表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/40

第35話 パラソルゲーム

次のチェックポイントはあこがれのドゥール・ビーチ、いわゆる砂浜だ。

少し水に沈んでみたが、満足して今はパラソルの影に隠れてフルーツジュースを飲んでいる。砂浜も水も申し分なく綺麗だ。眺めているだけでも価値がある。

と、そこへ王子様が何かを手に持ってやってきた。

「カナ!シェイクでもどう?」

ミラはこの行動に深い意味はないんだろう。素直に受け取って食べてみる。美味しい!

「ねぇカナ、カナは普通の職業じゃない気がするんだ。だから職業とか…色々教えて欲しいんだ」

何とも直球な質問に、大いに戸惑ったが、ミラは悪い人間ではないだろうと判断して、職業、カナマートを発明し店を広げていること、これからも店を世界に広げていく野望を余すところなくミラに告げたのだった。

ミラはしばらく震えていたが、ドン!と手を砂浜についた。

「素晴らしい事じゃないかカナ、そこまですごいとは思わなかったよ」

ちょっと引き気味のカナがいたが、素直に喜んでくれて嬉しかった。

「カナが言ってくれたからいうけどね、…実は僕は」

耳元で聴いたその言葉は到底信じられなかった。あのザクセンブルグ城の第一王子だというじゃーありませんか。とたんに頭の熱が増してきて、フルーツジュースが完全に溶けてしまった。王子っぽい青年は、本物の王子だった。

「だからお店の出店のお金だって出せるし、どこにでも配置できるんじゃないかな」

夢のような話である。でもミラが私の事を好きかどうかなんて全く分からない。そう思うとちょっと悲しくなるのであった。

「カナはどれくらい本気かな?」

イタズラっ子のようにミラはカナに問うてきた。

「私はいつでも本気よ!」

「OK!じゃあいくらでもお手伝いするよ」

急に周りが明るくなったような気分になった私は、もう一回波に乗り込んだ。


夜――――――

いつものバイキングが開かれた頃、カナとミラは食べながら談笑していた。そこからそう遠くない場所から、ミラへナイフが飛んできた。隣の柱に当たったものの、避難命令が船員から告げられる。

「ミラ、どういうこと?」

「僕の追ってが乗り込んでいた!第一王子だから色々と、ね」

「カナは自分の部屋にいて。僕はもう少し様子を見る」

そう言ってミラはナイフを取り出した。

「平気なの?」

「なーにこんなの朝飯前さ、とにかくさよなら」

そう言って行ってしまった。心配しつつも眠気が勝ち、熟睡してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