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フリーダム親父の尻拭い  作者: 清喬
18/21

夜月とクラスメイトのPOOL(授業編)

これは、自分で1から考えたオリジナル小説です。

過度な期待はしないでください。

身体中の鈍痛と共に目覚めた今日の朝。

僕、栄井 凛は、いつもとは違う状態で朝の日課をこなしているが、普段やっているはずの洗濯物を洗って干すのも一苦労してしまうほどの筋肉痛が襲う。

「いたた・・・昨日、重いもの運んだから腕が上がらない・・・」

腕を楽にさせようとつま先立ちをすると今度は、ふくらはぎに痛みが走る。

「・・・これ、プールの時間につって溺れたりしないよね・・・そもそもそんな深くないか」

と少し不安も感じつつもしっかりとストレッチをしないと、とそう思った。

この状態を悟られるのはなんかイヤだから、気付かれないようしよう。

(まぁ、授業の時間までには治ってるでしょう)

幸い、僕たちのクラスは午後の授業がプールの時間となっている。

いつも通り、夜月が来て「おはよ〜、今日はな〜に?」って朝食の献立を聞いてくる。

「いつも通りだよ」と返事をする。

その『いつも通り』が何種類かあるのだけれど。

毎回聞いては毎回喜びの声を出す。

以前になんで毎回言うの?と聞いたことがあるが「りんのご飯は美味しいから」と、作り手側としては嬉しい事を言ってくれる。

そして、夜月は居候だとまだ思っているのか、皿だしとか配膳をしてくれる。

「そういえば、夜月はそういうの進んでやってくれるけど、あの2人みたいにゆっくりしててもいいのに」

「えっ?・・・私、邪魔だった?・・・」

「いや全然、むしろありがたいくらいだけど、まだ居候だからって意識してるのかな?って思って」

「そんなことはないよ〜。ただ、りんが作ってくれたご飯を大切にしたいとか、私がこれをやっておけば少しでも早くおいしいご飯が食べられるし、りんも少し楽になるかなって」

「うん、最後のやつを最初に言って欲しかったな」

「それに・・・なんていうか・・・りんと一緒に何かしてると楽しいと言うか、りんと同じ事をできて嬉しいと言うか・・・帰り道は2人だけどそれとは違うなんかこう・・・気持ち?が・・・」

普段の夜月ではあまり見ない表情をしながら、柔らかそうな頬を軽く掻き、照れくさそうな顔をする。

(可愛いかよっ!!!)

とあるVの字の白い狐さんみたいなセリフを心の中で叫びながら僕は平静を保つ。

「・・・確かに家事は1人だと作業でしかないけど、数人になるとコミュニケーションの場になるのは確かだね。でも、出来もしない事をやろうとして失敗すれば邪魔にもなるからできる事だけをするのがいいかもね」

「私は、もっとりんと一緒に何かしたいと思うけど、できないことが多いから邪魔になる・・・」

「何かしたいことがあるの?なら、言ってくれれば教えてあげるよ。まぁでも、教えれるのは学校が終わった後とか休日になるけど」

「いいの!?やったー!」

そんな話をしていると皐月と卯月がやってきた。

「お兄ちゃん、おっはよー。今日から本格的プールが始まるよ!楽しみだねっ!」

「・・・おはよう、お兄様。・・・何でこんな炎天下の中、あんな窮屈な物を着て、水に入らなければならないの?・・・外じゃなく学校内のどこかに作ってくれないかしら・・・」

皐月は運動好きだから身体が引き締まっているし、出るとこは出てるから、男女共に憧れの体つきになっている。

卯月の方は、スレンダー美人で肌も白くてキレイだから神秘的に感じるらしく、こっちもこっちで目を奪われるらしい。

2人共、別に泳げないわけではないのだけれど、僕らはみんな肌が弱く、卯月は一段と肌が弱くすぐに赤くなり皮膚がボロボロになる。

この時期になると普段の卯月からは想像のつかない叫び声がお風呂場から聞こえてくる。

「・・・痛いのはわかるけど、喉壊さないようにね」

「・・・分かってるわ。けどあれは仕方ないことなのよ・・・夜月も気をつけなさいよ、皐月がくれた日焼け止めはしっかりと塗っておきなさい・・・肌が弱すぎて私には効果なかったけど・・・」

