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第一章 第五話 嘆きの草原と初めての街レティセンシア

ようやく街へと向かいます。


異世界生活二日目


まだ周りは薄暗く朝日が出るには幾分時間がある。


まさか異世界に来て初日に百人近くの死体を弔う事になるとは想像もしてなかった。


子供、大人、老人、騎士、盗賊


苦痛の表情 切り離された手足、首 飛び散る血 内臓


思い出すと身体が震える。


これからこの世界にどんな争いがあるのかは分からないが、嫌でも昨日の様な光景を目にするだろう。


慣れなくてはいけない………。


殺したくなければ殺されれば良い。


殺されたくなければ殺すしかない。


話し合いで解決出来る事など何もない。


頭を切り替えよう、今日はやる事が多い。


俺は焚き火に兵站の中にあった三脚付きの鍋で昨日は気付かなかったが村の周りに僅かな畑を発見し、キャベツ?の様なものと人参?の様なものを失敬して干し肉と塩を入れスープを作った。


朝はしっかり食べて置かないともたない、老後はゆっくりと料理でもしたいな。


今日は色々と大変な一日になる。


目的は街にいるグズ貴族の暗殺とナターシャの母親と恐らく既に拘束されている騎士団長の救出。


かなりの難易度となる事は必死。


未来の嫁…………じゃなくて未来の優秀な仲間ナターシャの為にもこの目的は達成しなくてはいけない。


まずは作戦の第一段階を達成する為に盗賊団のアジトに向かわなければならない。


鍋の味を確認して、うん中々旨い出来になった。


欲を言えば胡椒とかが欲しい所だか無い物ねだりはいけないな。


テントがごそごそと揺れ始めに起きて来たのはガルディアンだった。交代で見張りをしようとしていたが一人で徹夜しようとしていた為に止めた。


色々と頑張って貰ったのに徹夜で働かせるような、そんなブラックな契約をしたつもりは無いからな。


今日の為にも少しでも休んで貰わないとバチが当たる。


「お早う御座います主よ、良い匂いですな。む?この魚は主が?」


そう朝方には夜の練習の成果で楽に魚を捕まえられた。


今は串焼きにして焼いている。


「ああ、上手く捕まえられてね、顔を洗って食事にしよう」


「はっ、では皆を起こしましょう」


「うん、お願いするよ」


「ダークエルフ、騎士娘よ朝食を主が作って下さった。起きて顔を洗うぞ」


「……お早うございますカゲアキ、ガルディアンさん」


「う~ん……お早う…」


「……お早う御座いますカゲアキ。おや、美味しそうですね」


「はい、みんなお早う、直ぐに器によそるから顔を洗って来てね」


リアレスさんは身支度を整えて、ネルトさんは少し寝ぼけたように、ナターシャは…昨日つけていたフードを外して身軽そうな服装に軽装の鎧を着ているのが今分かったが………何処に隠してたんだ!その……大きな双丘は!?昨日戦ったのに全然気付かなかったよ。


