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第一章 第三話 異世界は予想以上に腐ってた

――――――

――――


リアレス・アリアージュ視点


私の名前はリアレス・アリアージュ


この世界は北と南、二つの大きな大陸で構成され北の大陸は魔王が支配する"魔族国エフィアルティス"

南の大陸は人間の王が支配する"クルエルダー"の二つの大国に別れて戦争をしている、現在は膠着状態で小さな小競り合いがあるだけだが微妙なバランスの中で大規模な戦闘になっていないだけであり予断を許さない。

私は南の大陸の街"レティセンシア"で騎士団"獅子の牙(レオーネファング)"に所属する騎士だが今回は辺りを荒らし回っている盗賊団の壊滅の為に派遣されてきたが、まさかこんな事になるなんて……


――――――――

―――――


騎士団の小隊40名が森の中を騎馬で進んでいると空に黒煙が昇っているのが見えた。


「小隊長!北東の方向から黒煙を確認しました。どう致しましょう」


私はこの小隊長へ指示を仰いだ。


「そうだな、この辺は盗賊団の目撃情報も多いからな、先に斥候を出し、俺達も向かうぞ」


「「「ハッッ!!」」」


森を進むと斥候が戻り、情報がもたらされる。この先の森の開けた場所に小さな村があり盗賊の姿は見えなかったが農民のような者が倒れていたと。


「隊長、ここは一刻も速く向かうべきでは」

「俺達の力を盗賊どもに教えてやりましょう!」

「だが妙だな、盗賊団はこれまでより派手に動きすぎではないか」


団員はそれぞれの意見を述べる中で団員になって日が浅い私は古株達の話を私と同期で入団した赤毛で健康的な日焼けした肌が印象的な女性で少し軽装に改造された鎧を着て接近戦闘を得意とするネルトと共に聞くだけだった。


「ねぇねぇリア、盗賊団って20人くらいだよね?パーっと行って倒しちゃった方が早くない?」


「何を言ってるのネル?相手の正確な人数が分からないのだから無闇に突っ込める訳がないでしょ」


「あたしは考えるとか苦手でね」


私達か話していると隊長から生存者の救出を優先するために急行すると通達があった。


―――――――

――――

「……これは非道い……」


黒煙の立ち昇っていた所は小さな小屋が幾つかあり、所々で火の手が上がる開けた場所だった。農民と思われる子供や男が無惨に殺されていた。


「ここは確か、新しく入植した村だった筈だが……」

「はい隊長、恐らく入れ違いになったかと」

「痛ましいな、まだそれほど遠くへは行っていないだろう全員盗賊団の痕跡を追―――」


―――ザシュッ―――ドサッ!―――ヒヒイィィン!

「たっ!隊長ぉぉぉ!!てっ敵襲!!敵襲!!隊長がやられた副隊長指示を!!」


小隊長はいきなり顔を射ぬかれ馬から落馬した、近くにいた団員は見るまで無く隊長が死んだのを悟り、大声で敵襲を知らせたがそれと同時に空に無数の矢が見えた。この村を囮にして盗賊は私達を奇襲したのだ。