「そんなに痛いの?」

「日焼けは簡単に言うと軽い火傷だからね。傷口に水が触れると痛いでしょ。そんな感じのが肩から腕にかけての広い範囲で蝕むから」

「・・・うわぁ、それはやだな〜・・・」

「・・・だから、夜月も日焼け止めを塗らなきゃダメよ・・・」

「今はまだ私が塗ってあげてるけど、夜月も自分で塗られるようにした方がいいよ」

今は、皐月が夜月に日焼け止めクリームを塗ってあげている。

「朝の忙しい時間は手慣れてる方がいいから」らしい。

「時間がある時に教えるね。教えるって言ってもただ塗るだけだからそんなに難しくはないけど」

「そういうのは、女の子同士がいいから僕は何も手伝えないから当人同士で何とかしてね」

「何で?クリーム?を塗るだけ何じゃないの?手先の器用なりんならすぐにでもできそうだけど」

「あぁ〜・・・そういえば、今まで頼んだことなかったな〜。この際だからお兄ちゃんにも教えてあげよっかな?〜」

皐月は僕がしない理由を分かってていじわるそうな表情をしながら言ってくる。

「・・・お兄様の練習台になら喜んでなる。お兄様の温かい手が私の肌をずっと撫でてくれて構わない・・・!何度も塗って分厚くなれば効果が得られるかもしれないから!」

卯月は欲望に忠実だ。

・・・やっぱり、卯月が自重しなくなって気がする。

「え〜、ずるい。わたしもりんに塗って欲しい」

夜月は、純粋に触れることによってコミュニケーションを取りたいと思っているのか。それとも、僕の器用さに期待をしているのかは分からない。

「いや、純粋に女性は女性の男性は男性の肌のことを分かっているからそっちの方がいいと思うから」

皐月と卯月は、「うっ・・・確かに」みたいな感じになっている。

「そうなの?」

朝食の準備を終えた僕の腕を掴み、撫でてきた。

「あの・・・夜月さん、くすぐったいんですけど・・・」

「ん〜?わたしには違いが分からないな〜・・・」

あまりピンと来ておらずずっとすりすりしてくる。

「あの〜・・・まだですか?早くしないとご飯冷めるよ」

「ご飯!」

ふむ・・・夜月は、食べ物を使えばそっちに意識が持ってかれるからこういう、むやみに突き離せないときはいいかもしれない。

他の2人は、自分も触りたいけどご飯も食べたいと葛藤してるように見えた。

しかし、時間と空腹には勝てなかったようだ。

ご飯も食べ終わり、そろそろ家を出る時間だけど、夜月は皐月に日焼け止めクリームを塗ってもらってて、僕と卯月は、玄関で待ちぼうけている。

「・・・お兄様。失礼・・・」

そういうと、卯月は僕の腕を撫でてくる。

「・・・くすぐったいよ」

「・・・ご、ごめんなさい。夜月の感想が少し気になって・・・」

バッと焦ったように腕を離す。

「何で、触った方が照れてるの?普通は、逆でしょ」

「いやあの・・・お兄様の肌が柔らかくて、まるでちがう女の子の肌を触ってるようで、ちょっと、気恥ずかしくなってしまって・・・」

「まぁ僕、なんか筋肉が付きにくい体質なのか分からないけど、よく女の子と間違われるから」

「・・・声も中性的だから確かに間違われそうよね」

皐月と夜月がクリームを塗り終わり、僕たちは学校へ向かった。


昨日、僕たちが帰宅した時とあまり変わっておらず、ほぼ同じ状態だった。

強いて言うなら、整理整頓されていて、椅子の配置や向きが少し変わっていたり、プールの授業で使いそうな道具のカゴの向きが変わっていたりした。

大きな変化がなくてよかった。

いろんな物事のあるあるだけど、先輩や先生、仕事となれば上司に何か頼まれごとをして終わらせて帰ったのに次の日でもうすでに大きく変えられてたりすると、「自分は何のために昨日、終わらせて帰ったの?」ってなっていまい、「最初から自分でやってれば二度手間にならなかっただろうに・・・」ってなってしまう。

超能力者でもない限り相手の心は読めないから。

だからこういう風に自分たちがやった痕跡が残ってあると安心する。

・・・さて、こんなこと考えていたがいつになったらこのプール開きは終わるのだろう?

プールに入るわけではないのにみんな水着だし、こんな狭い場所に全校生徒いるし、よくおさまったなこの人数・・・

そして、目のやり場に困っている。

紅蓮が前に居れば紅蓮の背中を見てればいいが紅蓮は僕の後ろにいる。

僕の前にいるのは雁出だ。

ずっとソワソワしていて、時折、チラッとこちらを見てくる。

それをされるととても気まずい。

右には夜月がいる。

いつの間にか僕の右隣りが夜月の定位置になっている。

初めてのプールだからなのか機嫌がよく、ウキウキと身体がちょっと揺れている。

多分、無意識なのだろうが他の人に迷惑をかけまいと僕側の方にしか揺れてない。

お互いの肩が当たってるのも気付いてないのか、それとも、僕だからなのかはわからないが遠慮がない。

・・・そして、何がとは言わないがずっと身体が動いてるからずっとぽよぽよしている。

1人だけ動いてるため、男女共にちょくちょくチラ見してくる。

この前、保健室の目の前にいた3人組が夜月をみて、自分の体に視線を落として、泣き出しそうになっていた。

夜月と比べてはいけませんよ!

