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第一章 プロローグ1

この世界は残酷だ....。


そう思わずにはいられない。


こんなに簡単に人は死ぬのか。


この春に高校を卒業し、田舎を出て上京....する筈だった駅の階段で踏み外すまでは....。


あっという間だったそうだ、新幹線のホームへ向かう階段を期待と不安に胸を膨らませて....。


最後の一段を踏み外し、そのまま転げ落ちた。


――――あっ....


頭部強打による転落死だったらしい。、


まさか死ぬなんて、考えてもみなかった、気を失っただけだと…


家族と改札口で挨拶をして十数分後に死体で家族と再会。


まぁよくある霊体になって自分を見下ろして、死んだ事に気付く……。


なんて都合の良い事は無く、ましてや病院のベットの上で目が覚めるでも無く。


俺が目を覚ましたのは見知らぬ部屋の椅子に座っていた……。


「あら?起きましたね、お早うございます」


――――

――


目が覚めると俺は見知らぬ部屋の椅子に座り、目の前には机があり、そこにはスーツを着たメガネがよく似合う知的美人が書類を整理していた。


何が起きたのか判らず、記憶を整理しようとして頭痛が…。


「っ!!」


思わず手で頭を押さえると目の前の美人が話掛けてきた。


「あら?起きましたね、お早うございます」


と、取り敢えずこの美人さんに話を聞かなければ。


「ここは……?」


自分でもそんな事を?と思う酷く曖昧な質問しかできなかった。


「はい、では貴方の今の状況を簡単に私から説明させて頂きますね」


美人さんは書類整理の手を止め、こちらを向き営業スマイルバリバリで説明してくれた。


「貴方は、駅の階段から落ちて頭部強打が原因でお亡くなりに、お身体は火葬を終え、魂がこの…分かりやすく言うとここは、あの世とこの世の"狭間"で来世へ向かうか、地獄に落ちるか分ける為の中継地と言った所ですね」


…はい?死亡?狭間?中継地?


「ちょ!?すみません!死んだ?!俺はここにいるじゃ無いですか?あの世って…」


いきなりとんでもないワードの連発で頭がパニック、パニックですよ。


「まぁ、落ち着いてくださいと言うのは無理でしょうが一度深呼吸しましょうか」


美人さんは、まぁまぁと言った顔で深呼吸をするように促す。


「スーハ~…スーハ~~…」


俺は取り敢えず混乱する頭の中をリセットする為に深呼吸を繰り返す。


「ここにいるのが信じられないようなので、落ち着いてゆっくり私の手を触って見て下さい」


俺はその綺麗で透き通るような手にドキッとしたが言われた通り手を伸ばす。


「失礼します、…あっ…えっ!…あれっ!」


美人さんの綺麗な手に触れようとすると、スルっと通り抜ける。


透き通るような手というか俺が透き通ってしまった。


「御覧の通り、貴方は今実態の無い魂、身体は生前の記憶による形作られたものです、残酷でしょうが貴方はお亡くなりになりました、ご理解頂けましたか?」


美人さんは真剣な表情で話す、このような事を何度もやっているのだろう....とても慣れている。


こんな風になるのか…もはや絶望や驚きを通り越して、諦めの境地だよ。


「理解しました、取り乱して申し訳ありません…」


すると美人さんは今度は自然な笑みを浮かべて話続ける。


「いえ、貴方はだけではありません、余程高齢か自殺なされた方以外は皆さん、同じようなものですよ」


その優しい笑みに俺は人生で一番.....まぁ死んでるけど、とにかく気持ちは人生で一番癒される瞬間だと思った、天使って…こういう人の事なんだろうなぁ~と、神とか仏なんていないと思ったけど…天使は居た今、目の前に!。


「申し遅れました、私はお亡くなりになられた方々の来世への転生のお手伝いをしております、日本担当課、梓 雪枝(あずさ ゆきえ)と申します」


何てこった天使は名前の響きも美しい…ドキドキする、心臓は無いけど。


「はっ、はい!よろしくお願いします、俺は―――」


景明 翔馬(かげあき しょうま)さんですね、今こちらで書類を見せて頂いております」


「えっ!?書類?」


梓さんは五、六枚の紙を手に取っていた。


「はい、お亡くなりになられた方はこの狭間で魂の罪など色々な情報が全て書類となって出てくるようになっております、年齢を経ればそれだけ枚数も多いのですが景明さんはお若かったので」


何ソレ怖い!色々知られたく無いことまで梓さんに見られてる!?