「あっあのカゲアキ?」


「どうしたナターシャ、顔を洗って朝食にするよ」


「………いっいえ何でもないです」


ナターシャは小走りで顔を洗いに行った。


しまった…もしかして視線に気付かれたか。いやここで動揺したらまずい。


ガルディアンが先に焚き火の近くに戻ってくると腰を下ろした。


「主よ、朝方に何やら音が聞こえましたが川の周りのアレに関係が?」


「あーごめん、うるさかったか」


「いえ、ただアレは一体何が……」


するとリアレスさんとネルトさんが急いで来て、俺に聞いてきた。


「カゲアキ!何ですかあの川の周りの穴は!?」

「何であんな無数の穴が出来てるの!?」


すると後からナターシャが戻ってくると俺の隣に座った。


「あれは魔法ですね、魔力の残滓を感じました」

「ですがあの穴の開き方は一体何の魔法ですかな」

「あれは___」

____

___


それから昨日の練習の説明をしながら朝食をとり終えると荷物等の準備をして盗賊のアジトに向かった。


「ナターシャ、あとどのくらいかな」


「そうですね、もうそろそろ目印が……見えてきました」


そこにはジメジメとした如何にも何か出てきそうな岩の洞窟が森の茂みの奥に見えてきた。


「成る程、ここならば見つけるには些か困難でしょうな」


「このような所に洞窟があったなんて」


「だから盗賊達が偵察でも見つからなかったのね」


背の高い茂みをかき分けると、洞窟の入り口があり、上からはその入り口を隠すように何かの植物の蔦が多く垂れ下がっていた。


近くで見ると入り口の高さは三メートル、幅は二メートル程


周りの注意しながら蔦を手で払い洞窟の中へと入ると、中は薄暗く見通しは悪いが地面は踏み固められているのが救いだ。


空気孔などはないのか土やよく分からない匂いが漂ってくる。


簡単な火魔法でリアレスさんに松明に火を着けて貰うが自分の周りがやっと見える程度だった。


ナターシャが盗賊は始末したと言っていたがそれ以外の何かがいる可能性もある。警戒しながら歩を進める。


洞窟の奥を目指すして行くとやがて開けたドーム状の広間に出る。


そこには右側に雑魚寝出来るように布切れが敷かれ、近くに木で柵を作った簡易的な檻が有り、左側には殺しや略奪などで集めたであろう武具や財宝が積まれていた。


「こんなに集めていたなんて……」

「どれだけの人を襲って……」


リアレスさんネルトさんが呆気に取られている所を俺は松明を近くに置いて金、銀、銅貨、鉄貨を袋へ詰めて行く。


「みんな急ごう、まだやることは多い」

「主よ我は武具類を集めておきましょう」

「そうだな、今は貨幣だけで良いから武具は集めて隠して置こう」

「承知しました」


それから手早く貨幣を二袋へ詰めて、武具は洞窟の中に転がる石で隠し、置いた松明と貨幣の入った袋持ち上げ肩に掛けるとジャリっと金属音出して重みが伝わる。


もう一袋はさすがに邪魔になるので四人に分けて持って貰う。


戻りの道は何事も無く進み、洞窟の入口の光が見えてきた。


蔦を手で払い外に出ると太陽の日射しが眩しかった。


それから森を街道へと向かう為に掻き分けながら進むと森の切れ目と共に見えてくる幅の広い砂利道の街道があった。


街道は森の切れ目に沿うように続いていた。


その先に広がるのは広大な見渡す限りの草原だった。


その草原に風が吹く度に靡く青々とした草がまるで大海原のようであり壮大でとても綺麗で美しかった。


