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あの町へ15




「そ、それは本当なのか!?」




ある町で、数日前にエリーズらしき女を見たとの話を聞いた。




「そ、それでその女は?」


「多分、この先の港町に行ったんじゃないか?」


それを聞いた時、なにかいやな予感がした。

理由がある訳じゃないが、いつもの直感だ。

何か得体の知れない不安に襲われた 俺は、そのまま町を飛び出して、夜通し街道を歩き続け、その先にあるという港町を目指した。




港町に着いたのは朝だった。

町の中に低い汽笛が鳴り響く…

それを聞いたら、なんとも言えない気分になって、俺は港に走った。




(あ…っ!!)




出港しようとする船に乗り込む人々の中に、俺は愛しい女の後ろ姿を認めた。




「エリーズ!」




長い金髪が風に揺れ、ゆっくりとエリーズが振り返る。




「ステファン…!」




エリーズは、びっくりしたような顔をして、引き返してきた。




「エリーズ!」




俺はエリーズを抱き締めた。

やっと会えた…愛しいエリーズにやっと会えたんだ…!




「ステファン…どうしたの?」


「どうしたじゃねぇ。とにかくここじゃなんだ。

宿屋でゆっくり話をしよう。」


俺達は、宿屋に向かった。

それにしても、本当に危ないところだった。

船の行き先は、北の大陸だった。

エリーズが船に乗り、船が出てしまってたら、俺はエリーズに会えなかったかもしれない。

もちろん、北の大陸でもなんでも追いかけていくつもりはあったが、行ったこともない見知らぬ土地で、エリーズを探すのはアレクシスをみつけるよりも難しいことだったかもしれない。




でも、ここでも天は俺を見放さなかった。

あとちょっとという危ないところで、俺とエリーズを出会わせてくれた。

やっぱりエリーズは運命が決めた相手なんだ!




久しぶりに見たエリーズはまばゆいくらいに美しい…

顔を見ただけで、なんだかやけににやけてしまう。

俺はやっと、この女神みたいな素晴らしい女と一緒になれるんだ…!

そう思うと、嬉しくてたまらず胸がはちきれてしまいそうだった。


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