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フリーダム親父の尻拭い  作者: 清喬
21/21

栄井家と紫音さんのSHORT TRIP(前半)

これは、自分で1から考えたオリジナル小説です。

過度な期待はしないでください。


今もなお、暑い日が続いている。8月の下旬。

「・・・あのさぁ・・・ 暑いのは分かるんだけど、もっと、ちゃんとした格好してくれないかな?目のやり場に困るんだけど」

僕、栄井 凛は、妹の皐月と居候の夜月の格好から目を背けながら指摘する。

「だって、暑いんだもん。男の子は分からないかもだけど、ブラジャーって結構、蒸れるんだよ。気持ち悪いの」

「暑いと痒くなるから付けたくない」

二人共、同じような格好をしていることから皐月が夜月に教えたのだろう。

薄めで大きめのTシャツにパンツだけの格好はスタイルのいい二人は健全な男子には直視できないのである。

必然的に露出を嫌う卯月の方を見てしまう。

ソファで横になってるため、卯月も卯月で無防備過ぎるが他の二人よりはマシである。

「・・・そういえば、お兄様。隣の家がほぼ完成しているわね」

「そうだね。なんか、学校の始まりに合わせてるっぽいけど、転校生なのかな?」

僕たちは後10日ほどで二学期に入る。

不思議な事に、僕たちはみんな早めに課題を終わらせている。

僕の影響なのかそういう性格なのかは分からないけど、後は学校が始まるのを待つだけの状態である。

そして今日から1週間、紫音さんからお誘いがある。

紫音さんの別荘で水着のモデル撮影をするらしいけど、それはおまけで夏休みの思い出を作ってほしいとのこと。

「遊ぶ」ことがとても壮大である。

「日が落ちた頃に紫音さんが迎えにくるから準備しといてね」

という電話が僕当てに届いていた。

どうやら最終決定は僕と言う事が分かっていて、二度手間にならないように僕に連絡するようにしているらしい。

そっちのほうが僕的にもありがたい。

「別荘があるって紫音さん、何者なのかしら?」

「まぁ、小さい店舗とはいえオーナーだし、そっちでも写真撮影をすることもあるらしいよ。僕たちだって水着の撮影会だし、時期としては遅い気もするけどね」

「そうよね。もう夏も終わりそうな時期になんでなのかしら?」

「あの店舗を空けるのに友達と遊ぶって言えないし、写真撮影の遠征ってことにすれば、変な噂は立たないだろうだって」 

「気にしない気にしない。いろんな水着が着れるし、旅行みたいなものだし楽しもうよ」

僕と卯月の紫音さんが何者か話に横で聞いていた、皐月が正論を言ってくる。

「紫音さんが何者だろうと、私達を歓迎してくれるなら何も考えずに楽しもうよ。建前って本人が言っているなら本音はその逆で遊びたいってことなんだから、それでいいと思うのだけど」