左には古瀬がいる。

この子は、案外真面目だから偉い人の話を聞いている。

いやまぁ、聞いているように見えてるだけかもしれないけど。

僕が感心して眺めていると僕の視線に気付き、お互いの視線が合う。

不意なことだったので、お互いに恥ずかしくなり顔をそらしてしまう。

僕は、自分の膝小僧を眺めることにしよう。

夏になるとみんな夏服になるからああ言う話のできない場は視線のやり場に困ってしまう。

たった5分くらいの集会だったけど、とても長く感じた。


午前の授業が終わり、午後の授業になった。

今日は、1-Cと1-Eの合同でのプールだ。

プールの大きさ的には7レーンの25mが2つで、学校に置いてある他の設備も2つずつだから、必然的に2クラス合同になる。

普通はAとB、CとD、EとAという感じで順番にやっていくのだが、今回はくじで決めたらしい。

学年での行動もあるので、クラス同士の関わりを増やすための一つの方法かもしれないが結局のところ、決まった人たち所謂グループでの行動になってしまうのは、どこの学校でも同じことだ。

玲向先生は、それをはじめに作ってグループ同士の関わりを増やす。また、ハブられる人を無くすという目的なのだろう。

「さて、みんな集まったかな?プールの授業を始めますよ〜」

ほんわかとした声をした女の人の声が響きわたる。

「まず、自己紹介をしましょうかね?私は、プールの監督兼指導員の玲向れいむかい 楓榎ふうかです。1-Cの颯人先生のおねいちゃんです。よろしくお願いしますね」

やっぱりそうだった。

「楓榎先生って呼んでね!私は、プールの開放期間中にしかいられないので、短い期間で深い関係をみなさんと作っていきたいと思います」

まあ、男女合同のプールだからエロオヤジの先公よりか女性の先生の方がいいかもしれないがうーん・・・何と言うか男子生徒には目に毒だなー。

夜月もそうだがはち切れんばかりのスクール水着は純粋な男子生徒の性癖を壊しかねないよね。

「あっ、男子生徒の諸君〜。私をエッチな目で見ないでねー。私の可愛い颯人くんが黙ってないからね〜」

あー・・・颯人先生、僕と同じ部類の人だった・・・

颯人先生、部屋の鍵何重くらいにかけてるのかな?後で聞いてみよう。

僕の中で颯人先生の評価は、予想外の事で上がってしまった。

にしても、お姉さんがブラコンって僕より大変じゃないか?

「は〜い、それではストレッチをしていきましょう。水の中は陸と違って気付かないうちに筋肉への負荷がかかり、足をつって溺れてしまう可能性があるのでプールでは念入りにストレッチをしましょう」

プール監督とか指導員をやっているからなのか、楓榎先生の体は、ぐにゃ〜んってくらい柔らかく曲がっている。

「に、人間の体ってあんなに曲がるもんなのかしら?」

「わた・・・猫ちゃんは体柔らかいよね。私も昔は、体柔らかかったけど、今はこれくらいしかできないよ」

夜月は、楓榎先生のマネをして体を伸ばして見せた。

「夜月も体柔らかいよね」

「そう?」

「僕だって、負けないぞ〜」

紅蓮も同じくらい体が柔らかかった。

「え?紅蓮、すごいね」

「へっへーん、虫を追い求めて10年、どんな事にも柔軟に対応できるようにしないとね」

「むー!私ももっと褒めてよー」

「よしよし、夜月もすごいぞー」

「えへへー」

頭を軽く撫でてあげたら満足したようだ。

僕もストレッチをしないと。

僕が体を伸ばすとギギッ聞こえそうなくらい硬い。

「ほらほら、りんもっともっと〜」

夜月が、背中を押してくる。

「いたたた、夜月、僕はこれが限界だから押さないで」

「・・・なんでこう、私の周りは優秀な人が多いのかしら・・・」

古瀬は僕と同じくらい体が硬かった。

「普段する機会かあまりないから仕方ないとはいえ、ここまで差が出ると感心してしまうよね」

「そうね・・・そっちの2人もそうだけど、雁出さんも見てみなさい」

雁出さんは1人で黙々とストレッチを続けているが体の柔軟さは楓榎先生並みにある。

どうしたらあんなに体、柔らかくなるだろう?と考えていると

「あ、あのー・・・じ〜っと見られてると恥ずかしいです」

僕の視線に気付いていた雁出さんが本当に恥ずかしそうにしている。

「あっ、ごめん。体の柔軟さに関心していたのだけれど、一体、どうやってそんなに体は柔らかくなるのかな?って」

「体の柔らかさは、毎日欠かさずストレッチをしていれば、自然と柔らかくなります。私自身は、昔から水泳教室に通っているので、ストレッチをするのが日課になっています。だから、この柔らかさを維持出来ています」