「因みに、それは見せて頂けたりは―――」


「すみません、こちらは本人には閲覧不可と規則で決まってまして…」


ハハッですよねー…終わった……俺は人様に迷惑を掛けるようなことをしていた訳ではない、むしろ真面目、誠実を座右の銘に細々と暮らしてきたつもりだ。


あぁでもどこで何があるかわからないし、それを見られてる。


思い当たる所.....無いと言えば嘘になる、そうそれは俺が童貞という事でそれは載っているのかどうなのか…、ヤメテそんなじっくり見ないで、穴があったら入りたい。


「…………」


梓さんが真剣な表情で無言で俺の書類を見ていく。


何かもう、恥ずかしくてもう一度死にたい気分デス。


そして最後一枚を見て梓さんが驚きの表情に変わった。


「これは……いえ、そんな筈は…まさか…」


梓さん俺は童貞ですよ、例えその紙に俺の性癖が載っていたとしてもそこまで、本人の前でそんな露骨に驚かなくても、ああそうか....コレが俗に言う羞恥プレイですか…何かもう色々勘弁してください。


俺もバレバレのポーカーフェイスしてるんですから。


「何かありましたか?」


もうコレが精一杯の抵抗ですよ。


「いっ、いえ何でもありません!少し席を外しますのでもう暫くお待ち下さい」


そう言って梓さんは俺の書類を持って部屋を足早に出ていく


「はい、分かりました…」


おいおい、マジですか…その書類を誰かに見せるつもりですか梓さん、いや驚くのも分かりますよ、童貞で人外娘が好きですよ俺はでもそれが罰になるの?地獄行きなのもしかして?


暫くすると梓さんとイケメンおじさんが来た。


「景明翔馬さん、申し訳ありませんが別の部屋でお会いになって頂きたい方がおりましてご足労願いませんか?」


イケメンおじさんは丁寧な口調で梓さんと頭を下げる。


「どうかしたんですか?俺なんかに頭を下げる必要はありませんよ、それで誰に会えば良いんですか?」


「我々とは異なる存在の御方です、説明はその御方から」


すごいな、御方とか言う人初めて聞いたよ、でもそんな偉い人が俺に何のようだ?