―――迎え撃て!ウゴッ――密集しギャー――怯むな!グワッ―――


四方から矢の攻撃で私達は戦わずに半数以上か倒れ、馬も逃げてしまい傷は負ったが生き残った者達も泡を吹いて倒れた。

盗賊が矢に毒を塗っていたのだ。

私とネルトは何とか無事だがもう動ける者は20人も残っていなかった。


すると森から盗賊団と思われる30数人がこちらを取り囲んだ、

取り囲むと同時に毒を受けて動けない団員を殺し始めた。


「残念だったな騎士様よぉ~、まんまと罠に引っ掛かったなぁ~」

「お頭ぁ!女がいやすぜ!しかも二人だ」

「げへへ、女だ」

「慌てんじゃねぇ馬鹿が!じっくりと周りの奴等を殺してからだ、おうお前ら!村の女共と同じように殺すんじゃねぇぞ!生け捕りだ!」


「「おおおぉぉぉ!!」」


私とネルト以外の団員は密集しているが囲まれて一人づつゆっくりと抵抗虚しく殺されていった。


村に着いてからわずか一時間ほどでついに残ったのは私達だけになってしまった。


「リア…もう無理だよ、こんな奴等に慰み者にされるくらいなら……」

「そうね……どうせ慰み者されるくらいなら自決を選ぶわ」


背中合わせで盗賊に向かう私達は向き合い互いに剣を構えたが。


「今だ!野郎共ぉ縄を投げろ!!」

「うりゃ!」 「げへへ!」


四方から輪の付いた縄で私達は互いに別方向に引っ張られ、地面に倒れてしまう。


「クソッ!離せ!!」

「ネル!クッ!動けない、この卑怯者!」


私達を下品な笑みで見下す。


「へへッ手間取らせやがって!お頭コイツらここで犯っちまっていいですかい?」

「馬鹿野郎!まずは俺が味見するんだよ!」


私達は押さえられ、鎧を剥ぎ取られ終わりだとそう思った。

だか次の瞬間盗賊の頭と言われていた男の顔が無かった。


「予想以上に腐っていそうだな、ガルディアン」

「そのようですな主よ」


代わりに見えたのは大きな黒毛のミノタウルスと隣に立つ見たこともない服を着た男だった。



「お楽しみの所悪いですが、胸糞悪いですのでこの世界からご退場してもらいます。ガルディアン一人だけ残しては出来るだけ痛いように殺そう」


「我は主の仰せのままにしましょうぞ」

―――――――――

―――――


―――――リアレス達が奇襲される一時間ほど前 景明視点


「――!あ―――!起きられよ主!」

「はっ、はい!ってびっくりしたもう着いたのか」

「その様ですな、ここがルフネ様の世界"エテルニタ"ですな、ここが何処なのかは分かりませぬが」


俺は何処かの森の中にいた、周りは鬱蒼と繁る木々があり、聞いた事が無いようか鳴き声が響いていた。


木々の間から見える空は蒼く、大小二つの太陽らしき物が見えた。つまりここは完全に地球では無く、目の前の新しく従魔になった仲間のミノタウルス、名をガルディアンという艶のある黒毛の牛の頭に筋骨隆々と言う言葉が合う胴体に牛の蹄が見える足がしっかりと地面をを踏み締めている。手には歴戦を共に闘ったであろう無骨ではあるが射し込む光を受けて輝くハルバートを握っている。どういう訳か狭間では上から下まで完全武装だった鎧は腰から足、そして籠手をしているだけだった。


目の前のガルディアンに改めて驚くが景明の手にも白銀の刀身に彫金を施された直剣が握られていた。つまりこれは夢では無かった。


オオ……ファンタジー……


「あれ?ガルディアン鎧が足りないような?」

「ああ、我にも分からないがこちらの世界に来たときは既に着ておりませんでしたな」


この世界に来たからか?それとも俺のレベル不足が関係しているのか?


「ともかく、まずは情報や食料を得なければなりませんな、では主行きましょうか」

「待った!」

「どうされました主?」

「取り敢えず、今後の俺の方針を伝えておきます」


そうだ何はともあれ、今後の人生設計は大切だ。


「俺はルフネとの約束通り大きな争いは幾つか止めるつもりだ」

「はい、それは存じ上げております」

「その後は……ガルディアンやこれから仲間になる者達と余生を安全な屋敷でゆっくり平穏無事に過ごすつもりだ、これはルフネにも了承済みだ」

「まぁ主も人間である以上身体も衰えて来ましょう、その時に向けて我もしっかりと働きますぞ」

「それともう一つ、これは出来るかどうかは正直分からないし、ルフネの承諾も得ていない」

「それは一体?」

「出来ればルフネをこの世界に呼びたい……」

「なっ!それは」

「分かってる、まずはルフネと話をしないと始まらないが、この世界に来て貰って色んな話をまたしたい、勿論断られたら諦めるし、出来ることは今は何もないけど、もしこっちに来れるならその為にこの世界をより良くしたい」