「僕たちもただ気になっただけ、仲良くなれば相手の事をもっと知りたくなるから」

たまに、皐月は無意識なのだろうけど静かに刺してくる。

「わたしは、純粋に綺麗でいい人で優しい人の紫音さんと一緒に遊びたい」

夜月の無邪気な笑顔は、少しだけひりついた場を和ませてくれる。

それはみんな同じように思っていることだから変に考えないようにしよう。

「でもさ・・・わたし達が知らないことをりんだけが知ってるってなんかもやもやする」

「次会ったときに聞きたいこと聞けば答えてくれるでしょ、僕は、直接やり取りする事が多いからそういう話もするだけだよ」

卯月以外は積極的だし、卯月は浴衣の撮影をしたときに一番、打ち解けているように見えたから聞けば何でも答えてくれると想うのだけと。

「・・・そういう意味じゃないんだけど」

「・・・まぁ、お兄様だからね・・・」

皐月と卯月が何かコソコソしてたけど、いつものことである。

「ねえねえ!りん、どんなこと聞けばいいと思う?」

あの二人と違ってウキウキとした感じで聞いてくる。

「夜月は、カメラに興味を持っていたし、そのことを聞いてみれば?人間というもの自分が好きなことに興味を持ってくれる事は嬉しいからね」

「でもわたし、カメラの使い方教わったよ?」

「教わってたね。より知ろうとしてくれれば、紫音さんも喜ぶよ。いつの間にか、紫音さんを助けていたりしてね」

写真は、撮る人によって違うため、様々なものがある。

風景を撮るのに被写体は邪魔だという人もいれば、風景に被写体がいないと寂しいという人もいる。

僕は、紫音さんがプライベートで趣味としてのカメラマンを知らない。

よく相手と仲良くしたいのなら相手の趣味を尊重しなさいとか聞くけど、それが1番難しかったりする。

カメラにもジャンルがあるため、ジャンルによって好きや嫌いもあるし、相手だって嫌いなものの話をされても嫌になるだけだ。

カメラが好きは分かってもカメラのなんのジャンルが好きかを知るために、さらに仲良くならないといけないし、相手にも自分と仲良くなってもらわないといけない。

長い付き合いの人なら自然と分かってくるけど、あったばかりの人にはそうはいかない。

「お兄ちゃん、また余計なこと考えてない?」

顔に出ていたのか、皐月に突っ込まれる。

「あぁ、ごめん・・・つい、考え事をしちゃって」 

「なんで、お兄ちゃんはそんなに警戒するの?」

なんでだろうか、気づいた頃にはそうなっていた。

「あぁそっか・・・私たちのせいか・・・」

「?」

ここで何かを言わなきゃいけなかったのか、皐月は遠くへ行ってしまった。

「・・・ねぇ、お兄様。中学校は出席してて辛くなかった?」

「唐突な質問するね、別になんとも思わなかったな。2人に比べられる事は多かったけど、僕から見ても優秀だったし、ちゃんと僕を見てくれる親友もできたしね」

中学校の頃、才色兼備の二人目的で、僕に近付いてくる人達は多く、何度も裏切られ、嫌な思いも多くしてきた。

稀にその逆の場合もあった。

二人が僕のことを楽しそうに話すから僕に興味を持ち、近付いてくる人もいた。

それがこの親友だ。

最初は本当に興味本位で関わってきてたけど、話すことも増え、一緒にいることが増えた。

気づいた頃には親友となっていた。

「二人と仲良くなろうとしたら、二人の友達の一人の親友が出来て、人生何があるか分からないな」って笑いながら話していた。

そいつは、しっかりした夢があり、その夢を叶えるために、中学校卒業と同時に地元を離れて、一人暮らしをしている。

僕の勧めたオンラインゲームもやっていて、チャットをしながら話す。

(そういえば、一人暮らしするにあたって色んな事聞かれたな)

中学校では、何かしらの部活に入るのが必須であったため、僕は、家庭科部に入っていた。

やっぱり、女子生徒の方が圧倒的に多く、男子生徒は片手で数えれるくらいだったのだがそいつも僕と同じ部活に入る事にしたらしく、男子生徒が2人も増えたって部長が喜んでいた。

僕は昔からやっていたため、特に教わることはなくやっていたが親友は、全くやってこなかったわけではないけど、悪戦苦闘していた。

そのためか一人暮らしをすると決めた頃から色々と聞き回っていた。

手先は器用だからすぐに自分のものにしていた。

親からの支援はあれども、必要最低限のため、自由に使えるお金がほぼないから自分でもバイトをしているらしく、今回は、帰れるほどの余裕がないとの事。

少し残念だった。

今年の冬、もしくは来年の夏には、一度帰ってくるそう。

長期休暇でバイトの休みがもらえたら泊まり込みで遊びたい。

「りんは、いじめられてたの?」

夜月がこれまでのやり取りを聞いていたのか、悲しそうな顔で僕をみる。

「違う違う。ほらあの二人って家事以外は見た目も頭脳も何もかもが優秀だから、家事以外は普通の僕は比べられて、2人に近づくための通り道として見られて肩身が狭かっただけ」

と苦笑いをした。

「りんは辛くなかったの?」

「そのおかげで、一生の友達が出来たから別に辛くなかったな、その友達もなんとなく状況を察して、僕を守ってくれてたし」

「じゃあ、なんでさつきはずっと悲しそうにしているの?」

「卯月の話だと、僕が中学校を辛いと感じていて、その元の原因が自分たちだと思っているらしくて、人気のある2人に近づくことができず距離を置かれていると感じていて、そのまま僕が中学校卒業しちゃったから罪悪感を感じているらしい」