因みにイケメンおじさんは武内 和宏(たけうち かずひろ)と名乗っていた


――――――

――――


代わり映えしない廊下を十分程、梓さん武内さんと歩きやっと奥に観音開きの大きな扉が見えてきた。


「こちらです」


武内さんに案内された部屋の扉は明らかに他の扉とは違い

とても偉い方がいるのがわかる。


「ここからは一人でお入り下さい、我々はここで失礼します、くれぐれも中の御方にご無礼の無いよう」


イケメンおじさんは念押しするように伝える。


そんなに心配なら一緒に…


いえ、梓さんだけ。


「私もここで失礼します、景明翔馬さんこれから頑張ってください」


そう言うと二人は軽く頭を下げて、踵を返す。


出来ればもう少しお話したかった……梓さんと。


んっ?これから?あぁ来世に行くってやつですか?閻魔大王とでも会うのかな…。


来世へ行く、つまり景明翔馬としての記憶、精神が無くなるのか…かなり怖いな…。


二人が廊下の角を曲がり見えなくなるのを確認して大きな扉へ向き直る。


扉へ手を……掛けられなくないか?さっき梓さんの手をすり抜けたんだよな。


恐る恐る触ると感触があった。


「どうやら、触れる事は出来るみたいだ」


一応ノックはしたが中から返事は無い。


大きな扉にぐっと押すとギギギと音を立てて開く。


目の届く範囲は中は薄暗く、だかとても広いと何となく感じた。


「失礼します――」


足を踏み入れた瞬間に……落ちた。


部屋に入って落ちたというのも変だか、落ちた。


「嘘おぉぉおぉぅ~ーー!!?」


落ちた次の瞬間足はしっかり地面?の上に立っていた。


いや、正確には真っ暗な中に地面のようなものがあったと言うべきか。


「これは地獄に落ちたのか?」


「まぁこれからの事を考えればあながち間違ってもいませんでしょう」


すると目の前には光が射し込み上から人が浮いていてゆっくり降りてきた。


美少女だ…歳は見た目は18歳ぐらい、髪はシルクのように繊細な金髪、ストレート、何かよく分からないゲームで出てくる神のような白く光沢のある服を着ている


うん、ただ際どい服装で胸がデカイ、ボン、キュ、ボン目のやり場に困るんたけど…初めてはみ乳を見たよ。


まぁ神々しいんだけど、童貞には刺激が強いです


「君は一体…」


「君が適合者ですか…以外と普通の魂ですね、まぁ構いませんが」


くるりと俺の周りを歩き、ブツブツと話ながら顔を覗き込んでくる左が碧、右が緋の瞳が印象的だった。


「ちょ、ちょっと説明してもらえないかな?」


覗き込んむと、ちょっと当たってるから。


「そうでしたね、私はルフネ・エルファリアス、異世界の神様とかやっています、君を私の世界へ連れて行くのでそのつもりで」


「…………はっ?」


俺は死んだんだから、地獄か来世って言ってた筈だけど…。


「あーもー、だから君は私の世界の住人になるんですよ」


「いやいや、俺はこの世界で充分ですよ!来世は平穏無事にじいさんまで生きる予定ですよ」


神様と名乗るルフネは、ふ~んと言って先程見た俺の書類をペラペラと捲って読んでいた。


「でも、君はこの世界では来世は虫になる予定ですよ?」


衝撃の事実がボソッと言われた。


「何で虫なんですか!人じゃ無いんですか?」


「いや、確実に虫ですよゴキブリ、何でかって言うと…」


「言うと?」


「私がこの世界の神に口添えしますから」


キッタネーー!!何この神様自分の世界に来なかったら虫するとか、ワガママな神様だな、

というかそっちの世界に俺が行って何のメリットがある?。


「取り敢えず、何で俺がそっちの世界に行く必要があるのか、教えてくださいよ」


はあ~とため息をつきながら、しぶしぶと話す。


「実は私の世界では、争いが絶えずこの争いに終止符を打ち、私の世界を平和にしてくださる勇者を探していたのです!どうか私の世界をお救いください景明様」


うん、最初のはあ~が無ければ主演女優賞ものだよ、胡散臭さでぷんぷんだよ。


「いや嘘だでしょ、さっき適合者とか何とか、大体こんな何処かのイケメンでもなく只の代わり映えの無い男が勇者に選ばれる訳がないですよ」


すると自称神はフッ、と笑い話を続ける。


「聞こえてましたか、仕方ありませんね、そうですよ君の能力で選んだ訳ではないです、君の適合者としての素質があったからですよ」


「………で、その素質があるとどうなるんですか?」


「異世界で勇者になり、人々に感謝と尊敬されます」


どやっ!という顔で自信満々で告げてくる神に心底ガッカリする。


「……で?」


「ですから、感謝と――」


「俺は聖人じゃないのでそんな物に興味はありません、俺は細々と生きていければ、それで良いです」


「まぁまぁ、そう言わずに私の世界は美人も多いですよ、景明さんが勇者として注目されれば女性からモテモテですよ」


「ふ~ん…」


「ふーんって、もしかして男性の方が……」


神様は口に手を当てて驚きの表情をしている。


「いや、もうゴキブリでもいいかな…と思って」


「そ、そんな事言わないで下さいよ~また何億人から探すの大変なんですよ、頼みますから」


「だから、俺には世界何てだいそれたものは――」


