惑わしの森13
「……だいたいはわかってるんだろ?
そう…俺はトレジャー・ハンターだ。
とはいっても、まだ駆け出しなんだけどな。
ここにお宝があると聞いてやってきたんだ。」
「トレジャー・ハンター…」
ユリウスはそう言って鼻で笑った。
「なにがおかしい?」
「いや…すまなかったな。」
「そういうあんたらは、なんでこんなとこに来たんだ?」
「それは……」
ユリウスは答えに詰まっていた。
そりゃあそうだろう。
フクロウを追って、こんな危険な森に来たなんて言えるはずもないし、言ったところで信じる奴はいないだろう。
「なんだ、言えないのか?」
ユリウスは、唇を噛み締め、俯いていた。
「じ、実は…」
「なんだ?」
「わ、私達は、フクロウを探してるんだ。」
「フクロウを…?」
「そ、そう…」
「フクロウを探しに、こんな森に来たって言うのか?
命を落とすかもしれないこんな危険な森に…?」
アランが呆れるのも無理はない。
だけど、俺は咄嗟に都合の良い嘘を思い付いていた。
「私達が探しているのはただのフクロウじゃないんだ。
そのフクロウは、私達の住む村の守り神みたいなフクロウで…
運の悪いことに、私とユリウスがフクロウの世話をしている時に、それを逃がしてしまった…
住民達は年寄りが多いし、フクロウがいなくなったら、村に不幸が訪れると信じている。
だから、なんとしてもフクロウをみつけて帰らないといけない。
村には私達の家族もいる。
フクロウを捕まえることが出来なかったら、家族もどんな目に遭うかもわからないから…」
「なんだって!?そんなことがあったのか…
それにしても、守り神だなんて、いまだにそんなことを信じてるとは、あんたら相当田舎から来たんだな。」
「え、ええ、そうなの。
深い山の中の小さな村で…でも、その代わり、山や森のことには詳しいから、この森からも絶対に出られるって自信があった…のよ。あんたと同じね。」
「なるほど…そういうことか。
でも、ここまで酷い森だとは思わなかったってわけだな。
確かに、こんなに劣悪な環境の森は滅多にないからな。
俺もびっくりしたよ。」
アランは俺の吐いた咄嗟の嘘をいとも簡単に信じてくれた。
ユリウスも、どこかほっとしたような顔つきで俺を見ていた。