雁出さんは、とても丁寧な口調で教えてくれました。

「あ・・・ご、ごめんなさい。私、つい夢中になって」

「別に気にする事じゃないと思うけど?自分の好きな事は、他の人にも話したい、共有したいっていうのはみんなそうだろうしね」

「そう言ってくれるとうれしいな。普段は、こうならないようにしてるんだけど、気が緩んでたのか、出てしまいました」

「水泳教室に通ってたって言うことは、それなりに上手いの?」

「どうでしょう?水泳教室の人たちみんな上手いから・・・」

「・・・じゃあさ、古瀬に泳ぎ方教えてくれないかな?僕もそこまで上手いってわけじゃないし、多分、女の子同士の方がいいと思うんだけど・・・」

周りには、聞こえない程度の声で雁出さんにお願いしてみる。

「・・・別に構いませんが、他の人はみんな知ってるの?」

「いや、多分知らないと思う。僕がたまたま、図書室に行ったら水泳の本読んでたし、不安そうにしてたから、上手くないけど僕が教えてあげようか?って言っただけ」

「・・・それで、古瀬さんはなんて?」

「じゃあ。お願いするって」

「・・・ふ〜ん、凛さんて夜月ちゃんの言う通り鈍感なんだね・・・」

「鈍感?なんで?古瀬は、僕じゃなくてもお願いしてたと思うけど・・・」

「・・・凛さん、人との関係で溝ができる原因って何があると思います?」

「いきなりどうしたの?まぁ、悪い噂を流したり陰口を言ったり?」

「・・・それは、溝どころか地面が真っ二つになるよ。約束を守ってくれなかったり、不安になるような事をしたりすることだよ」

「まぁ、確かにそうだね」

「・・・口約束も約束の一つだよ。軽い約束でも、約束は約束。それを守らないと当人同士の信頼は減るよ」

「でも、僕としても同性の方がお互いに楽だから、古瀬だってそっちの方がいいと思うんだけど・・・」

「・・・はっきり言うよ。自分が交わした約束なんだから責任を待って果たしなさい。悩みを打ち明けたのもあなたしかいないんだから」

「・・・はい」

みんな、雁出のことを可愛い子って言うけど、僕は可愛いと言うより、強い子ってイメージになった。

「雁出さんって、思ってたより強いんだね。僕は、あまり話したことなかったから普段とは違う一面が見れてうれしいよ」

雁出さんは、そこでハッとして顔を真っ赤にする。

「ご、ごごごごめんなさいっ!わ、私がこんな偉そうにこんなことを言って」

「別に気にはしてないけど・・・あっ、じゃあさ、さっきみたいにさ敬語は無しでこれからは話そうよ。なんか、同級生に敬語使われるとなんかムズムズするし、急じゃなくてちょっとずつでいいからさ」

「わかりま・・・わかった。わ、私もできるだけ努力するっ!」

(あーなるほど、可愛いってこう言うことか)