「りんは、ちゃんと話したの?」

「話したけど、それすらも僕が心配しないようにしているだけだと思っているらしい。卯月は、本音だと理解してくれたんだけどね」

最近は、こういう事がなくなっていたけど、新しいことが始まったからなのか思い出してしまったのだろう。

人は、心に深い傷負ってしまっていると、二度と繰り返さないように、過去の物事を思い出してしまう。

これは、進化の過程によって長い爪や鋭い牙を失い、賢い頭脳を手に入れたヒトが生き抜くための本能である。

僕は博識者ではないので、確かなことかはわからないけれど、そんなふうに思っている。

「りんは、このままでいいの?」

「僕が言っても同じようなことになるだけだから、同じ体験・考えをして、その不安から開放された卯月の方がこの場合は適任かな?」

「でも、りんとさつきがこのままなのはやだよ・・・」

「いくら仲良しでも、距離を置いたほうがいい時があるからね。今がその時なだけだよ」

「そんなの嫌だよ・・・」

「大丈夫、少しの間だけだから心配しないでいいよ」

いつまでも不安そうにしている夜月をなだめた。


休みはいつもは各々、好きなことをしているが今朝のことがあってか皐月と卯月が二人で過ごしているようだ。

僕も自室でゲームをしたいけど、夜月が二人に遠慮してなのか僕の自室までについてくる。

「・・・ゲームやる?」

「やる!」

こういうのに今まで興味を示さなかったから恐る恐る提案してみたけど、思っていたよりいい反応だった。

親父とゲームしたことがあったし、部屋から持ち運びしやすいゲーム機を発掘し、2人で協力し合うゲームをやる事になった。

僕は基本的な操作を教えて、チュートリアルをしてもらい、協力プレイをすることにした。

ゲームは、誰でも見たり聞いたりしたことは必ずあると思われる、マイ◯クラ◯トだ。

僕は基本的に、いい場所を見つけたらそこに家を建てて、畑を作り、動物を飼育して、釣りをして、のんびりするのがのんびりするのが好きだから大体ソロでプレイする。

最初は、夜月も一緒にやっていたが、飽きたのか1人で冒険し始めた。

「まよった〜」とか「しんだ〜」とか「なにあれ!」とかゲームをしながら色々声を出している。

戻るたびに進化していく家に感嘆の言葉を出してくれて、やってて楽しくなってきた。

「お兄ちゃん、時間大丈夫なの?」

夜月と2人で、夢中でゲームをやっていたら、皐月に声をかけられた。

時間を確認するともうすぐ紫音さんが迎えに来る時間だ。

「うわ、もうこんな時間。ほら夜月、終わるよ」

「ええ〜、やだー、もう少しやる!」

「もうそんな事、言ってられない時間だよ。せっかく迎えに来てもらうんだから、待たせちゃ悪いでしょ」

「・・・分かった。準備する」

と言いながらもゲームを止めない夜月からゲームを取り上げ、強制的に準備させる。

むすっとしながらも準備し始める。

「分かった。ゲームも持っていこう。紫音さんがいいって言ったら一緒にやろうな」

「うん、分かった!準備する!」

「・・・お兄様、それ持っていくの?なら、私も持っていこうかしら」

皐月以外はみんなゲームが好きなため、1人1台持っている。

「夜月。お兄様と何をやっていたの?」

「うーん・・・これ!」

卯月は几帳面で、本体専用の入れ物やゲームのカセットの入れ物などをよく使う。

よくやっているやつを本体専用の入れ物のポケットに入れているようだ。

「・・・確かにこれは、時間を忘れるやつだわ・・・これもやってみる?お兄様もお父様も確か、やっていると思うけど」

卯月が指さしたものはモン◯ターハン◯ーだ。

確かに、夜月こっちの方が好きかもしれない。

「・・・これは、1人もしくは数人で自分より何倍も大きいモンスターを倒していくって言うゲームよ。やってみると楽しいわよ」

「うん!楽しみ!」

「それじゃ、準備さっさと終わらせよう」

必要最低限ものは用意してあるみたいだから、とりあえず着替えと個人用の衛生用品をそれぞれ準備する。

早足で用意したため、最後の確認は忘れずに。

こういうのは自分で確認した後、第3者確認があればいいのだがプライベートの物があるため、少し怖いところがある。

「よし大丈夫。僕の荷物はこんなものかな?みんな大丈夫?」

「お兄ちゃん。夜月の分のケースがないから一緒にしてるけどこんな感じでいいの?」

大きめのキャリーケースに夜月の分と皐月の分にそれぞれまとめてあるのと、野外で遊べるような物とちょこんと一つのゲーム機がある。

後、分かる・・・分かるけども

「あの・・・せめてこれ、何かで隠して」

キャリーケースを開けるとなんとも可愛らしい下着の固まりが一番上にある。

「お兄ちゃん、まだ気にしてるの?いつも洗濯してくれてるじゃん」

「そうだな、何種類かのを順番に使ってるから見慣れてるけど、これは普段使わないやつだからなんかね・・・まぁ、大丈夫かな?」

あまり見続れないから確認してすぐにキャリーケースをとじる。

「お兄様。わたしのもこれでいい?」

見てみると普段通りの黒とか紫の下着が見えた。

「ほんとに、卯月って黒っぽいの好きだよね、キャリーケースも黒だし、ゲームの入れ物も基本的に濃い目の紫とかだし・・・っていうかゲーム多いな・・・なんか同じのもいくつかあるし」

