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Snowy owl~幸せを探して~  作者: 神在琉葵
最高で最悪な日
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最高で最悪の日8

「な、なんだとぉ!

元はといえば、悪いのはおまえじゃねぇか!

それを逆恨みしやがって!」


エルフに詰め寄った時、俺はまた自分の異変に気付いた。

俺の視界に映るのは、エルフの胸。

確かにこいつは背が高かったが、俺もどっちかというと高い方だ。

だから、それほど差はなかった筈なのに、今、こいつの顔を見ようと思ったら、顎を上に向けなくてはならない。

それに、ズボンや袖が妙に長いことに俺は気が付いた。

つまり、それは……




「畜生!

身長まで小さくしやがったな!」


「今のおまえは女性なのだから、あまり大きくない方が良いだろう?

どうしてもと言うのなら、伸ばしてやらないこともないが…」


「ふざけてんじゃねぇ!

早く俺を元の身体に戻せ!」


「だめだな…

さっき話した通り、アレクシスはとても大切な者だ。

それを逃がしてしまったのだから、おまえが罰を受けるのは当然のことだ。

……だが、おまえは本当に運が良い。

考えてもみろ…私のような温厚で慈悲深いエルフばかりではないのだぞ。

下手をすれば、その場で八つ裂きにされていたかもしれないし、小さな虫に変えられて今頃は鳥の餌になってたかもしれんのだぞ。」




(こ…こいつ……

なんて物騒なことを言いやがるんだ…)




俺は、全身をばらばらにされた自分を…そして、もぞもぞと木を這う虫にされ、鋭い鳥の嘴で捕らえられる様を想像して身震いした。


確かに、そんな風にされることを思えば、まだマシだ。

俺はこの通り、いつもと同じように元気で、どこも具合の悪い所はない。


だが、そこで、俺の頭にはふとした疑問が浮かび上がった。

このエルフは、アレクシスを逃がされたことで、相当、頭に来てる筈なのに、なんだって俺を女に変えたんだ?

なぜ、一思いに殺っちまわなかった?

とてもじゃないが、本人が言うように「温厚で慈悲深い」なんて思えないが、他のエルフに比べたら本当にそうなのか?




「……あの…ちょっと聞きたいんだけど…」


「なんだ?」


「……なんで、俺をこんな風にした?

俺のことが相当頭に来たんだろ?

なんで、虫とかカエルにしなかった?」


俺が率直にそう質問すると、エルフは意味ありげな笑みを浮かべた。

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