「成る程…確かにルフネ様は普段はいつも一人でおられる」

「だけど今は保留だな、ある程度の地位に行かないとな」

「では、差し当り情報と食料、拠点、戦力の増強、主の地位の確立の五つが必要となりましょう」

「そうだな、さすがガルディアン、適切なフォローありがとう」

「我に出来ることなら何なりと」


それから俺達は太陽の向きから南を進むこと大体30分ほど歩き空に煙が上がっているのが分かった。


「ガルディアン、やったぞ、今日は野宿しなくてすみそうだ」

「んっ?待たれよ主、スーーーー……」


ガルディアンは思いきり鼻で息を吸うとこちらを向いて言った。


「木が燃える匂い……それと血、金属の匂いがあの煙からは匂っきますぞ」

「それってまさか…」

「はい…恐らく何者かが戦っているようですな」


早速だよ、まだエテルニタに来て一時間も経ってないのに。


「……行こう、どうするにしても情報は必要だし」

「ならば、主よ急ぎましょうか」


俺とガルディアンはモクモクと上がる煙へ向けて走り出した。


20分ほど走ると少し開けた場所が見えた、そしてかなりの数の死体が見えてきた、俺達は近くの草むらに身を隠した。


「ハァ、ハァ、ハァーどういう状況だこれ」

「どうやらここは村のようで、取り囲まれているのが服装から騎士のようですな、囲んでいるのは盗賊の様ですな」


さすがですねガルディアンさん、あなた息一つ切れて無いよレベル104の速力200は伊達じゃないな。

息が楽になっていく、体力が超急速に回復してるのか?


「おいおい、あと4人もいないぞ、あっ!2人殺られた…残ったのは女性か?」

「のようですな、如何致しますか主」

「初仕事だガルディアン!あの盗賊らしき奴等を片付けるぞ!」

「そう来なくては!」


俺とガルディアン草むらから勢いよく飛び出し、盗賊に向けて走ると女達が倒され鎧を剥かれていた。


うん、最低の屑だな容赦は要らないな、情報を吐かせるのに一人は必要か。


「ガルディアン!まずは挨拶がわりにあの覆い被さってる男を殺ってくれ」


「承った!」


―――ブォン!!パキ―――


ガルディアンが駆け出しハルバートの鉤爪を真横に振ると男の顔が耳の辺りに鉤爪に刺さり首から離れていた。男の顔は下衆な笑みを浮かべたままの状態で死んだのも分かってはいないようだ。

あの筋力であれはえげつないな南無三。


鉤爪に刺さった顔をブォン!!と上下に振ると顔が音を立てて潰れた。


ベチャッ!!


