表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Snowy owl~幸せを探して~  作者: 神在琉葵
最高で最悪な日
9/120

最高で最悪の日6




「鍵って……どういうことなんだ?

もう少しわかりやすく教えてくれないか。」


エルフは小さく肩をすくめ、そして、おもむろに近くの岩の上に腰を降ろした。




「おまえは、エルフの住む場所がどこにあるか、知っているか?」


「……え…?

そりゃあ……まぁ、山とか森ん中じゃないのか?」


エルフは俺の答えにうすら笑いを浮かべながら、ゆっくりと首を振る。




「そうではない。

わかりやすく言うとだな…次元の違う場所にあるのだ。

遥か昔には、ここに住むエルフ達もいた。

人間が好きだという変わった者達だ。

しかし…そういう者のほとんどは人間によって滅ぼされた。

自分達の欲のために…」


「欲…?」


「そうだ…

最初はエルフの持つ能力や技術に頼るだけだった。

そんなことなら何の問題もない。

しかし、いつしかそれらを悪用するもの…挙句には、エルフを傷付けたり殺す者までが現れた。」


「な、なんだって!?

えらく物騒な話じゃないか!

一体、なんでそんなことに…」


エルフの言葉は衝撃的なものだった。

エルフにそんなことがあったなんて、俺は今まで聞いたことがない。

それどころか、エルフの存在すら信じちゃいなかったんだから。





「……エルフはほとんど老いることはなく、さらに、人間とは比べものにならない程、寿命が長い。

だから、エルフを解剖してその秘密を解明しようとする者や、エルフの血や心臓を食すればエルフと同じように長く生きられると信じられたのだ。」


「そ…そんなことが…!」


「……もちろん、血を飲もうが心臓を食らおうが、人間が我々と同じ身体になるわけはない。

愚かな話だ。

……とにかく、そんないきさつもあって、そういう野蛮な人間の世界には何か特別な理由がなければ行くことは出来なくなった。

門には特別な結界が張ってあってな。

それを破れる者はごく限られた者だけなのだ。」


「……なるほど。

確かに、欲の深い人間ってのはいつの時代にもいるからな。

……ってことは、おまえはこっちに何か特別な用があったってことなのか!?」


「そ、それはだなぁ…」



俺が、そう訊ねると、常に落ち着き払っていた印象だったエルフが急に焦った様子を見せた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