取り出し、グラスに注ぐ。

 スマホの向こうから、聞き取りやすい穏やかな声が聞こえた。


『これはこれは、一瞬、耳を疑いましたよ。大手クランの支部長さんが、私に何かご用でしょうか?』

「ふふ……相変わらずですね、斑鳩さん。今日は良い話を持って来ました」


『監視課に戻りたくなった……、という訳ではなさそうだね』

「……ええ、残念ながら」

 そう答えて、ワインに口を付ける。


「金曜会とクレディワイズに動きがあるのはご存知ですか?」

『ああ、合同で討伐に当たっていると聞いている』


「では、それがレベルSだと言うことも?」

『……確証はあるのか?』

 斑鳩の声が低くなった。


「今まで、私が確証のない事を報告したことがありましたか?」

『ははは、そうだったな、随分と昔のことで忘れていたよ。で……礼は何が良いのかな?』


「はい、現在メリルが討伐権利を持つポータルを、いくつか引き取っていただけませんか?」

『なるほど……そろそろギルティとは潮時というわけだね?』


「ええ、そのように考えています」

『……いいだろう、管理局案件として処理する。ああ、それと……私に連絡してきたという事は、もう向こうに君の部下がいるんだろう? なら、処理課を手伝うように言っておいてくれないか?』

「わかりました、では、これで……」

『泉堂』

 斑鳩が通話を切ろうとした泉堂を呼び止めた。


「何か?」

『乾とは話したか?』

「……いえ、彼と話すことはありません、では」


 通話を切り、泉堂はグラスに残ったワインを飲み干した。


 *


 監視課長室の扉が開く。

 勢いよく出て来た斑鳩が、職員に向かって声を上げた。


「レベルS発生! 速やかに処理課へ討伐要請、監視課は各所と調整を優先だ!」


 のんびり談笑していた職員達の表情が一変する。


「おい! 報道規制の方を頼む!」

「処理課、受理しました!」

「四階、第3会議室に対策本部を設置! 資材搬入完了まで20分です!」

「誰か調査課に確認急げ!」


 職員達が慌ただしく業務をこなす中、乾と近藤が息を切らせて監視課に入ってきた。


「課長!」

「遅いぞ、既に状況は動いている、やるべきことをやれ」

「……どこからの情報ですか?」

 斑鳩は一瞬間を置いて、

「古い友人からだ」と答えた。


「そうですか、わかりました。おい、近藤いくぞ」

「え……、ちょ、帰ってきたばっかりですよ⁉」

「いいから来い!」

「え、ちょ……」


 近藤を引きずるようにして、乾は監視課を出て行った。

今、話を整理している関係で、59話~現在までのまとめを作りました。

主要クランやキャラの説明とかも入れてあります。

(今、関係しているキャラとかがメインです、管理局とかは入れてません)


この後アップします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 全然落ち着く気配なく次から次へとクランが突入してくるジェットコースター。 そろそろ誰かが振り落とされたりして
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