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選ぶことすら許されないのか

作者: 南 恵

多分この話は前よりも重いし、人を選びます。狂ってると捉えられる思考も垣間見えるかと思います。それでもいい方のみお読み下さい。

過去に同じ経験をしたことーーイジメられたことあるなら、親身になってあげて、声をかけてあげてと言われることはよくある。

でもそれで人に声を掛けれる人はどれだけいるのだろう。少なくとも、自分は多分声を掛けない。いや、掛けられない。

それくらいに過去のことを思い出すのは未だに苦痛だし、うっかりイジメのリアル描写のあるドラマなど見ようものなら発狂すること間違い無しだ。自分にとってそれはまだ笑える過去では無く、今もなお足枷となっている過去なのである。


確かに生きてるし、笑えるようになった。

こんなことがあったんだと表面的なことを語れるくらいにはなった。

でもあくまでそれは、一般社会の中で自分を殺さずに存在できる程度だ。

多分、自分も自分にとって大切なパートナーと子供と両親と弟妹が居なければ、もういいかなと軽く終われる程度のギリギリのラインで生きてる自覚はなんとなくある。全員居なくなったら、まぁいいかと人の迷惑に掛からないように何処か適当な山の中で睡眠薬でも数粒持っていき、少し雨でも降ったりしたら崩れる崖の上で遺書を胸にしまって寝る気がする。生きるも死ぬも運任せの感覚で。

そんな自分すら怪しいのに、他人を思えるほど足場はしっかりしていないのだ。


どうして同じ目にあってる人を助けようと思わないの? という人がいる。

無茶を言うな! というのがこちらの本音なのだ。

下手をすれば此方も鬱になり、またあの頃に心が堕ちるかもしれない。此方にも死にたくないという生物的本能はある訳で、一般人ほど鋼のメンタルなど持ってない自分たちは、相手の気持ちが嫌でも理解できてしまうが故、時に同じ穴の狢になってしまう。正直今も結構ギリギリだ。


確かに声を掛けれる人も居るだろう。

だが、それはその中でも圧倒的に少数派という事実を認識してほしい。

イジメのきっかけが特に他人のイジメを見て助けようとして、そのイジメられた子にすら裏切られてイジメられる側になった自分からみたら、第三者ーー学校でいうなら学年主任か保険医当たりーーにその事実を告げる事さえ、吐き気を及ぼす。傍観者に落ちたくないから、何回かはそこまでしたが、他人の為に前に出て動こうなんて気は二度と起きない。

最低とは解っている。

だがもう一回同じことがあったら、その場で相手の首を絞める自信があるから動けない。確実に次は社会的復讐のみでは済まないだろう。憎悪だけで十年以上、今のパートナーと出会うまで生きてきただけに、ぶっ飛んでしまう思考の歪みは今更正せない。それ込みで、自分を形成済みなのだから。

そしてこの思考の歪みは声を掛ける相手にも、歪んだ思考を植え付ける可能性もある。流石に犯罪者が出て欲しくない。

また生きているからこそ自殺を考えている人にとって、結局死ぬのを戸惑う程度の苦しみだったんだろうと逆効果にもなることもあるだろう。

自殺という逃げ道しか見当たらないくらいのに、そこから逃れられた自分たち自殺未遂者は彼等にとってみれば羨ましく妬ましくそして裏切り者に感じる存在でしかない。当時の自分なら間違いなく、憎悪をそちらに向けるだろう。

何が自分と違うのか、普通に生きたいのにできなくて苦しんでるのに何故何故そこに存在を許されているのか、そんな存在が居なければここで死ぬことだって許されるのにそう苦しんでも屍のように地獄の生を味わえというのか? イジメている奴らの様に言うのか。許さない、お前も同じ様に堕ちてしまえ、死んでしまえーー、と。



話がかなり過激になった。

しかも感情的になり、このままだと何が言いたいのか解らなくなりそうになってきたので、これまでの話をきってざっくりここで結論を言おう。


つまり『イジメによる自殺未遂経験者なら、イジメによる自殺予備軍の方々をなんとかできるだろうから動いてというのをやめてほしい』ということだ。


そもそもイジメというのは大なり小なり起きるが、そこから自殺まで行くのは余程異常な環境でなければ起きない。同じ学年の全員ーー傍観者含むーーから暴行恐喝存在否定を受け、それを教師が肯定する環境が異常じゃないというなら世も末だろう。

なので、そこをまずはなんとかすれば大抵自殺者はでない。なのに自分たちのような存在が臭いものと言わんばかりに、同じ臭いもの同士でなんとかしろと言われると殺意すらわく。

言ってる人たちに悪意は無いのかもしれない。

だが同じ経験者ならーーつまり自分たちと違って異常な経験をしてるならーーと言ってるのだ。

深読み、曲解、性格や性根・思考がねじ曲がっていると言うかもしれないが、そもそもそう理解してなお社会に溶け込むようにしているのに、声をあげろというのだからそれ位の罵声を浴びせられる覚悟くらいは持って欲しい。

確かに辛いし目の前に居たら、かつてやられて嫌だった加害者や傍観者にはならぬよう動きはする。だがその行動する際の精神的苦痛は、トラウマなどない方々の比じゃないほど重くなるだろう。

だから押し付けないで欲しい、行動できるほど精神面が安定すれば動く人もいるのだから、後はその発言をする人達が動いて欲しいのだ。



それとも、自分たちには今もなお、どちらを選ぶか選択することすら許されないのだろうか?


自分は多分どこか狂ってるんでしょうね…

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― 新着の感想 ―
[一言] 狂って居ると言う寄りも何か、PTSD所謂、心的外傷ストレス障害の影響が強く出て居る様な感じかな? 思い出したく無いと言いながら、エッセイの中盤で自身に起きたイジメの内容を書いて居たりする処な…
[一言] 「その気持ちわっかるーぼくもねー」という軽い感想書こうとしたら時間が飛んだので何も言いません。 でもあなたは狂ってないし、私もまともですよ。
[一言] よく解る。 自分は一見、強そうに見えるのでよくそのようなことを言われるが。 自分は滾る闘争本能で乗り越えたので、他人に同じことができるとは思わん。 むしろ止めをさしかねん。 それでも本気で死…
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