雁出さんは、気合いを入れるように小さくガッツポーズをする。

多分、こう言う行動が可愛いって言われるのだろう。

「わ・・・私、栄井くんのこと飄々としていて自分とは全然違う人だなって思ってたけど、優しいけどちょっと天然さんで、ほっとした」

「僕が天然?そんなはずは・・・」

「さっき、ひびを真っ二つにしてたよね」

「あ、あれは、うーん・・・天然なのかな?」

そこに、声をかけられる。

先生ではない先生は、しっかりとまだストレッチをしている。

聞いたことはあるが誰かわからない。

「やぁこんにちは。君は1-Cの人だったのかい?」

「私は、ずっとそう言ってたはずだけど」

「こんにちは〜。ねぇねえ、君は泳ぐの上手いの?」

この凸凹3人組は、保健室の前にいた人たちだ。

さっきのプール開きで、僕の目や届くところにいたということは、近からずも遠からずだと思っていたけど、同じ一年生で違うクラスなら納得だ。

「こんにちは、そういうあなた達も1-Eだったんだね」

「うん、そうだよ〜。これからもよろしくね〜」

「ちなみに君の名前はなんていうんだい?」

「そもそも、私たちも名乗ってないけど」

「あぁ、これは失敬。私の名前は、桜場さくらば はるだ」

「・・・夏坂なつさか うみ

「私は、秋本あきもと もみじだよ〜。よろしくね〜」

十人十色ならぬ三人三色の自己紹介をされたけど、何が足りない。

そう、冬の雪さんがいない。

そんなくだらないつっこみが思い浮かんだが押さえ込んだ。

「僕は、栄井 凛。よろしくお願いします。三人とも性格全然違うのになかいいね」

「そうさ。我ら3人は、幼馴染だからな。ただ、一つ最近思うことがある・・・」

他の2人も頷いている。

「「「冬の雪さんの知り合いがいたら紹介して欲しい!!!」」」

どうやら、彼女らも思ってたらしい。

「いやね・・・。ここまで、揃ってるならコンプリートしたいじゃん。だからね、知り合いがいたら紹介して欲しい!」

「あーうん、僕も思ったけど、生憎、僕の知り合いには冬の雪さんはいないから」

「そうか、それなら仕方ない。おっと、話し込んでしまったな。そろそろ授業に戻らないと怒られてしまうな」

「そうだね。僕たちもストレッチをしないと」

プールとプールの間にあるプールサイドで僕たちはみんな背中合わせ状態でストレッチをする。

「はい、ストレッチはしっかりできましたか?さて、プールに入るのですが、飛びこんで入らないでください。冷たいプールにいきなり入ると体温の急激な変化によって身体に負担がかかります。年配の方とかは、その変化に身体が対応しきれず、心肺停止になることもあります。若い方は、飛び込んだ際に水を吸って息が出来なくなったら、身体に抵抗力がなくなり、風邪を引く恐れがあります。要するに、いきなり入っても何もいい事ないから足のつま先からゆっくり入っていきましょうってことです」

年配の方がいきなりお風呂に入って急激な心拍数の変化について行けず心臓がとまったとか、若い人が肺に水が入ってしまい、呼吸できずに身動きが取れなくなるとか。

そういうのはよく聞く。

「はい、みなさん全員入りましたか?では、右回りに水中の中を歩きましょう」

これは、何の意味があるのだろうか?

あれかな、水は流れによっての温度変化もあったりするから、水に慣れるついでに流れにも慣れるようにしましょうとか、そういうこと?

