表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Snowy owl~幸せを探して~  作者: 神在琉葵
魔女、再び
54/120

魔女、再び2




「さぁ、出発だ。」


次の日の早朝、俺達は北を目指して歩き始めた。

しばらく歩くと、細い街道に出た。

地図を見たところ、この先には小さな町があるようだ。




「町に行ったら、必要なものを揃えておかねばならんな。」


本当に厚かましい奴だ。

これまでの路銀も俺が全部出してるっていうのに、少しの遠慮もない…

今までに集めたお宝があったから、それを売ってどうにかなってるものの、これは本当は俺とエリーズのために使うはずだった金なんだぞ。

家を買ったり、二人の将来のために使うつもりの大切な金なんだから。




「今夜の宿はあそこにしよう。」


俺達は、町に入り最初に目についた宿屋に向かった。




「あぁ、ひさしぶりのベッドだ!…一体、何年ぶりだろう…」


アランは宿屋に入るなり、寝台にごろりと横になった。

何年もの間、森の中で過ごしていたアランにとっては、こんなことさえも本当に夢みたいなことなんだろう。




食堂で食べるありきたりの料理にも、アランは、感激しっぱなしだった。

その気持ちは確かによくわかる。

アランは、何年もの間、ろくなものを食べてなかったんだから。




思い切った判断だったが、あの崖を下りたことは今となっては正解だったのかもしれない。

そうでなければ、俺達は、あの森を抜け出せたかどうかわからないのだから。




「さて…それじゃあ…そろそろ休むとするか。」


「俺…じゃない、私…

今夜は少し出かけてくる…わ。」


「出かけるって…こんな時間から一体どこに行くんだ?」


「酒場だ。」


「酒場?あんた、酒が好きなのか?」


「好きってわけじゃないが…嫌いでもない。

今夜はなんとなく飲みたい気分なんだ。」


ひさしぶりの町だったせいか、俺も少し気分が高揚していたようだ。





「だったら…俺も行くよ。」


「いいよ、私一人で行くから…」


「なに言ってるんだ。

あんたみたいな別嬪が、酒場に行ったら、どんな奴が言い寄って来るかわからない。

心配だから、俺も行くよ。」


煩わしいと思ったが、アランは引くことはなく、結局、俺に着いてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