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バッドエンド
ヨルは突然、パソコンや携帯を壊し始めた。
そうして彼との連絡の術をすべて断ち切って、布団に潜りこんだんだ。
そう、彼女が選んだのは、『引きこもり続けること』だった。
人間は信用できない、ってのがヨルの考えだった。何年たっても、その気持ちは変わってなかったんだ。いじめという過去は、俺たちの想像以上にヨルにとっては大きな傷だったのさ。
だから結局、その男性には会えずじまい。今日も、ヨルは閉じこもったままだ。出てくるのは、パジャマ姿の時だけ。
だから今日は、俺がヨルのかわりにカウンセリングを受けに来たんだ。先生もさすがに、ヨルの家に出張はしないだろ? そうでもしない限り、パジャマ姿のヨルに先生が会えることはないぜ。
ヨルは今、『中』でこの様子を見てる。外に出されるんじゃないかって怯えてるのが、嫌なくらいに分かるよ。
……なあ、先生。俺はヨルを自由にしてやりたいんだ。
昔みたいにいろんなところに出かけられる人間になってほしい。
そのために、俺は何をすればいいんだ?
教えてくれよ、先生。