「次に、波に逆らって左回り歩きましょう」

僕たちの動きに合わせて流れが出来ている中を僕たちは逆らいながら歩く。

これが結構、大変なんだよね。

逆流から順流になったところで、先生が指示を出す。

「それでは、一度水から上がりましょう。水中は常に筋肉に負担がかかっているから、適度に休憩を挟んでください。足が攣って溺れるってこともたくさんありますので」

今朝、僕が心配してたのはそれだ。

昨日の準備での筋肉痛がここまで残ってるかがちょっと心配だったが、いつの間にか痛みは引いている。

「さて、一休みしたところで・・・。水の中で動いていればそれなりの運動量になるから指導も何もないのよね・・・だから、先生はみんなと遊びたいです!」

プールの授業は大体そうだった。

「だけど、泳ぎたい人も居れば、練習したい人も、はたまたクラスを超えてのコミュニケーションを取りたい人もいるでしょう。なので、ここからは自由時間です!」

まぁ、そうなるよね。

「こっちの方は、泳ぎの練習をしたい人と遊びたい人」

1-Cの方を指差す。

「あっちの方は、泳ぎたい人という風に分けます」

1-Eの方を指指す。

「ねえねえ、瑠璃ちゃんあっちで一緒に泳ごうよ」

「そ、そうだね。私、泳ぐの好きだから一緒に行こう」

夜月がうっきうきだ。

まぁ、夜月は動くの好きだからそうなるよね。

「僕も泳ぐ〜」

紅蓮も一緒になり泳ぎに行くようだ。

「・・・ふむ、雁出 瑠璃・・・水泳教室に通ってると言っていたな?あの性格で、どこまで出来るのか・・・確かめに行こう」

桜場さんもなぜかついて行くらしい。

「桜場さんって泳ぐの上手なの?」

夏坂さんと秋本さんに聞いてみた。

「・・・上手」

「上手いね〜」

2人共同じことをいう。

「2人は行かないの?」

「私たちは・・・」

夏坂さんと秋本さんはアイコンタクトをとる。

「・・・私が泳げないから椛に教えてもらう」

夏坂さんが恥ずかしそうに言う。

「へぇーそうなんだ。仲間が増えたよ、古瀬」

「仲間・・・」

「・・・仲間」

夏坂さんと古瀬が強い握手を交わす。

「私たちも仲間〜。イェーイ」

「イェーイ?・・・」

秋本さんが僕にハイタッチを求めてくる。

いきなりだったため、勢いでハイタッチを交わす。


まず、お互いに水中で目を開ける練習をする。

水中ゴーグルをしてはいるものの、慣れてない人には怖いことだ。

だけども、これをクリアしないと先に進めない。

古瀬は、最初は怖がっていたけども徐々に目の開ける時間は伸びていき、それと共に潜水時間も長くなった。

「ふむ、目を開いている時間が長くなってきたし、そろそろ泳ぎの練習をしてみようか」

「・・・いよいよなのね」

「ここからが大変だよ。適度に休憩しながらやっていくけど、足を攣らないようにね」

とそこで、先生が声をあげる。

「はーい、5時限目終了です。続けて6時限目もありますが、休憩を挟みましょう。全員プールサイドに登ってください。足くらいはプールに付けてても構いませんが、日焼けは肌によろしくないので日陰で休むことをお勧めします。肌が弱い人もいるので、バスタオルを被ることも許可します」

僕と古瀬は、近くの日陰で休むことにする。

反対側から夜月と紅蓮が手を振っている。

それにつられて、雁出さんも恥ずかしながらも小さく手を振る。

僕たちの隣に夏坂さんと秋本さんが座る。

「凛くんたち、仲良いねー。私たちは、小学生の頃から一緒だったから3人一緒にじゃないと物足りなくなるの」

「・・・椛、私たちだけじゃなくて、家族絡みでも仲良い」

「そうだねー。名字が季節関連の名字だからみんな仲良いよね」

「そう言えば、桜場さんは?」

「あぁ、春ならほらあそこ」

何やら考え込んでる桜場さんがいた。

「なるほど、そういうことかー。春ってね、水泳かなり得意なの」

「・・・負けず嫌いな性格だからあんなに上手くなったんだと思う」

「ええっと、雁出さんって言ったっけ?あの子に、負けてしまったんだと思う。雁出さん本人は、競争するつもりはないんだろうけどね」

「春が勝手に勝負してるだけ、あの子はそう言う性格だから」

「へぇー、僕ちょっとあの2人の勝負、気になるなー」

「私も同じく・・・」

「じゃあさ、6時限目の初めはさ、あの2人を見本とするために、見に行ってみない?」

「賛成・・・」

あっちのプールの1番、左側で泳いでいるようだからこっち側から見えるし声をかけれる。

「はーい、それでは、休憩時間終了です。これから、6時限目を開始します」

開始とともに僕たちは4人の勇姿を見るために場所を移動する。

4人も開始と同時に泳ぎ始める。

「あら?泳ぎの練習はもういいの?」

近くにいた先生に声をかけられる。

「あ、いいえ。練習の見本となる友達の姿を見ようと思いまして」

「そうなの?それにしても、あの2人すごい上手ね。何かやっていたのかしら?」

「・・・瑠璃さんは、子供の頃から今でも水泳教室に通っているようです」

「瑠璃さん?女の子女の子してる人?」

「・・・先生、どっちも女の子ですよ」

「えっ?ごめんなさい」

「?何で謝るんですか?僕は何かしましたか?」

「えっと、何となく?それはそれとして、ねぇ?あの2人の勝負見てみたくない?先生は、ものすごく見たい」

「見てみたいですが雁出さんは注目されるのが苦手なので、あまり無理させたくないのですが」

「えー、いいじゃない。男の・・・ボーイッシュの子の方は、やる気満々だよ」

「うーん・・・本人がいいって言えばいいかもですが・・・」

「ホント!?じゃあ、お願いね!」

「・・・」

「・・・」

「・・・は?え?僕が行くんですか?」

「もちろん、さっき仲良さそうに話してたじゃない」

これは、断ってもダメだろうな

「はぁ〜、分かりました。行ってきます。でも、彼女の意思を尊重しますよ」

「もちろん。嫌がることはしません」


一度、泳ぎ終わった雁出さんに声をかける。

「・・・雁出さん、ちょっと」

「?」

可愛らしく首を傾げ、手招きする僕の方にくる。

「どうしたの?栄井くん」

「あの・・・桜場さんがいるじゃない」

「・・・さっきから私と泳いでる人?」

「そうそう、それで先生がね。2人の上手な泳ぎを見て、勝負を見てみたいって言い出したんだ。雁出さんって注目されるの苦手だから断ったんだけど、本人に聞いてみてって言われてさ」

「あ、えっと、それは・・・」

一度、言い淀むが先生にから期待の眼差しを向けられていることに気づいた雁出さんは少し悩み。

「さ、栄井くんは私の泳いでる姿みたい?」

「もちろん。練習の見本になるし、何よりもどれくらいすごいのか気になってる」

「そ、そう?なら、一回だけなら・・・」

なんか本人からの許可を得た。

先生に報告をしようとしたらものすごい笑顔で桜場さんを指差す。

(桜場さんへの報告も僕に行けと、そこの2人でいいじゃない!)

