カマキリ
長い夏がようやく終わって、短い秋を実感した今日。
夏の置き土産である、枯れた朝顔の弦を片付けることにした。
プランタに差した棒に絡む弦に鋏を入れ、外して行くと。
「ぐあぁぁぁぁぁァァァァァッッッッッ!」
近年増殖しているカメムシの洗礼を受けた。
もしもこの物語が「巨人を駆逐する物語」ならば、紅蓮の炎で成果を上げたところだが……哀しくも現実。私は世間体を気にする。
そよ風が吹き、カメムシの悪意が薄まったので、作業を継続。どうにか弦のほとんどを取り外せた。
……そこにカマキリ。何故かカマキリがいて、弦が絡まっていた棒を掴んで離さない。
どうやら、枯れた朝顔の弦の中はこのカマキリの縄張りだったらしい。
えっ、カメムシと同居?
まあそれはそれ。私はカマキリの住処を壊してしまったようだ。
カメムシに対して罪悪感は全く無い。巨人を駆逐したようなカタルシスはこのような気持ちだろう。あのカメムシ臭にどれほど苦しめられたか……寝てるとき、鼻の上にいるんだぞ。あの野郎ッッッッッ!
しかしカマキリに怨みは無い。日が思い切りあたる場所から移してやろうとその背中をつまむが、カマキリは必死で棒を掴んで拒んだ。
悪気は無かったのだ。……私にしてあげられることは無さそうだ。
近頃の秋は短い。昔に比べると、冬がキツくなった。雪も降りやすくなった気がする。温暖化は単純に平均気温が上がるだけじゃないと思う。カマキリもカメムシも、こんなに見かけなかったもんな。
私はカマキリを放っておくことにした。彼あるいは彼女(区別がつかん)にとって私は侵略者だ。仮に言葉が通じても、会話は成立しないだろう。この短い秋が、カマキリに我が世の春であると願って。
それどころじゃなさそうだ。
……家の中からパクチーに似た臭いがする。
俺達の戦いはこれからだッッッッッ!
ご愛読ありがとうございました!
都道府県位置先生のカメムシとの対決にご期待ください。




