表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Snowy owl~幸せを探して~  作者: 神在琉葵
最高で最悪な日
14/120

最高で最悪の日11

「とにかく…そういうことだ。

では、私はアレクシスを探しに行く。

おまえは、女としての新しい人生を楽しむのだな。」


エルフはそう言い残すと、俺を置いてさっさと歩き始めた。




「ま、待て!

てめぇ、俺をこのままにして行くつもりか!」


「……しつこいな。

おまえがそんな罰を受けた理由はもう説明しただろう?」


エルフは振り返り、苦々しい声でそう答える。




「勝手なこと、言ってんじゃねぇぞ!

俺は、元に戻してもらうまでおまえの傍を離れない!」


「私は一生おまえを許す気はない。

おまえはそれだけ……」


「よしっ!わかった!」


俺はエルフの言葉を遮り、膝を叩いた。




「ようやく諦める気になったか。」


「そうじゃねぇ!

俺はこれからおまえと一緒にアレクシスを探しに行く。

アレクシスは俺が必ず捕まえてみせる!

だから…その時は、俺を元に戻してくれ!

頼む!

俺はあちこちを旅してるから、町の情報にも詳しいし、一緒にいるとなにかと役に立つ事も多いぜ。

な!お願いだ!」


必死だった。

俺は、どうしても男に戻りたい!

戻って、エリーズと幸せな家庭を築きたい!

その一心で、俺はエルフに懇願した。




「……なるほど。

話はよくわかった。

良いだろう…おまえがアレクシスを無事に捕まえることが出来たら、おまえを元に戻してやろう。」


「ほ、本当だな!

絶対だぞ!」


「しつこいぞ!わかったと言っただろう。

では、話は決まった。

今すぐ出発するぞ!」




助かった……

俺は頭の中から冷や汗がどっと吹き出るのを感じた。




「ちょ…ちょっとだけここで待っててくれ!

宿から荷物を取って来る。

なぁに、心配するな。

アレクシスの行きそうな場所は見当がついてるんだ。」


「なに!それは本当か!?」


「あぁ、本当だ!

だから、どこにも行くなよ!

すぐに戻って来るからな!」


俺はズボンの裾を折り返し、宿に向かって走り出した。

靴もぶかぶかになっていて、走り辛いったらこの上なかった。


本当は荷物なんてどうだって良いんだ。

俺が必死になって走る真の目的は別のことだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