おうふ――――気を付けておくれガルディアン、色々とヤバい物が飛ぶからさ。軽くトラウマになりそうだよ。


「予想以上に腐っていそうだな、ガルディアン」


「そのようですな主よ」


「お楽しみの所悪いですが、胸糞悪いですのでこの世界からご退場してもらいます。ガルディアン一人だけ残しては出来るだけ痛いように殺そう」


「我は主の仰せのままにしましょうぞ」


盗賊達はやっと一人死んだのに気付き、こちらを振り向く。


「なっ!なんだーおめぇら!よくも俺達の頭を」


あっ…頭だったんだ、コイツから情報聞き出せたな失敗したな。


「おっおい!あの男の隣ミッ…ミノタウルスじゃねぇか!?」

「マジかよ、こんな辺境に何でミノタウルスが人間といるんだよ!」


盗賊達は盛大に狼狽えていたがやがてある一人が。


「おい!待てよ俺達には人質がいるじゃねいか!おいこの人質がどうなっても良いのか!」


「くっ離しなさいよ!この下衆!」


あーそう来たか、いやそう来るよなだって盗賊だもの。

俺は作戦ひそひそとガルディアンに耳打ちする。


「ガルディアン投擲ってしたことある?」

「成る程、問題ないですぞ」

「ならこの辺の使わせて貰おうか?」

「そうですな、では集めるのは頼みましたぞ主」

「ああ、ならそういう事で」


作戦は決まった、後は上手く立ち回るだけかな。


「おい!おめぇら!何さっきからごちゃごちゃ言ってやがる」


「あ、何でもないから、もう終わるから」


俺は近くにあった剣を5,6本引きずって集めてガルディアンの前に置く。


「なっ、何をする気だそんなもん集めて」


盗賊達はそれぞれ剣を構え、ながら後ずさって行く。

俺は取り敢えず20本程集め終わった。

ガルディアンの方もハルバートを置いて肩をブンブンと回して準備完了のようだ。


「それじゃあ、始めようかガルディアン」

「うむ、では我も少し本気で行きますぞ主…フンッ!!」


――――ヒュン


風が吹くと剣が物凄い速さで飛んで行ったのは分かった。

そして当たった盗賊の方は並んでいた2人の腹に穴が開いて倒れ剣は奥の木に刀身の半分が刺さっていた。


――――ヒュン―――ヒュン――ヒュン――ヒュン――ヒュン――――


放たれた凶刃は的確に盗賊達を捉えていた。

後は10人程に減ってようやく人質を放り出し逃げ出し始めた。


「に!逃げろ!ば、化け物だー!」

「ヒイイィィィ!」

「たっ助けてくれー!」


俺は別の武器をがさごそと集めてはガルディアンに渡して行った。放り出された女性は口を開けて呆然と倒される盗賊をみていた。


「むっ?主、そろそろ我が一人捕縛してこよう」

「ああ頼むよ、俺はあそこの二人の方を助けておくよ」


俺は近くに騎士の遺体が着けていたマントを二人分手を合わせてから取り、女性の方に向かう。


「こっ…来ないで」

「それ以上あたし達に近づくな!」

二人は酷く撹乱しているようだった。無理もないこんな状況で男達に襲われたからな。


「何もしない、只これで身体を隠した方が良い。もう大丈夫だ心配ない」


俺はゆっくりと近づき二人に身体をを隠すマントを渡すとまた少し距離を取る。二人共服がはだけていることに気付いたのかマントで隠すように被る。こんな時どうすれば良いのかなんてそんな事は分からない、でも人として踏み外した事はしたくないな……。

「……あ…ありがとう…」

「…おかげで助かったよ」


落ち着いて来たようだ、良かった。けどここは色々と精神衛生上宜しくない一度移動するかするか。


「俺は景明…景明翔馬だここは色々とアレだからあっちの森の近くに行こうか」

「分かったわ………カゲアキ…ショーマ…」

「あぁ…分かった……」


――――ドッ、ドッ、ドッ、ドッ――――ザザッ


馬の蹄のような音が近づいて来るのが聞こえてくると立派な牛角が木々の奥から見えてきた。


「主よ、只今戻りました。それとこれは盗賊の残りです」


ヒョイっと摘まむように片手で盗賊の男を持ち上げるガルディアン。うわー盗賊の方は泡吹いて白目だよ、これ生きてるか?


「それじゃあ、叩き起こして色々と話して貰おうか」

近くにあった縄で男を後ろ手に足も縛りあげる。すると先程の女性二人がマントで身体を隠しながら近づいて来る。


「カゲアキ……助けて貰って、その上こんな事を言うのは心苦しいのだけど……」

「どうした?……えっと…」

「リアレス……リアレス・アリアージュよ…森の先の街レティセンシア騎士団獅子の牙(レオーネファング)所属よ」

「…あたしはネルト、リアレスと同じ|獅子の牙《レオーネフとファングに所属している」

「リアレスさんにネルトさんだね、それでどうかしたのかい」

「その盗賊の男は引き渡して欲しいの、賊の詳細と…その…今回の騎士団にこの件の報告の為にも……」

「それにコイツらはあたし達に言ったんだ、『村の女共と同じように殺すんじゃねぇぞ』って……だからまだ生きてるかも」


「別に尋問した後なら好きなようにしていいよ」


「そりゃあたし達もそんな奴を生かしておく価値もないのは分かるけど」


「まぁ俺も盗賊のアジトがあるなら潰しておくつもりだから、ガルディアンもそれで良いか?」


ガルディアンは獲物のハルバートを軽く振るい「主がそれを望むなら我は共に向かおう」と言う。そう言えば紹介してなかったな。


「リアレスさんネルトさん、遅くなったけどこっちは俺の仲間のガルディアン、顔は怖いかもしれないけどとっても頼りになる優れた武術の使い手でミノタウルスのガルディアンだ、宜しく」

