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あの町へ16




「エリーズ…長い間待たせて本当にすまなかったな。

でも…なんだって、船になんか…」


「……故郷に帰ろうと思ったのよ。」


「故郷に?」




エリーズは小さく頷く。




「あんたはなかなか帰って来ないし…待ってるうちに、私、騙されたんじゃないかって思えてきたんだ。

あの日、あんたの妹だっていう女が私に会いに来たけど、何かあったのなら、多分、あんたが直接言いに来るはず。

いくら急用だって、そのくらいの時間はあるはずじゃない。」


「あ、あれは本当に俺の妹なんだ。

あん時はとにかく一刻も早く両親の元に行かないとならなくて、俺も焦ってたっていうか、なんというか頭が混乱して…」


「ご両親に何かあったのかい?」


「ま、まぁな。」




なかなかうまい言い訳が思いつかず、俺はそう言って誤魔化すしかなかった。




「それで、ご両親は無事だったの?」


「う、うん、思ったより長いことかかったが、なんとかな…」


「そうか、それは良かった。」


「心配かけて、本当にすまなかった。

でも、両親のことはもう落ち着いたし、これからはもう絶対に寂しい想いはさせない。

少し遅くなったけど…エリーズ…結婚しよう!」




「……そうだね。」




エリーズはどこか寂しそうな顔で静かに微笑んだ。

なんでだろう?

俺のことを信じてないのか?

それとも、長い間待たせたから拗ねてるのか?


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