表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/40

第32話 抽選券

ある日、店長室で寝ていたカナが目を覚ますと、横のデスクに大量の紙が散らばって置いてあった。

「ほえぁ?」

よく見ると「抽選券」と書かれている。カナは1枚手に持って店内のレジに向かった。

「これ何?」

「ショウテンガイノ、フクビキカイガアルソウデ、イッパイオイテ、イカレマシタ」

「ほお…商店街の福引ねぇ…何回くらい引けるかしら」

どうせヒマなので数えてみると、52回引けるようだ。チラシもあった。

「1等は…14日世界船旅旅行!すごいじゃない!これいきたい」

カナは俄然色めき立った。

「ロボットバイトAと一緒に今日の昼に抽選会場に行って、1等をもぎとってくるわよ」

「ワタシガマワスンデスカ」

「あたりまえでしょ、52回も回したら腕がどうかなるわ」


昼になって、2人はミューミューに乗って抽選会場に向かった。会場は人だかりができており、熱気にあふれている。

「さぁさぁ会場はこちら!1等はまだでてないよ~!」

ピンクのハッピを着た町内会の人が客引きをしている。

カナはカバンから抽選券をドサリと出した。

「52回分、うちのバイトがひかせてもらうわよ」

周りは突如ざわつきはじめた。コンビニの店長じゃないか、とすぐに噂が広まってゆく。ハッピの人も、えらい人がきたなという感じで、

「はいカナマートさんが1等を取るのか?どうぞ!」

ロボットバイトが1回目を回す。ポロリと玉が出て来る。

「はい7等のティッシュね!」

「これからよ!頑張りなさい!」

30回やってもティッシュしか出なかった。他の等もあるはずなのに、ずっと7等しか出ない。

「あんたよっぽどくじ運ないんじゃないんの?どうなってるのよ」

50回目もあえなくティッシュだった時、カナは限界を感じ、

「ちょっと貸しなさいよ!」

51回目をカナが思わず回す。と…。

違う色の玉が出て来た。ピンクハッピ男が息を飲む。

「1等~~!!!」

ガランガランとベルを鳴らす。

「やった!」

「ヤリマシタネ」

14日間の世界船旅が見事当たった!

「さっそく明日から行ってくるわよ!店をよろしくね」


街を抜けて少し行った所に港がある。そこに豪華な大きな船が泊まっていた。カナが乗る世界一周用の船だ。ミューミューに荷物を乗せたカナは思わず、おおっと声がでてしまう。14日と少し短めだけど、刺激がいっぱいつまっていそうだ。ミューミューを走らせて船へと向かって行った。空は晴天で、よい旅になる予感がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