「自分用と夜月への布教用よ。そのために同じのをもっているのだから」

「そうですか・・・必要なら仕方ない」

「ちゃんと、分かってくれてるお兄様。大好きよ」

そんな話をしているとインターホンがなった。

紫音さんが来たようだ。

「こんばんは~。お待たせしました。準備はいい?」

「大丈夫です。ここから、どれくらい掛かるんですか?」

「う〜ん、まぁ遅くて1時間半で早くて1時間ってとこかな?」

「・・・今日は着いたら何かするんですか?」

「いーや、明日に備えて休んでもらうつもり」

「そうですか・・・だったら、紫音さんを休ませるついでに家でご飯食べていきませんか?向こうについてからとなると遅くなるので」

「・・・うーん、そうしようかしら?」

「もちろん、どうぞどうぞ」

紫音さんを家に招き入れる。

「少し待っててください」

キッチンに向かうと夜月が「私も行く〜」とついてきた。

夜月が手伝ってくれたおかげで少し早めにご飯ができた。

料理を作ってる間、後ろで3人で談笑する声が聞こえてきたので、みんな楽しそうだった。

「残り物で簡素なものですがどうぞ」

「わたしもがんばって手伝った!」

「これはどうもご丁寧に」

日本人の特有である、お互いにべコリと会釈をする。

「いただきます」と言って食べ始めた、紫音さんが驚いたような顔をする。

「おいしい!」

「それはどうもありがとうございます」

「お兄様のご飯は格別」

「お兄ちゃんのご飯を食べると他の食事が食べれなくなるよね」

いつも言われてはいるけども、始めて口にした人にもそう言われるとなんか安心する。

そこでふと気になったのだろうか紫音さんが「あなたたちは手伝ったり作ったりしないの?」と皐月と卯月に問いかける。

「手伝ってお兄ちゃんのためになるのならやりたいですよ」

「皐月とわたしは、手伝うどころか余計な仕事を増やすだけ・・・わたしたちは家事全般、全然できない」

「そんなこと気にせず、手伝ってくれればいいのに。わからない事があれば、教えてあげるし、夜月だって最初は包丁の持ち方すら知らなかったんだよ?」

まぁでも、昔は結構聞いてきたけど、あまり伸びなかったのは事実である。

「お兄ちゃんが完璧すぎて、私たちの入る隙間がないんだよね」

「だったら、この1週間で色々と教えてあげよっか?」

紫音さんがそんな提案をしてくれる。

「いいんですか!?ありがとうございます」

皐月が喜んでいる。

これでできるようになってくれれば少しだけ楽になる。

「さて、片付けたらそろそろ家を出ましょうか?紫音さんは、それまでゆっくりしててください」

僕はそう言いながら片付けをはじめた。


しばらくして片付けが終わり、出発の時間となった。

改めて手荷物の確認、家の戸締まりをした。

「あっそうだ、1週間くらい家空けるし、消費期限の近い食材は持っていこう」

小さい手提げカバンが増えたけど、まぁ問題はないだろう。

1時間以上の運転で、紫音さんに負担がかかるから感謝しないと。


紫音さんの運転で到着した場所は、それはそれは立派な建物だった。

玄関に入ると機材を運ぶためだろうか、廊下の幅が広く、右には男子トイレと女子トイレ、左には男子風呂と女子風呂があった、お店以外で分けられてるの初めてみたよ。

家の大きさをほぼ占める大きな部屋があり、その片隅に、大きめなキッチンがある。

広々としていて料理がしやすそうだ。

そして二階は、吹き抜けており、8個くらい個室らしきものが見え、二階にも男女別々でトイレがある。

目の前に広がる大きなガラス窓は開くことができ、縁側となっている。