「綺麗な景色でしょうカゲアキ、ですがここは元は二代前の魔王と勇者が戦い共に倒れた地…名を"嘆きの草原"といいます」


「………"嘆きの草原"か」


「カゲアキさん知らないんですか?結構有名だと思ってたけど」


ネルトさんは少し不思議そうに訪ねる。


「そういえばカゲアキは何処から来たのですか?」


リアレスさんも不思議に思ったのだろうネルトさんとナターシャも此方に視線を向ける。


「…………えっと」


どう伝えたものか……まさか『勇者です』なんて言ったら色々面倒だろうしな。


ガルディアンにチラッと視線を向けると首を横に軽く振る。


自分で伝えろって事か。


「ガルディアン、貴方はカゲアキの従者なのでしょう?カゲアキは何処から此処へ来たのですか?」


ナターシャは視線に気付くと今度はガルディアンの方に聞こうとする。


「……俺は冒険者志望で田舎から出てきたばかりの若輩者だ」

「田舎から出てきたばかりなのにか数える程度しかいない従魔術を使い、いきなりミノタウルスと契約できるのですか?」


ぐっ…確かに……どうする……打ち明けるか……誤魔化すか…。


「ナターシャさん、カゲアキも言えない事情もあるでしょうしその辺で…」


ナイスですリアレスさん。


「でもあたしも気になるかな、助けて貰った人をよく知りたいと思うし」


ネルトさん空気読んで下さい…。


「……今は……言えない……」


勇者だからって態度を変えられるのはショックだし。


「ガルディアンさん…どういう事ですか?」

「我からは言えん、しかし主はある使命を受けている…とだけ言っておこうそれ以上は主が話さぬのならば我からは何も言えん」

「この作戦の後で落ち着いたら話そう思う、だから今は言え_」

「明日の命もわからないこの世界で私は後悔したくありません」

「あたしも難しい事は分からないけど、隊のみんなは死んであたしとリアだけは生き残ったけど…今日の作戦で死ぬかもしれない……なら聞きたいな」

「……そう…ね…ごめんなさいカゲアキ、私もあなたが何者なのか知っておきたいわ」


俺は瞼を閉じてため息を一つ出して覚悟を決める。


「……信じられないと思うけど俺はこの世界の人間じゃない…それと俺は勇者に選ばれた人間らしい」

「「「!!??」」」

「えっ!?」「なっ!」「そんなっ!」

「俺は別の世界で死んだ後この世界に昨日来たばかりだ。ガルディアンはこの世界への門番だったが俺の仲間になって貰った。この世界は争いが絶えないが、俺は大きな争いを幾つか止め、後は余生をゆっくりと生きるつもりだ」

「「「………」」」

「これが俺の今分かっている事の全てだ、他は何も…此処が何処かも知らない」


「我も主と同じだ、我が生きていたのは今から……1452年程前だったか」

「せっ!1400年!?ガルディアンさんやっぱりとんでもないミノタウルスだったんですね」

「カゲアキが勇者だったなんて…私達は本当に運がよかったのね」

「今代の勇者が貴方でしたかカゲアキ、予言通りという訳ですか」

「予言?」

「何日か前に南の大陸全土に王都の神殿で神託が降ったという話で伝令が来たんですよ」


リアレスさんが説明してくれた。


続いてナターシャが予言の内容を教えてくれた。


それによると。


「確か…"今代の勇者は勇猛で武に秀でし従者と共に戦い争いを鎮める"と聞きましたが……もしやと思っておりましたが」


何日か前?昨日この世界に来たばかりなのに?