自分の身の丈にあった事をして平和に暮らせればそれで良い、自分の限界は知っているつもりだし、転生すればこの先確実に絶対に無いチャンスだって事もわかっている。


「私の世界は剣と魔法のファンタジーな世界ですよ、色んな種族も居ますし、楽しいですよ?」


「………色んな……種族……」


そ、そりゃ、そんな世界行ってみたいですけど。


「ええ、それはもう人間からドラゴン、亜人にモンスターもそれはもう沢山居ますよ!」


「………亜人」


「きっと勇者になれば、亜人の者にもモテモテですよ?」


「……亜人にモテモテ……でも只の人間が行っても世界を救うなんて……」


「フフフ、それなら問題ありません、神の権限でサービスしますよ、お客さん」


「具体的にどんなサービスが?」


「そうですね、特殊能力を二つプレゼント致しましょう、それ以外にも初心者パックを付けておきましょう」


「初心者パックの内容は?」


「私の世界は幾つかの言語があるので言葉と読み書きは出来るようにしておきましょう、君はこちらの文字を書けば対象の言語になります」


「それはありがたいです意思疎通は肝心ですから」


「では、能力の方も決めましょう、何か希望があれば出来るだけご要望にお答えしますよ?」


「そうですね…うーん、二つ………あっそういえば、俺も歳取って死ぬまでは戦いたくないですよ」


「構いません大きな争いを幾つか止めて頂ければ、どの様に立ち回っても構いませんよ、後はお好きに生きて下さい、人間の寿命は短いですから」


「でもなぁ、例え寿命を伸ばしても周りが居なくなるからなぁ~」


「魔族やエルフは長命ですが?」


「魔族……エルフ…」


凄い会ってみたいよそりゃ。


「ごく僅かにですが私の世界には寿命を伸ばす秘薬などもあります」


「それなら……あっちの世界では他に能力を得ることは出来ますか?」


「ええ、少し、修行すれば会得出来るように初心者パックに入れておきましょう、ただし最初は教えて貰わなければ手に入りません」


「神様の少しが気になるんですが、何年とかですか?」


「いえ、入り用な能力もあるでしょう数日でという事で初心者パックに入れておきます」


「それなら良かった、あっと一つ目の能力何ですが、"超回復"でお願いします」


「構いませんが、もっとビームが撃ちたいとか、人を操るなどでも」


人を操るって、もう勇者とかより魔王じゃないか、何考えてるんだ。


「ただし、全ての超回復でお願いします、体力から魔力、どんなケガ、病気にいたるまで」


「成る程それならば使えそうですね、一つ目を君のステータスに入れておきます」


「二つ目は…他力本願といえば…う~ん…何かこんな能力っていう例えがあればなぁ」


「そうですね…例えば人を操る"精神操作"、対象を奴隷にする"隷属化"、魔物や精霊などを召喚、使役する"召喚魔術"、同じく魔物や精霊を使役する"従魔術"、相手の能力を奪う"奪取"など」


「それだっ!」

「ど、どれですか?」


「従魔術ですよ、それを詳しくお願いします」


「そうですね…この従魔術は対象が術者を認め契約し魔物、精霊を使役する能力であり、レベルが上がればより強力な魔物や精霊と契約が可能です、そして契約された者は術者に忠実ですね、それぞれ契約できるランクがあり術者のレベルがそのレベルに達していない場合は契約事態が成功しないか、成功したとしても能力が強制的に数段落ちしまう、一度契約すると契約の証として術者の身体のどこかに紋様が浮かび上がります」


「契約を破棄する方法は?」


「ありませんね」


成る程、でも術者に従順なら問題ないか…。


「それと、契約された従魔は術者からの魔力供給があれば食事は必要が無くなりますね」


食費も節約出来るのか、でもそれじゃあまりに不憫すぎるでしょ。


食べなくても良いなら食うなって俺だったら反乱するよ。


「でも強いのか弱いのか分からないと困るな……」


「仕方ありませんね、特別サービスで"鑑定"もつけちゃいましょう」


「おお、さすが神様、気前が良いですね」


自慢気にフフンと鼻を鳴らす神様はこうやって見ると姿相応の超美少女だった。


まぁこんな美少女の頼みだ、聞いてあげようかな。


「それでは景明翔馬さん、君のステータスが完成しましたよ」


「はい、どうもありがとうございます」


こんな綺麗な娘ともう会えないのは名残惜しいなぁ。


「ステータスは念じることで目の前にあらわれます」


「えっと、出ろ」


ブォンと目の前に自分のステータスが出てきた。


―――――――

名前:景明 翔馬

 クラス:勇者

 レベル:1


体力:160

魔力:1100


筋力:120

速力:45

魔法力:11


取得スキル

超回復 従魔術(従魔 無) 鑑定 通訳


―――――――



なんとも偏ったというか、特化したというか。





今回初めて投稿させて頂きます、ゴンゾーと申します。

私の作品を読んで頂き、ありがとうございます。

色々と読みずらい箇所も有るかと思いますか、試行錯誤していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします

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