対岸の火事
そのとき、岸の向こう側に居た私は それを見て何を思ったのだろう。
無様だと嗤っただろうか
憐れだと見下しただろうか
取るに足らないと見向きもしなかっただろうか
いずれにせよ私は学べなかったのだ
私は気付けなかったのだ
故にこうして今、無意味に悔やみ
どうすることも出来ずに消えて逝く
それは単純なことだ
誰にでも起こり得ることだ
お前が例外なんてことは無いんだ
可能性から目を逸らすな
次の「私」よ、どうか理解いてくれ。
対岸の火事は
最後の「私」はどの「私」だろうか