僕は、ため息をつきながら桜場さんの元へいく。

「どうも、桜場さん」

「おおー私に何用かな凛よ」

「先生からの提案で、雁出さんと勝負しないか?って」

「それは本当か!凛よ!」

「ち、近いよ・・・色々当たるから離れて・・・」

「あ、あぁ・・・すまない。私の望んでいたことだったからつい熱くなってしまった」

「じゃあ、了承するってことで構わないかな?」

「もちろん!今すぐでもいいぞ」

「雁出さんが一度だけっていう条件だから慌てない方がいいと思うよ」

僕は、2人の了承を得て先生に伝えに行く。

「どうだったー?」

「聞かなくても分かってるんじゃないんですか。一回だけならいいそうですよ」

「じゃあ、この授業の最後にやってもらいましょう。じゃあ、凛くん、報告お願いね」

「分かりました。どうせそうなるだろうと思ってました」

僕は再び2人に声を掛けてから古瀬の練習を再開する。

「・・・あの性格の雁出さんがよくOKしたわね」

「うん、迷ってたけど、なんか僕が見たいか?って聞かれたから、正直に見本にしたいけど純粋にみてみたいって言ったらなんかすぐに返事きたよ」

「・・・雁出さんに用事があったらあなたを通せばスムーズに行きそうね」

「いや、声掛けてあげなよ・・・」

(そういえば、なんか静かだな)

隣で水泳練習している2人がやけに静かだ。

「どうした?なんか、具合でも悪くなったか?」

「えっ?あっ、いやいや何でもないよ!ただ、考え事をしていただけ」

「それはいいけど、教える側が気を抜いたら大変なことになるから気を引き締めて」

「あ、ごめん。海ちゃん大丈夫?」

「大丈夫よ。それに、私も気になってることがあるし」

そう言うとまた無言になった。

(まぁ、練習に集中できるしいっか)

一通りの基礎練習を教えてそれなりに出来てきた。

後は数をこなすだけ。

そうしてるうちに先生が待ってましたと言わんばかりの声をあげる。

「さぁ、みなさん授業もそろそろ終わりに近づいてきました。最後に私が気になった2名に競泳をしてもらいましょう。とても上手なので、見本にするなり、楽しんだりしましょう」