「主よ顔が怖いは余計だぞ…我はガルディアン」


二人はガルディアンに向いて深く頭を下げた


「先程は危ない所をありがとうございました。よ、よろしくお願いいたします」

「よろしくお願いするよ、ガルディアンさんお陰で助かったよ」


態度に違いがあるようだが、確かに戦ったのはガルディアンだしな。


「……おぬし達何か勘違いしておるようだな」

「えっ?」

「あたし達が?」


ガルディアンかこちらに視線を向けため息をつく


「我は別におぬし達が助けるつもりなど毛頭なかったが…そこに居られる主、カゲアキ様の望みを叶えたまでだ。おぬし達を救ったのは我では無く我を従魔とした主だ」


なんて主人思いなんだガルディアン、つくづく仲間になってくれてありがたい。


「主は寛大であるがおぬしらはその恩を無下にしたようなものな―――」

「ガルディアンその辺でいい、今は捕まって村の女性の捜索を急ごう。リアレスさんネルトさんそれで良いね」


「「は、はい」」


俺はガルディアンに近づき、ガルディアンにだけ聞こえる声で『ありがとう』と伝える。


今の俺に出来る事はたかが知れてる。だが俺にも意地はある。


「おい…起きろ」


パンッ!!


盗賊は顔を平手打ちされて唸る


「―――ウ、―――ッ!!」


縛られた手足に気付いた盗賊はなにがなんでも起こったのか分からない様子でこちらを見ていた。


「お前達、なにもんだ……俺をどうするつもりだ」

「こちらの質問にだけ答えろ、嘘をついても良いが時間も無いのであまりお薦めはしないな」


そのまま男を転がし、男の後ろに立つガルディアンを見せてやった。


「――ヒイ!さっ、さっきのミノタウルス!?」


ガルディアンはハルバートを抱えるように、腕組みして盗賊をひと睨みする。


もう一度転がし、こちらを向かせるとガチガチと恐怖で震えていた。


「それじゃあ質問、お前達の仲間はここにいたので全員か?」

「い、いや……村の女を捕まえた……いやお頭の指示でしかたなく――」

「ああ、そういうのいいから続けろ」


賊の目の前にサクッと白銀の剣を突き立て急がせる。


「おっ女達を見張るのに…ふっ二人アジトに残った………」

「次の質問、村の女性の人数は?」

「三人だ……若い娘でそれ以外は……」

「殺したか……」

「なんて奴等なの!」

「コイツらのせいで…あたし達は…」


リアレスとネルトは沈痛でとても悔しそうな顔をしていた。


「次の質問、お前達のアジトは何処だ?」

「……ここから北に少し行った所に洞窟にアジトがある、女達もそこに…」

「そうか、なら最後の質問だ……ここで騎士達を襲ったのは偶然か?それとも誰かに依頼されたか?」

「―――!あ、あんた…何でそれを!!?」

「えっ?!カゲアキそれって…」

「何となく、おかしな所があったなと思ったからね。さっき見た騎士は致命傷ではないのに口から泡を吹いて死んでいた。という事は毒か何かを使われている。だがここにいた盗賊に毒を扱う技術があるとは思えない」

「ならあたし達は…ここへ来る事も仕組まれて……おい!お前誰に頼まれた!」

「俺は言えない!言ったら俺が殺される」


言えないって、もう言ってるようなもんだろ。


あ~やだやだ腐ってるねドロドロのネッチョンネッチョンだよ。


「ならもう必要は無いか…折角のチャンスを無駄にするなら仕方ないな洞窟にいるどちらかに話して貰おう、ではさようなら」

「ままっ!待ってくれ!俺達に依頼したのは――――」


――――ザシュッ!!


「――ウガ……グァ…」


さっきまで話していた男は首を短刀で貫かれてゴポゴポと血を口から流し、短刀の飛んできた方向にはフードを目深く被る者が短刀を投げたであろう右を腕を下げて立っていた。


「やはり盗賊ごときでは役不足でしたか……」

読んで下さった方ありがとうございます。

なかなか話が進みませんが頑張ります。



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