表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/40

第31話 クレーム

解けない氷も無事調達し、また店長室で怠惰なおでん食いをしているカナマートの店長のカナ。

「あーおでんは飽きないし旨いわー」

3号店のロボットバイトがミューミューに乗って売上金を運んできた。

「おつかれー」

ふとモニターを見てみると、ドワーフの客とロボバイトが何やら言い合いをしているように思えたので、おでんを机に置き、レジに向かってみた。

ドワーフが大声をあげて、他のお客さんを怯えさせている。ロボットバイトはあたふたしている。これは見逃せない。

「ほえぁ?何かありましたか?」

気のない言葉でドワーフに語り掛ける。ドワーフはやっと上の者が来たかという感じでつっかかってきた。

「この店は品ぞろえが悪いのう」

「そんな事ありませんよ!おでんにソフトクリームにポテチに…」

「食べ物はまぁいい。問題は他のものじゃ」

「…と、いいますと?」

「例えばエルフ用の消臭スプレー、ないのが考えられん!エルフの綺麗好きはお前らも知っておろう!なぜ置いておらんのか…」

「でもお客様ドワーフですよね?」

「じゃから!同じくドワーフ用の消臭スプレーもない!独特の体臭が出るのは分かっておろう!なぜ置いていない!?」

「それは申し訳ございませんでした。納品しておきますので…」

「そのくせトカゲ用のシャンプーは置いてあったりするのは何故じゃ?」

「あ、それはトカゲのお客様からのリクエストでして…」

「じゃあワシもリクエストするぞい!置いておいてくれ!」

吐き捨てるように言ったドワーフは、プンプン怒って出口に向かっていった。

「うーん。納品するのは簡単だけど、何か入れたら何か出さないといけないのよね…」

コンビニの品は常にパンパンである。ここからのチョイスがお店のセンスに関わってくるのだ。

ロボットバイトと相談した結果、雑誌コーナーを縮小してスペースを確保することにした。いっそのこと「消臭スプレーコーナー」として置こうかという話も出た。


消臭スプレーは3日後に届き、さっそく並べる。

数日後、例のドワーフが来て驚いた。

「スプレーもうあるじゃないか!買った買った!」

そう言ってドワーフはスプレーを買い占めた。たまたまレジを打っていたカナは、エルフ用の消臭スプレーも見つけて、

「あれ、エルフ用のもありますけどいいんですか?」

と問うた。

「いやあ同じパーティーにエルフもいてな、その…わかるじゃろ?」

「ははぁん…そうですか」

察したカナは一緒の袋に入れ、渡した。

「仲良くなれるといいですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