二階にも大きなガラス窓があり、そこはベランダとなっている。

ガラス窓から外に出ると中庭になっていて木々に囲われており、家の外からは見えなくなっている。

プールがあり、BBQセットもあり、夏の定番が楽しめるようになっている。

「すごいですね。これ・・・ここには住まないんですか?」

唖然としてしまい、そんなことを聞いてくる僕に紫音さんは苦笑しながら言う。

「・・・この家は、一人で住むには大きすぎるのよ」

たしかにそうだ、自分がこの家で生活しているのを想像すると寂しすぎる。

「さて、1時間ちょっとの移動お疲れ様でした。今日はゆっくり休んでね。お風呂沸かそうと思うんだけど、凜くんはどうするの?」

なんでわざわざ聞くんだろうと思ったらここはお風呂が男女別だということを思い出した。

「そうですね。僕一人のために沸かしてもらうのはちょっと申し訳ないので、シャワーだけ貸してもらっていいですか?」

「遠慮しなくてもいいのに、そもそも私が誘ったんだからもっとワガママになっていいんだからね」

「じゃあ、1つだけ・・・ゲームとか外の広いところでスポーツしてもいいですか?」

僕はワガママを言ってみる。

「えっ?そんなこと?泊まり込みでの撮影会とかあるから私自身としては、ゲームもスポーツも立派なコミュニケーションツールだと思っているからむしろ準備してあるよ?」

大きなテレビ台には棚があり、その中にいろんなものが入っていた。

昔のゲーム機から最新のゲーム機まで揃っている。

ゲーム好きとしては宝の山である。

「ただ、みんなでやれるパーティーゲー厶しかないから1人用のゲームとかオンラインゲームは持参して貰ってる。後、アウトドアの遊びはここに道具が入ってる」

縁側の端の大きな入れ物にたくさんのアウトドア遊び道具が入っている。

「こんな撮影現場ならものすごく楽しそうですね」 

「写真撮影で重要なのはリラックスすること。緊張していると表情が固くなって本来の魅力を出せないからね」

カメラのことを知らない僕でも、そういう話はよく聞く。

とは言ってもいざとなると緊張してしまうのが人間というものであり、その緊張に打ち勝つものがこういう界隈で生きていけるのだろう。

「あ、そうそう。ここのお風呂って、1人用のがなくて大浴場みたいになってるから入るときは数人で入ってね。まぁ、人数的に凜くんは1人になるけど」

「それなら余計に、お風呂にお湯を張らなくて良かったですね」

「どちらにせよ。もう少し時間が経たないとお風呂にははいれないから荷物をそれぞれの部屋に置いてきたら?みんな、適当に部屋を選んでいいよ」

紫音さんがそう言うとみんなが2階に登り、好きな部屋を選び始めた。

「凜くんは、いかなくていいの?」

「僕は、余った部屋でいいです」

「そう?じゃあ、私は部屋でゆっくりしてるから何かあったら呼んでね」

「わかりました。ゆっくり休んでください」

紫音さんと入れ替わりで3人が戻って来る。

「お兄ちゃん、紫音さんはどうしたの?」

「運転して少し疲れたから少しの間、休んでるって」

「もう寝るのかな?」

「まだじゃない?だって僕たち、お風呂の勝手知らないよ?」

「確かに、紫音さんもお風呂入るよね」

「・・・多分、本当に休んでるだけ」

「そうだ、僕も部屋に荷物を置いてこよう」

僕は、家から持ってきた消費期限の近い、食材を冷蔵庫に入れ、自分の荷物を部屋に置きにいく。

2階からどの部屋にしたか分かるから、誰も入ってない部屋に荷物を置く。

(ホテルとか旅館なら景色のいい場所が人気なのは当たり前なんだけど、こういうどの部屋の景色も一緒な場合、真ん中の部屋が高確率で空いてるのはなんでなんだろう)