俺はガルディアンに意見を聞こうと顔を向けると、ガルディアンは納得したように聞いて俺に耳打ちしてくれた。


「…狭間とこの世界では流れる時間が違いますので、ルフネ様が気を効かせて先に地上に神託を授けたのでしょう」

「へぇそんな事も出来るんだ」

「あの御方はお優しい、直ぐに皆にわかる様に配慮されたのでしょう」


う~んそれなら仕方ないないつかはバレるだろうし、都合よく正体を隠す変身や変装が出来る訳でもないし。


「取り敢えずこの話はここで一旦止めて街へ急ごう、確か街の名は……」

「レティセンシアです勇者様」


リアレスさんの態度が明らかに妙だった


「でもあたし達、勇者様と一緒に行動してるんだよね」

「………」

「まさかこんな森の中に勇者が現れるとは思いませんでしたよ」

「三人とも何で疑わないの?普通騙りか何かと思うでしょ」


三人は顔を見合わせると。


「「「だって……」」」

「だって?」

「「「ガルディアンが(いたし)(いましたから)(いましたので)」」」


「……さいですか……」


つまり俺はガルディアンのオマケ的なやつですか…。


勇者へ改心の一撃__童貞勇者の心は砕け散った。


最初から俺は眼中に無かったってことかー。


「まぁ、街では名前で呼んでくれ、暗殺する前に目立つ訳にもいかないし」


「わかったよ」「はい」「わかりました」


「主よ、神託が降っているとなると我が街へ入るのも難しいのでは?」


そうなるとどんな手段で行くかな。


歩きながら考えていると後ろから馬の嘶きと蹄の音が聞こえてくる。


「馬車が来たようですね、ガルディアン一度近くの茂みへ隠れましょう」


「むっ?何故我が_」

「いいですから、隠れますよ」

「ガルディアン頼む、一度隠れてくれ情報が洩れるのは困る」

「仕方在りませんな」

「カゲアキ、私とネルは?」

「二人は俺の護衛って事にして一緒にいて馬車を止めるのを手伝ってくれ」

「わかったわ」


がさがさと茂みの方にガルディアンとナターシャが隠れると丁度、帆馬車の屋根と馬の頭が二つ見えてきた。


御者席にはハンチング帽を被ったしわしわの顔に腰が曲がり猫背の老人が座っていた。


ネルトさんが手を振って老人に止まって貰う。

「お~い、おじいちゃんちょっと止まってー」


老人は驚いたように手綱を引き馬車を止める。


「何だべか~、見たどこ騎士様のようだけんちょも何かご用でごぜぇますか」


とても訛りのある老人で恐縮そうにこちらに訪ねる。


「私達二人は訳あってこの方の護衛をしているのですが、ご老人よ、こちらの方の話を聞いて頂けないだろうか」

「構わねぇですが、それでどんな話だべ?」

「すみませんね、まずこの馬車は何処へ向かっていますか?」

「これからレティセンシアさ、向かうとこだ~」

「ならこの馬車に俺を含めて五人を乗せて頂けませんか?」

「こんなオンボロ馬車で良ければ、少し狭いかもしんねぇけんど」

「ありがとうございます、お礼はさせていただきますから」

「そうだか、んでも~三人しかいねぇようだけんど」


キョロキョロと老人は周りを見ている。


「二人とも出て来てくれ」


カゲアキが森の茂みの方へ声をかけると二人が顔に出して街道へ出てくる。

「ア、アワワ…ミッミノタウルス!?いっ命だけは勘弁してくだせえ」


老人は細い腕で頭を抱えて丸まり必死に命乞いしている。


悪いことをしてしまった。そりゃいきなりミノタウルスは驚くよね。


「すまぬな老人よ、驚かせるつもりは無かったのだ」


「おじいさん、大丈夫です俺の仲間ですから、おじいさんに危害は加えません。むしろ俺達を助けて貰えますか」


「へぇ?」


老人は気が抜けたような声を出して怯えている。


「俺達もこの先のレティセンシアへ入りたいんですけど、どうにも目立ちたくないので馬車に隠れてこっそりと入りたいと思いまして」

「だども、ワシは何をすれば良いだか」

「難しくはありませんよ御老人、私達を乗せてを通過してくれるだけで良いのです」


ナターシャがフォローを居れてくれたお陰で老人も少し緊張が緩んだようだ。


「そうだよおじいちゃん、あたし達は街まで乗せてくれるだけで終わりだよ」


「だども、今は領主様の直属の兵隊が昨日から騎士様に代わって街の入口の検問が厳しくなっただよ」


「カゲアキ、警備が代わったという事は……」


リアレスさんが思っている事は多分当たっている。


恐らく盗賊の討伐に出ていた部隊の生き残りが街へ入らないようにしているのか。

となると騎士団長は既に捕まっている可能性が高い。

「しかし主よ馬車が隠れるとはいえ、検問で見付かるのでは?」

「逆に警備が代わって良かったかもしれないな…」

「と、言いますと?」

「いや大した事じゃないけど、おじいさん後ろの荷物には何が入ってますか?」

「あ…ああ、他の街から服を売りに行く途中だべ」

「少し見せて貰って良いですか?出来れば買わせて頂きますので」

「構わねぇけども、おめぇさん方急ぐんだべ」

「はい、その為にも必要でして」

「?」


カゲアキはこの時目の前に広がる嘆きの草原の本当の意味をまだ知らないがそれを知るのはまだ別の話である。


____

___

それからそれぞれ服を購入してガルディアン、ナターシャ、ネルトさん、リアレスさんは帆馬車の中へ、俺はおじいさんの隣の御者席へと座り、レティセンシアへ馬車に揺られながら進んだ。