先生が2人を呼ぶと位置につく。

「50mつまり一往復の泳ぎ方は自由、自分が得意なので構いません。私は2人の良い点悪い点を見たいので、凛くん2人のタイム測定をお願いします」

「え?あ、はい。分かりました」

「タイムの停止タイミングは、プールの側面の壁に手を付けたらでお願いします」

なんか測定員を頼まれたけど、僕もちゃんと見たかったな。

「じゃあ、凛くん。あなたのタイミングでスタートの合図をお願いします」

「・・・えっと、雁出さん。準備はいい?」

「大丈夫」

「桜場さんも準備いい」

「いつでも、いいぞ」

「じゃあ・・・よーい」

「・・・ドンッ!」

競泳において、1番速いと言われているのはクロールと言われているのをきいた。

そのため、2人共クロールをしている。

飛び込み、スピードは同じくらいだが差が明らかだ。

バタ足の水しぶきが雁出さんの方が少ない。

水しぶきが大きければ大きいほど、水の抵抗が高く、スタミナを消費する。

ターンをしてからが差がはっきりとしてきた。

雁出さんのターンの速度が早かったし、スピードは衰えない。

でも、桜場さんはスタミナがなくなってしまったのだろう、スピードが遅くなってきた。

僕には、タイムでの大差は分からないが、人1人分の差で雁出さんの勝利だ。

「はい、先生。あなたのお望みのブツです。僕には、タイムの良し悪しが分からないので、後は先生にお任せします」

「あら、どうも。そういえば、ずっと引っかかってたんだけど、あなたと夜月さん?って、紫音ちゃんの被写体になったことある?」

「ありますよ」

「そう・・・」

「?」

そのまま、2人に報告へ行った。

僕は、古瀬の元へ戻る。

「雁出さん、あんなに上手いとは思わなかったな」

「・・・私は、あれを見本にするのには、遠すぎる気がするのだけど」

「確かにそれは分かる」

報告を終えた先生が時計を確認する。

「はい。それでは、今日の授業はこれで終了となります。プール内にはほんの少し塩素が含まれているので、手洗いうがい、あと、目を洗うのを忘れずにお願いします」

着替えを終え、学校へと向かおうとするところで、先生に呼び止められる。

「凛くん、ちょっと」

「はい、何でしょう?」

「いや・・・深い理由はないんだけど、もう少し自分のこと気にしなさい。幸い、今回の写真は、ちゃんとした物だけど。悪用されることがあるから注意してね」

「分かりましたけど、何で僕なんですか?他の3人に注意する方がいいのでは?」

「人は無意識うちに他の人に対して優先順位を付けてしまうものなの、まぁ、人間の生存本能なんだけど。凛くん、あなた紫音ちゃんに気に入られてるみたい。だって、女性向け雑誌なのに一般男性の新郎姿が1ページにドーンと載ってるから」

「えっ?他の3人じゃなくて僕?」

「名前とか今住んでる所とか書いてないから何事ないけど、あなた達、4人のことを知りたがってる。人たちからの問い合わせがあるみたい。あなたは特に中性的な見た目だから女の子の服を着せられるかもよ」

「うわぁ・・・それは嫌ですね。そもそも、女性にそんな需要あるんですか?今の時代」

「あるから貴方にこういうこと言うのよ」

「分かりました。注意します」

「よろしい。ああそうだ。ちゃんと雁出さんにお礼いいなよ。貴方が見たいって言ったから引き受けてくれたようだしね」

先生はまだ仕事があるのかプールに戻って行く。

(理由は分からないけど、そうだったなー)

僕を待っていたのか4人が立ち止まって話している。

「あ、そうだ。雁出さん、あまり得意じゃないのに競泳、引き受けてくれてありがとうね」

「・・・あ、大丈夫。えっと・・・」

雁出さんは何かソワソワしている。

「あっ、雁出さんのクロールとてもキレイだったよ。僕は、そこまで上手くないけど、そんな僕でも見惚れてしまうほどだからもっと自信を持って行こう!」

「えへへ・・・ありがとう」

照れながらも嬉しそうに笑う表情にドキッとしてしまったことは心の中にしまっておこう。

「りんー、私は紅蓮くんを水泳のライバルに指名するよ!次は、もっと勝ってやるんだから!」

「なにをー!僕だって負けないぞー」

「・・・私は、せめて栄井くん並に泳げるようになれるかしら?」

「このまま、練習をしていけば僕レベルなんてあっという間にだよ。それまで、僕のできる限り教えてあげるから」

「・・・そう」

口調は変わらずだが、何だか嬉しそうだ。


学校が終わり家に帰ると家の中は悲鳴に包まれていた。

毎年のことながら卯月の日焼けは大変そうだな。

「ね、ねぇ・・・卯月大丈夫なの?」

心配そうな夜月が声を掛けてくる。

「前にも言ったけど、日焼けも火傷だからね。太陽がある限りこれは自然現象だからどうしようもない、予防するしかないけど卯月は予防しててあれだからなー」

しばらく経ってお風呂から出てきた卯月の肌はスクール水着の跡の部分は綺麗だが露出していた部分はボロボロになっていて、見てて可哀想になってくる。

「喉、大丈夫?はいこれ、配信者とか声優さんご用達らしい、喉チュールっていうんだっけ?試してみてよ」

「・・・えっ?何、お兄様、配信者になるの?」

「いや、ならないよ。卯月の喉が心配だったから、買っておいただけ、ネットで見ただけだからどのくらいの効能かは分からないけどね」

「・・・女装配信とかやったら、人気出そうだよね、お兄様」

「へぇー、そんなのあるんだ。やらないけどね!」

「・・・私の服ならいつでも貸してあげる」

「お兄ちゃん、家事スキル高いし本当の女の子と間違われそう・・・」

「料理も美味しいしね!」

「いや、やらないからね?ほらほら、そんなことはどうでもいいから夜ご飯にしましょうね」

僕が女装してやるより、3人が普通に配信した方がいいだろうと思いながらいつも通りの時間を過ごす。

おはこんばんにちは、どうも清喬です。

お待たせいたしました。プール編が終わりました。

今回は名前ありのモブキャラがたくさん増えましたね。

この小説は1話完結としてはいるのですが、これは、とあるマンガを参考にしてます。

モブキャラ3人組の元ネタが分かった人は僕の同志ですね。

主人公もモブキャラ3人組の絡みが元ネタも好きだったから参考にしてみました。

今回は、クラスメイトメインのお話となりました。

妹2人の出番は、夏休みの話まで少ないかも知れません。

夏休み前の大きな壁、期末テストのお話が次になるかもしれませんね。

いつも通り、不定期更新なので、温かい目で見守ってくれるとありがたいです。

ではでは、また次回会いましょう。

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