家事をやって来ているからなのか、この家のキッチンがすごく気になってしまい、荷物を置き、キッチンへ足が進んでしまっていた。

「やっぱり、広いほうがいいよね」

キッチンを見ているとお風呂に入れるまでの暇つぶしなのか夜月と皐月と卯月が集まっていた。

「あっ・・・ お兄様、こっちへきて」

目があった卯月に手招きで呼ばれる。

「うん?何?」

「・・・お風呂に入れるまで、これをやりましょ。夜月と皐月が暇つぶしをしたいらしいし、どうせならフルパーティーの方がいいでしょ?」 

卯月が誘ってきたのは、モ◯ハ◯だった。

「紫音さんがいいよって言ったらやりたいって言ってたもんね。でも、最近やってないけど大丈夫?」

「・・・私だって最近やってないし、他の二人は初プレイだからちょうどいいと思うわ」

「戦うゲームなんだよね!どんな感じなのか楽しみ!」

「一人でやることはほぼないけど、みんなでやるのは楽しいからね」

二人にやり方を教えながら久しぶりのプレイに悪戦苦闘をする僕と卯月だったけど、フルパーティーということであっという間に時間が経っていた。

「お待たせ。そろそろお風呂に入りましょうか?凜くんは・・・まだ、シャワー浴びてなさそうね」

いつの間にか降りてきて、お風呂のお湯加減を見てきたであろう紫音さんに声をかけられた。

「もうこんな時間・・・みんな、明日に備えないといけないのに。ほら3人共、お風呂に入っている明日に備えるよ!」

みんな結構、時間が経ってることに気づいてるからなのか、あっさりとゲームを終えた。

その後、お風呂に入り今日を終える。

シャワーを浴びてる間、楽しそうな色んな声が聞こえてきて、なんだかほっこりした。

それにしても・・・仲の良い女の子同士って胸を揉ま合うのは定番なのか?

