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あの町へ7




「な、なんだって!?」


宿屋に行った俺は、思いがけないことを聞かされた。

エリーズが、宿を発ったという話だ。




「そ、それはいつなんだ?

それで、どこに行った?」


「どこに行ったかなんてわかるわけはないよ。

何も言わなかったからね。

発ったのは、もうだいぶ前だよ。

三か月…いや、もう少し前だったかねぇ…」


「そ、そんな…」


なぜだ?

なぜ、エリーズはそんなことを…!?

そりゃあ、戻って来るまでには何か月もかかったが、俺は用事が済んだら必ず帰ると言ったはずだ…




(エリーズ…どこに行ったんだ…?)




今夜はもう遅い。

とにかく、今は冷静になって、この町でエリーズの情報を探すしかない。

エリーズがどこに行ったかの手がかりをみつけて、すぐに追いかけないと…




(まずは酒場だ!)




俺は、すぐさま酒場に向かった。

あの日…エリーズとの結婚をみんなに祝ってもらったあの酒場だ…!




「ちょっといいか?」


俺は、店に入るなり、各テーブルに着いて、エリーズの話を聞いて回った。

だが、芳しい話は誰からも聞くことは出来なかった。

それも当然なのかもしれない。

もう何か月も前の話なんだから…




どうすれば良い?

どうすれば、エリーズの行方がわかるんだ?




俺は、脳みそを振り絞って考えた。




(……そうだ!)




「なぁ、ここにトレジャー・ハンターはいるか?」


酒場中に聞こえるような大声で叫んだ。

トレジャー・ハンターなら、同業者のエリーズの噂を知ってるんじゃないかって思ったんだ。




しかし、返事はなかった。

酒場にはトレジャー・ハンターはひとりもいないようだ。




「そういえば、何日か前に二人組のトレジャー・ハンターがここに来たぜ。」


「なんだって?なんて奴だ?」


「さぁ…名前までは聞いちゃいない。

ただ…この近くにお宝探しに来てるみたいで、お宝が見つかったら、みんなに酒をおごるなんて言っていた。」


「ってことは、そいつらはまたこの町に戻って来るんだな?」


「多分、そうだろうな。」


その二人組が、エリーズの噂を知ってると言う確証はない。

だが、この先に進むのか、それとも後戻りをするのかによって、エリーズに近付くのかさらに離れるのかが変わって来る。

ここはなんとしても、手掛かりがほしいところだ。

だから、俺はあと数日だけこの町に留まり、その二人組が戻って来るのを待つことにした。

そいつらがなんらかの情報を知っていることを期待して…


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