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No.13「最終章 オリオンよ永遠に」




 あれから色々あった……



 スペインで出会ったオリオン、甲羅を持った“カメレオン”。



 そして人類の大半が機械の身体を持ったパラレルワールドで出会ったサイボーグのオリオン“機リオン”を仲間にし、いよいよオーリィの世界へと戻り、無尾種教会(ノーテイルソサエティ)の教祖、魔法の力を持った“マリオン”へと戦いを挑んだ。



 俺たち6人が束になっても敵わなかったマリオンだったが、“かっちゃん”こと統括の者が間に入り、彼が二重人格であることが発覚。



 マリオンの魔性の人格をどうにか押さえ込む為、この俺“折井星音(おりいしおん)”が彼の思考に飛び込み、マリオンの人格を統合させることに成功した。



 ほんの少しわだかまりが残っているものの、オーリィともひとまず和解。俺たちはいよいよ巨大ブラックホール“ブレーザー”を止めることに。









「君たち、ここまで一緒に来てくれてありがとう……後は頼む! 統括術最終奥義! 融合合体フュージョンドッキング!! 」



 そういってかっちゃんは全身を発光させ、ブラックホールそのものと同化してしまった。その姿は七つの首を持った蛇のようで、尻尾の先がどこにあるのかがわからないほどの圧倒的スケールの巨大さだった。



「さぁ……今のうちだ! ボクの力でブラックホールが実体化している内にコイツを倒してくれ! 君たち7人が力を合わせれば必ず勝てるハズだ! さぁ……急いで! だんだんと……意識が……」



 かっちゃんは初めから自らの命を差し出してブラックホールを止める気だったのだろう。気にくわないところも色々あったけど、そんなかっちゃんの覚悟を受け、俺たち7人は結束した。



「おおお……おれに任せろ! 」

「俺もいくぜ! 」



 先陣をきって飛び出したのは甲羅を持ったカメレオンと小さな身体のマリオンだ! 


 カメレオンは頑丈な身体を自ら盾とし、七頭蛇の口から吐き出される光線を防いで俺たちを守り、ミリオンはその機動力とパワーで七頭蛇を牽制する。



「ナイスデス! コノママ少シ時間ヲ稼イデクダサイ! 」



 次に機械の身体を持った機リオンが七頭蛇をデジタルスキャンし、分析する。あっという間に3Dモデルでのソリッドビジョンを作り上げ、今度はそれを尻尾を持ったオリオン、オーリィが分析する。



「規則が読めないが、時々七つの頭が横一列に並ぶ瞬間がある。その刹那を狙い、一気に叩けば倒せるかもしれん」



 有尾種(テイルマン)特有の洞察力で、七頭蛇の弱点を見抜いたオーリィ。あのモンスターはミリオンのパワーでいくら破壊したところですぐに再生してしまう。それゆえに全ての頭を同時に叩く必要がある。



「あの7頭を同時にか……私なら何とかできるかもしれない」



 マリオンは魔術を使い、自らを棲処(パラサイト)化させて一本の長槍と化した。



「槍化した私を使い、7つの頭が並んだ瞬間に串刺しにするんだ。みたらし団子のようにね」



「ホントやべぇ作戦だね……でも、今のところそれしか方法はなさそうだし、そうする為に私たちが選ばれたんだろうね」



 雌雄同体のオリオン、リオンは不敵な笑みを浮かべてマリオンの槍を握った。



「私の肺活量のブレスを使えば、その反動の超スピードで一気に槍を突き刺してやることができる……しかし……」



 ここで一つ問題が起きた。



 そう、七頭が一列に揃うタイミングがわからないのだ。



 何か規則性があるように見えて、それが何なのかがわからない。機リオンのスキャン能力やオーリィの洞察力を持ってしてもそれだけがつかめなかった。



「早くしてくれえぇえ! 」

「そろそろ俺たちも限界だ! 」



 七蛇頭の攻撃を凌いでくれているカメレオンとミリオンも限界が来ている。このままでは作戦を敢行する前に全滅だ。



「「「「「「頭が揃うタイミングさえわかれば……」」」」」」



 どんなに百戦錬磨でも、魔術の使い手でも、鋭い洞察力でも掴むことのできない七頭のタイミングだったが……たった一人だけ、例外のオリオンがいた。



 そう……折井星音(おりいしおん)……俺だ。



 というよりも、自分にとっては“どうしてみんなわからないんだろう? ”というレベルの問題だったので、それが七頭が揃うタイミングの前兆として意見すること自体はばかれていた。



「みんなどうして気づかないんだ? 蛇頭の目が全部一斉に“黄色”に変わった次の瞬間だよ! その時に頭が全部一列に並んでるじゃないか! 」



 その俺の言葉を聞いた他のオリオン達は、一様に顔を見合わせて“一体何を言っているんだ? ”と言いたげな表情を作っていた。



 この時俺は初めて気がついたんだ……



 そうか……これは俺だけが認識できたことなんだ……



 俺の世界では当たり前で、他の世界には存在しなかったモノがなんなのか、それが今ようやくわかった。



 俺は“嘘のオリオン”ではなかった……



 “色彩のオリオン”だったんだ! 



星音(しおん)……よくわからないが、君にはその“黄色”というものがわかるんだな!? 」



 マリオンの言葉に、俺は頷いて返答した。俺の役割が決まった瞬間だった。



星音(しおん)! それでは教えてくれ! 蛇の目がその“黄色”とやらに変わった瞬間を! 」



「まかせろ! 」



 俺は全神経を視覚に集中させて、次に蛇の目が変わる瞬間を今か今かと待ちわびた。



 そして数秒後、光線を数発吐き出した七頭蛇の目が一斉に“黄色”に変わる。



「今だ! 」



 次の瞬間、隣にいたリオンが腹に溜め込んだ空気を一気に吹き出し、ロケットのように飛び出した! 



「うおおおおッ!!!! 」



 リオンはマリオンの槍を大きく突き出しながら七頭蛇に一直線! そしてそのタイミングに合わせたかのように、蛇の頭が一列にならんだ! 



「かっちゃん! ごめんね! 」



 リオンが突き刺した槍は、綺麗に七つの頭を貫通させた。



『ウグォオオオオオオアアアア!! 』



 苦痛の叫びをあげる七頭蛇。世界が揺れ、空気が歪む。



 かっちゃんが作り出した亜空間が振動する。



「ありがとう……君たちのおかげでブラックホールの肥大は食い止められた……これでボクの役目は終わった……後は最後の力で君たち全員を元の世界へと返す……ボクたちの戦いは長い宇宙の歴史からみればほんの一瞬の光のような出来事だったのかもしれない……だけど、その煌めきは未来永劫大宇宙を照らし続ける、希望の光になりえること。この宇宙は救われた……七人のオリオン達のおかげで……」









 次に目を覚ました時、俺はいつもどおり日常を送っていた自室の天井を見上げていた。



 俺たちオリオンの戦いは夢か妄想だったかのように、その軌跡は霧散し、恐ろしいほどに気持ちは淡泊だった……



 でも、それとなくテレビをつけてモニターの向こうで笑っている声優の「みまさか花音(かのん)」ちゃんの色彩鮮やかな顔を見た瞬間、涙が溢れて止まらなかった。



 みんなそれぞれ、違った当たり前の世界で生きている……



 今も昔も……これから先も……ずっとずっと、遠いどこかで。









 THE END


打ち切り漫画の駆け足展開のような無理矢理な展開で終わらせて申し訳ないです(´;ω;`)

それでも読んでいただいた方には感謝を申し上げます。ありがとうございました。

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