女の子のお風呂は長いし、僕はある程度シャワーを浴びたら自分の部屋に戻って寝よう。

僕は、頭と身体を洗い流し、隣で賑わっている女性陣たちの声を聞き流しながらお風呂を出る。

部屋に戻ってベッドに入ると疲れとふかふかベッドの誘惑にやられ寝てしまった。


目を覚まし、携帯の時計を見ると午前6時過ぎくらいの数字が表示されている。

あれだけ、騒がしかった家の中はまるで別世界のように静かだった。

顔を洗い、歯磨きをする、髪を整え、朝ご飯の用意をする。

その頃には、7時を過ぎていた。

「さて、ここのキッチンはどんな感じなのだろうか?」

僕の一つの楽しみである大きいキッチンでの料理をする。

「昨日は、夜遅くだったし、買い物に行くほどの体力がなかったから食材持ってきたけど、どっかに買い物行くのかな?」

つい疑問に思い、口に出してしまった。

「まぁいいか・・・後で、紫音さんに聞いてみよう」

慣れた手つきでご飯を炊き、ベーコンと卵を焼く、出汁と味噌とまぁ適当なものを入れて煮る。

ザ・ 朝ご飯って感じのを作る。

「ご飯と味噌汁は別にいいとして、ベーコンエッグはまだ早いか・・・」

今起きてるのは僕一人ということに気づき、ベーコンエッグはまだ作らないことにした。

「洗濯・・・.はどうしよう?僕ら4人のものはいいとして、さすがに紫音さんのを洗濯するのはダメだよな。かと言って自分だけ洗濯するの気が引けるし」

色々なことを考えてる内に部屋のドアが開く、紫音さんだった。

「おはよ・・・」

「おはようございます。紫音さん」

「なんか、いい匂いすると思ったら朝食の準備をしてたのね」

「はい、勝手に使わせてもらってます。みんなの分もありますよ」

「ありがと、みんな起こしてこようか?」

「うーん・・・そのままでいいと思いますよ。作り置きしておきますし」

「ダメよ!ご飯は、作り立てが1番美味しいんだから!」

「そ、そうですか・・・じゃ、じゃあお願いします」

いきなりの変わりように驚きながらも、起こしてもらうことにした。

「起きなさい、起きないと出来立てご飯が逃げちゃうよ」とかすかに聞こえてきた。

こういうときに1番に来るのは夜月であり、今回もそうだった。

「おはよ~。りん〜。何か手伝う!」

「その前に、いつも通り顔洗って、歯磨きしてきて、それからだよ」

「は~い」

夜月は、いつもよりおとなしめだけど、朝はそういうものだと思う。

「おは・・・おにいちゃん」

「・・・おはよ・・・お兄様」

「ちょっと・・・二人共大丈夫?その段差あるから気をつけてね」

紫音さんが両脇で皐月と卯月を支えながらゆっくりと降りてくる。

「りん〜、終わった〜!何すればいい?」

「じゃあ、朝ご飯をそこの机に持って行ってちょうだい」

「りょ〜かい!」

最初は危なっかしかったのに今じゃ慣れた手つきで皿を並べれる。

「終わったよ!」

「うん、ありがとう。ちょっと2人の様子見てくる。夜月は座って待ってて、先に食べててもいいよ」

「分かった〜」

風呂場の洗面所を使ってるようだからノックして扉越しに声をかける。

「紫音さん、2人は大丈夫そうですか?」

「とりあえず、大丈夫そうだから、そっち連れて行くね」

「お願いします。流れで2人を任せてしまって、ご飯を食べれば復活するので」

2人を着席させるとみんなで食べ始める。

夜月もわざわざ待っていたらしい。

さっきまでが嘘のように元気になる2人をみて、紫音さんは苦笑いを浮かべていた。


今日はビキニやワンピース型、トランクス型の水着を外のプールで撮影をするらしく、紫音さんは撮影機材の準備をしている。

僕たちも水着や心の準備、準備体操をする。

僕たちはモデルでもアイドルでもないから、とりあえず着替えた際に紫音さんの指示にしたがって、ポーズや表情を作り、その水着でプールで遊ぶと言うような指示だった。

日常的なものの撮影が紫音さんならではの撮影方法のため、いつも通りの要求である。

長い時間の撮影は疲れるからといって昼過ぎくらいには撮影を終える。

後は、自由に過ごすというなんとも平和的なバイトである。

紫音さんが皐月と卯月に料理を教えるからということで僕は、朝ご飯のみを作ることになった。

少し心配だったけど、ちゃんと食べれるものができてよかったと思う。

まぁ、紫音さんが疲れ切ったような顔をしていたけど、お互いにケガが無くて良かった。

スポーツをしたり、プールで泳いだり、ゲームしたりで楽しく過ごせた。

2日目は、水着の形が1日目と違うだけで同じように過ごした。

あっ、ちなみに洗濯は女子の方は紫音さんが僕はの自分で洗濯する事に決まった。

下着以外は2階のベランダで共有で乾かすことになり、下着は自分の部屋で乾かすことにした。

3日目は、密着取材風ということで、僕たちの生活を紫音さんが撮影する事になった。

これはこれで楽しかった。

4日目以降は宿泊旅行ということでなにもない限りただ楽しむだけのお泊り会となった。

ただ、森に囲まれてるから野生動物がここに来てしまうのが不安だった。

草食の動物なら可愛いものだけれど、肉食動物が来たら大変なことになってしまう。

そんな事を考えていたらそれに答えるかのように背の高い草がガサガサと動き始めた。 

みんながそれに警戒しながら距離を置き、すぐに家に入って窓を閉めれるようにする。

そして、それの正体に僕は驚いた。

みなさん、おはこんばんにちは、作者の清喬です。

しばらく間が空いてしましましたが、生きています。

台風やら豪雨やら地震やらでいろんなことがありましたが、元気でやっています。

幸い、僕の住んでいる地域はあまり被害はありませんでした。

自分で書いていて思ったのですが、こういうのを経て、モデルデビューしたりする人っていたりするんですかね?

さて、今回は久しぶりの栄井家のお話です。

料理の描写や写真撮影の描写は、一度書いたので、割愛しましたが、それでも11000文字超えの長いものになりました。

この話は前半なので次の話は後半になります。

いつも伝えているように不定期投稿となりますのでご了承下さい。

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