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魔女

 そうして、それは、唐突にやって来る。空間を押し分けるように存在を掻き分けるようにして


「きゃはっははっはあははあああああああ」耳障りな笑い声とともにそいつは登場する。黒のトンガリ帽子を目深に被り、その身を包む黒の衣装がいそうに、血に汚れた包帯が生き物のように、その肢体に絡みついている。その衣装いそう効果は、世界が二次元に凝縮されたかのような錯覚を産み出す。


「捜し物は、わぁたしぃぃぃぃぃぃいいいいいい」


「「そうだ、お前が!!」」


「そぉおぉお、それが、わぁたしぃぃぃぃぃぃいいいいいい、だといぃぃぃぃってるいぃぃぃのぉ」


その少女の肩の上に乗るでたらめな形をした人形の白い鳩のかおが、その存在を告げ、ようやく少女かのじょ自身が声を紡ぐ。


「さぁ、我が名を告げよ! 告解せよ”我が罪を”我は魔女、契約の鎖に縛られし獣、契約者なんじがその契約と共に在る限り、我は契約者なんじの剣となり盾となり契約者なんじが鎧となろう、では、告解せよ”我らが罪を”」吐息がかかるほどの間近でその貌がかんばせ告げる、その濡れた紫の唇が告げる。波打つ銀の髪の一房が触れる、促すように血の色で描かれた神のまなこが載る目隠しの下の見えざる瞳が、促すように向けられる。


その言葉は、自ずと沸いてきた。


「”暴かれ続ける真実の埋葬者”」


そうして、この世界で魔術師としての在り方を選ぶ。


「”そう、それが原罪、それが我らの現在”、では、制約を始めよう」


「ざっくばらんに、ざっくばらんに、ジャック・バロンに相談して見よう」言って、肩の上に乗るでたらめな人形に話しかける。


「そぉぉおおんな絶望は見たことがない、だから、わたしは、私達はそれに縛られない」その呪文は、この場を支配する制約を通り抜けた。


「私達は不可分、同じ契約、同じ制約の元に共にこの世界を歩む事を決定うんめいづけられた存在」


「埋葬され続ける真実、だから、都合の悪い真実は、私達ここに届かない」


「そうして、古き物語達は新たなる登場人物に道をあける、その誕生を祝うように、呪うように」




 そうして世界は変容し、物語は加速するつづく

 第一部終了、続きが読みたいという奇特な方がいらっしゃったら第二部を書き始めようと思います。

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