表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/120

魔女12




「……婆さん、遅いな。」


「……あぁ。」


なんとも言えない気まずい雰囲気だ。

本当はこんなことも言いたくなかったけど、しばらく黙りこくっていたら、つい口が滑ってしまってたんだ。




「あ…えっと……あ、あのさっきのコーランダーっていうのは何なんだ?」


話題を逸らせようとして、俺はどうでもいいことを訊ねてみた。




「あれは高級な薬草茶だ。」


「え?そ、そうなんだ。」


「滋養強壮に良いとされている。」


「へぇ…」


ただ渋くてくそまずいだけの茶だと思ってたら、けっこう良いものだったんだな。




「腹減ったな。」


「パンでも食べたらどうだ?」


「そうだな。」


俺はバッグの中からパンを取り出し、ひとつをユリウスの前に差し出した。




「私なら良い。」


「そう言わずに食べとけって。

さっき、精気を抜かれたんだろ?

これからも元気でいないとアレクシスを探しに行けないぞ。」


俺がそう言うと、奴はしばらくパンをみつめていたが、やがてゆっくりとそれにかぶりついた。




「そうそう。腹が減っては戦は出来ぬ…ってな。」


俺も、同じようにパンにかぶりついた。

ちょうど、その時、婆さんが居間に戻って来た。




「なんじゃ、そんなものを食べて…」


「あ、出来たんですか!?」


「そんなに早く出来るか。

もうしばらくはかかる。

わしも腹が減ったから一休みしようと思うてな…

今、夕飯の用意をするから少し待っておれ。」




夕飯…?夕飯をふるまってくれるのか??

最近はろくなものを食べてなかったから、その言葉は俺に甘く響いたが…




魔女が作る夕飯って一体どんなものなんだ?

まさか、ヤモリとかコウモリを煮込んだものじゃないだろうな。

考えただけでぞっとする。

でも、今更、いらないなんて言いにくい。

今の所、本当に魔法のコンパスを作ってくれてるみたいだから、怒らせるわけにはいかない。




そのうち、なんだかいいにおいが漂ってきて…俺の腹の虫がぐうと鳴いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