乗り心地は街道の砂利道の振動でお世辞にも良いとは言えなかった尻が痛い。

昔の人ってこんな痛みを我慢して乗ってたんだな。

車が素晴らしい事を再認識した。もう乗る事は無いだろうけど。


一時間程馬車に揺られていると街道の先に加工された四角の岩を積み上げられた二十メートル程の壁が見えてきた。


壁は直線状に左右に伸び目算で十数キロ程で直角に曲がり壁が続いている。

遠くから見た所では街は壁に四角の囲まれているようだ。

「おじいさん、レティセンシアは四角の壁に囲まれているようですね」

「ああ、そうだ~街の中心に領主様の大きな屋敷があるだ~」

「へぇ~、そうなんですか」

「ああ、んだどもここだけの話、今の領主様は若い娘っ子を囲って領民から高い税を取ってるだ」

「…益々救いようのないな」

「んっ?何か言っただか?」

「いや独り言です」


壁が近づくとその大きな門にも驚かされる。

十メートル程の木製の門はとても一人や二人では開きそうには無いだろう。蝶番も見たことの無い大きさだ。


おお、ファンタジー……。


門の前には検問待ちの列が出来ていた、門番は見るからに悪人面の四人が通行人や馬車を確認している。


列が進むにつれて門番の男達の声が聞こえてくる。


「オラァ、何だーこの金は!」

「こんな金を怪しいなお前!」


調べられているのは男性で背負子を背負っていたが荷物を確認されている。

「そ、そのお金は私が商いで稼いだお金で私は商人です、決して怪しい者ではごさいません」

「そんな事は別にどうでも良いんだよ、ただ稼いでいるなら俺らにも少し分けて貰えるか」


男の一人は商人という男性の肩に手を回して下卑な笑み浮かべている。


「そっ、そんな…街へ入る税もこの前上がったばかりなのに……」

「嫌なら別に構わないぞ、この金は押収するだけだ」

「オラァオラァどうすんだ!払うのか払わないのか!」

「…わ、分かりました…払います…」


何枚かの金を商人の男性は門番へ渡し、ガクッと項垂れるていた。

「くくく、利口だな」

「そうかそうか、分かれば良いんだよ」

「通ってよし、そこで税を納めろ」


そうして何人かが通過すると俺達の番になった。


「多いな、おい爺全部で何人だ?」

「へぇ、六人ですだ」

「積み荷は?」

「へぇ、それはその」

「何だ!ハッキリしろ」

「これはこれはお勤めご苦労様です」


俺はおじいさんをフォローするために門番の男に話しかける。


「何だお前は、すっこんで__」

門番の前に手に持った一枚の金貨をチラつかせると途端に興味は金貨に移ったのか言葉を止める門番その1


すかさず門番その1へ耳打ちする

「私共は領主様へ献上品をお持ちしたのです、どうか何も言わずに通して貰えますか?」

「う、うむわかった」

「おい、馬車に良い女が乗ってるぜ」

「うほー、おい姉ちゃん顔みせろや」

「たまんねぇ上玉だな」

「おいお前らその女どもに手を出すなよ領主様への献上品だそうだ!」


そう、何とこのおじいさんの運んでいた服の中に踊り子ようの衣装が入っていたので申し訳ないが三人には着て貰っている。

良く似合って綺麗だ、三人ともスタイル抜群でナターシャは大きな胸はDカップ程と臀部が出て、ボンキュボンのダイナマイトボディ。

リアレスさんはスレンダーなスタイルで胸はCカップ程でモデルのようだ。

ネルトさんは胸は二人に比べると劣るが全体的に引き締まってうっすらと浮かぶ腹筋が美しい。

さらに紫のアラビアン風の衣装がさらに色気を出していた。

俺も見ているとムラムラして息子のポジションを変えないといけないので大変だ。

顔は目元だけが見えているので分からないだろう。


ガルディアンはどうかと聞いてみると「我はミノタウルスの女しか興味ありません」と言っていた。


「あん?奥にデケェのがいるがアイツは」

俺はすかさず中を覗き込む門番その2へ金貨を渡す。

「彼は我々の護衛ですよ、我々だけでは道中心配ですからね」

「そうか、まあ女以外はどうでもいいがな」


ガルディアンには大きめのフードを羽織、顔を隠して貰っている。

「門番の皆様、我々はそろそろ領主様の屋敷へ向かわなければなりません。そろそろよろしいでしょうか?」

「ああ、構わん通ってよし」

「ありがとうございます、領主様には優秀な門番であったと伝えておきましょう」

「くくく、中々出来た奴だな」


このグズどもがせいぜい今の内楽しんでおけ。


こうして税を一人銀貨5枚払って御者席へと戻る


因みにこの世界には鉄貨、銅貨、銀貨、金貨がありそれぞれ順に百円、五百円、千円、一万円程の価値があるようだ。

つまり税は一人五千円程という値段だ高い。

こんな事やってたら人は来なく来なくなるし、物流は滞るし、何も良いこと無いだろうに、素人の俺でも分かるぞホントにクズだ。


兎も角無事に街への潜入は成功、作戦の第二段階も終了だ。


賄賂を渡して悪人のフリをするのも楽じゃないな。


やらない事を精神的にかなり疲れる。


街の大通りに差し掛かるとその光景に俺は愕然とした。


次はまだまだ上手く表現出来るか、わかりませんが毎回勉強しつつより良い文章にしていきたいと思いますので宜しくお願い致します。


読んで下さった方、誠にありがとうございます。


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